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「はい香山くん今日は何日ですか」
「はい姉御今日は4月25日です!」
「一晩寝たら2週間以上過ぎてるってどういうこと」
「やっぱ問題を後回しにしちゃダメなんだろ!」
状況はお察しの通りだ。
しかも、このめちゃくちゃな時間経過以外にも懸念事項がある。
「あんたが初めて殴られたのって明日じゃない?」
そうなのだ。
おそらく明日の昼下がり、食堂前の通りを歩いている私は突然目の前に現れた女の子に思いっきりビンタされる。
「その時間にそこにいなきゃいい話なんじゃねぇの?」
「下手に過去と違うことやんない方がいい気がするんだよね」
「それ俺がいる時点でアウトなんじゃ」
「だからこそだよ」
正直すっごく殴られたくない。
左頬を出さない決意をしたというのに、また右頬を出さないといけないのか。
…ここで殴られてしまったらまた振り出しに戻ってしまう。
「いや、やっぱ平和的に解決しよう。ビンタはどうにか避けるよ」
「おっいいぞその調子だ」
「姉御カッケェ‼︎」
幸い、一晩寝たら2週間以上経過していることもなく、無事に26日になった。
一度聞いた授業を受け時刻は14時過ぎ、そろそろだ。
来た。
が、様子がおかしい。
「あ、あの…」
前は声もかけずに腕を振りかぶったというのに。
「どうしました?」
「えっと、ちょっと変なこと聞いていいですか…?」
まさか
「あの〜、えっと、多分私、あなたに会ったことがあるというか何というか、えっと、私に見覚えありますか…?」