02 初めての学校
「新入生の皆さん、入学おめでとうございます! ようこそ、東京魔導高専へ――」
生徒会長らしき人が元気良く、ステージの上でそう言った。広い体育館で1040人の新入生が入学式を終えた。
入学式終了後に職員から紙を渡された。紙には、自分の名前と組のアルファベットが書かれていた。
俺の組はZ組か、一番最後のアルファベット、Zか……悪くないな……。
そんなことを考えながら、自分の教室へと向かった。
教室の前に到着し、深呼吸をしてから扉を開けた。
教室に入り、辺りを見渡すと教室にはまだ、十人程しか居なかった。
黒板には、『適当な席に座って待っていて下さい』と書かれていた。
席は空いているところが多かったが、扉から真っ直ぐ進み、一番奥の席へと座った。
少し時間が経つと、一気に人が入ってきた。
俺の前の席には、入学試験の時に見た赤茶の髪の男が座った。
「よお、俺久我 旭。よろしくな」
久我は席に着くなりいきなり話しかけてきた。
「お、俺は神坂 壱。よ、よろしく」
いきなりだったものだから、少し焦ってしまった。
「はじめって言うのか、同じクラス同士仲良くしような」
「お、おう」
久我は、俺との会話を終えるなり、直ぐに前の席の人に話しかけていた。
最後に二人組の女子が入って来た。空いている席は俺の隣りか、教卓の前しか無い。
二人は俺の方に来た。俺の隣に黒長髪の女子が座った。その側には、茶髪の女子が一緒にいた。
「ちょっとあんた、そこの席どいてくれる」
突然茶髪の女子が俺を見て言った。
「いや、ここの席は譲れない。ここの席ではいけない理由があるのか?」
「理由もなにも、あたしは"そら"の隣に座りたいの。だから早く退いて」
なんだこの女は、意味が分からない。俺も教卓の前の席は嫌なので、譲る気は無い。
しかしよく見ると、黒長髪の女子は入学試験の時に俺を助けてくれた女だった。名前はそらというらしい。
「ねぇ、聞いてるの? 早く退いてよ」
「だから、ここは俺の席だって言ってるだろ……」
二人で言い争いをしていると、教室の前の扉が空いた。
教師らしき女性が一人入って来た。
茶髪の女子は、仕方なく教卓の前の席に座っ行った。
「み、皆さんおはようございます。にゅ、入学おめでとうございます」
教壇に立った女性がそう言った。
「わ、私は一年Z組の皆さんの担任になりました、藍田ことりです。よ、宜しくお願いします」
藍田先生は、少しおどおどしている人だ。
「き、今日から皆さんはこの学校の生徒です。が、学校の名に恥じぬよう、が、頑張りましょう!」
そう言って藍田先生の挨拶は終わった。
この日はこれといった行事は特に無く、終わったのだった。
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