表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/40

03 魔力測定

 今日は突然目が覚めた。嫌な夢でも見ていたのだろうか。


 今、俺は学生寮に住んでいる。今まで施設にいたため、家は無い。

 この学校の生徒の半数以上は学生寮に住んでいる。都外から学校に来る生徒も少ない。


 しかし、今日はいつもより早く目が覚めてしまった。何故だろう。

 昨日は、自分の記憶についての情報は何も得られなかった……。まあ、まだ登校二日目だから焦っても仕方がないだろう。


 今日こそは何かあることを期待しよう……。

 そんなこと考えながら、時間になるまでベッドの上で天井を眺めていた――。




 「み、皆さんおはようございます。き、今日は魔力測定を行うので、た、体育着を着て体育館に集合して下さい」 

 

朝のHRも終わり、全員体育館への移動を開始した。


 入学式を行った広い体育館に、一年生全員集められた。各クラス固まって番号順に並んでいる。

 俺の出席番号は34番、最後の方だ。


 「それでは、これから魔力測定を行う。各クラス、列の最初の者から順番に魔力測定を行え!」


 怖そうな男の先生が大声で言った。

 魔力測定は、魔力を測定する専用の機械で、個人の魔力量と魔力の属性を測る。


 「で、ではZ組の皆さんも1番の生徒から魔力測定を開始します」


 藍田先生の開始の合図で魔力測定が始まった。


 「い、1番、赤坂 大吾(あかさか だいご)さん、魔力量"127"、属性は"火"です」


 「に、2番、安倍 文香(あべ ふみか)さん、魔力量"106"、属性は"水"です」


 こんな感じで番号順に魔力測定が行われていった――



 次は久我の番か。


 「じゅ、13番、久我 旭さん、魔力量"694"、属性は"火"です」


 「ふっ、どうだ俺の魔力量は! すげぇだろ!」


 今のところZ組の最高だ。他の人たちは皆、100を少し超えた程度だった。

 それに比べて久我は、700近くまでいっている。


 そういえば、"ゆうき"という黒長髪の女子の魔力量も気になるが、何処にも見当たらない。今朝のHRには、いたはずなのだが……。


 

 大分時間も経過し、ようやく俺の番がやってきた。

 よし、やるぞと意気込んだ時、後ろから誰か走って来た。


 「すみません、職員室に呼ばれていて遅れました」


 "ゆうき"という黒長髪の女子だった。


 「で、では、次は神坂さんでしたが、本来花霞(かすみ)さんの方が順番が早いので、さ、先に測定しましょう」


 いや、何でだよ、と突っ込もうとしたが、もう既に測定は始まっていた。


 「ろ、6番、花霞 空(かすみ そら)さん、魔力量"1374"、属性は"風"です」


 Z組、そして近くで測定をしていたクラスの人達が驚愕した。

 そして、久我も大きく口を開けて驚いていた。


 「おい、マジかよ」


 「あいつ、1000超えだってよ」


 「あいつ絶対"ホシモチ"だろ」


 久我の約二倍、周りの反応から見て相当凄いことなのだろう。

 しかし、周りの声から聞こえた"ホシモチ"とは何だ。聞いたこと無い言葉だ。


 そして、ようやく俺の番が回ってきた。

 俺は専用の機械に手をかざした。


 「エ、エラー?」


 機械の画面には"エラー"という文字が表示されていた。


 「も、もう一度お願いします」


 またエラーが表示された。何回試してもエラーが出る。

 隣りのクラスの機械でも試したが、同じ結果だった。

 

 「あ、あれれぇ、おかしいなぁ。機械の故障かなぁ」


 藍田先生は次の番の生徒で試した。

 俺の次はあの口うるさい茶髪の女だった。


 「さ、35番、睦見 来海(むつみ らいか)さん、魔力量"439"、属性は"水"です」


 何の問題も無く表示された。その次の人も、またその次の人も問題無く測定された……。


 俺は自分の魔力量も属性も分からないまま、後回しにされた。


 黒長髪の女子が花霞空という名前で、魔力量が普通より多いことは分かった。あと、茶髪の女の名前も。

 だが、俺の事は何も分からず、更に謎が深まっただけだった。

お読みいただき、ありがとうございました!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけた嬉しいです!

よろしければブックマークと広告の下の「☆☆☆☆☆」から評価をして応援して頂けるともっと嬉しいです!


文章に違和感があるかも知れません。

誤字脱字などありましたら、ご指摘お願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ