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話せる理由

黄鬼をマルが倒し、無事に2体の鬼に勝った太郎たちは鬼を草の茂みに隠しました。作業が終わり木の上を太郎が見ると、マルも太郎を見下ろしていました。


「で、マルはなんで喋れるんや」マルがいる木に向かって歩きながら太郎は聞きました。


「さぁ。こっちが聞きたいくらいだ。喋れるのはあんたとだけみたいだしな」


「3日前は鳴き声やったから、その間に何かがあったと思うんやけど、きび団子とか食べた?」


「団子は食べていないが、きびなら他の雑穀と一緒に食べたはず」


「ほんまか!きび団子を食べてこいつらは喋るようになったからそれか!」


「いや、それなら前から食べているから、3日前に話せていないとおかしい」


「そうか。じゃあ、いつもと違う物を食べた記憶は?」


「獲物はいつも大体同じはずだし、特別変わった事はない。違うとすればあんたが来た事くらいだ。あんたとしか喋れない事を考えれば、オレが喋れる要因はあんたにあるんじゃないのか?」


「確かにそう言われてみればそうやな・・・。オレがおった時に食べてたのが雑穀やろ。けど、それにオレは触れてない。吉之助殿の手から・・・。桃石・・・?あの時、吉之助殿は桃石を触ってから椀に手を入れてマルに餌をやっとった。桃石の力やと考えれば、お母はんが団子を作ってくれた時も、神棚から桃石を下ろして持たせてくれたから触れてた可能性が高い・・・。これの力か・・・」太郎は刀を鞘から抜き見つめました。


「その刀に何かあるのか?」


「オレが持ってきた石には特別な力があるみたいで、この刀の芯の部分にその石が使われとる。吉之助殿がお前に餌を手で食べさせる前にその石を触ってたんや。たぶんそれが要因なんやと思う」


「なるほど。あんたが要因と考えれば、辻褄は合うか」


太郎とマルが喋っていると、後ろにいたサスケが太郎たちに話しかけました。


「なぁ太郎はん、また喋れるようになってんけど・・・」


「そういえば、助けてー!って叫んでたな。なんでや?」太郎も首をかしげます。


「・・・何も食べてないで!?」サスケは顔の前で両手を振りました。


「いや、食べた」マルが地面まで下りてきて言いました。


「え?ほんまにワイは何も!」サスケは驚きの表情です。


「食べたんだ。オレのうんこを」


「え?」サスケは固まりました。太郎とハナも固まりました。


「本当は鬼の頭に落としてやろうと思ったんだが、風で少し流れたみたいでな。でも、話せるようになって良かったな」サラッとマルは言いました。


「桃石の成分が入ったうんこをサスケが食べたから話せるようになったって事か?」太郎が聞きました。


「そう考えるのが妥当じゃないか?他に何も口にしていないのなら、話せるようになった直前に食べたうんこが要因だろう」


「オエーっ」サスケが地面に手をついて吐きそうになりました。


「あかん!吐いたらまた喋れんようになるかもしれん!」ハナが叫びます。


「そんな事言われても、うんこ・・・オエーっ!」


「耐えろサスケー!!」太郎も励まします。


「気付かないくらいの少量だったし気にするな」とマル。


「知ってもうたら少量とか関係・・・オエッ!」


「せや!団子!団子あるから!口直しに団子食べてええから!」太郎はそう言って団子を2つ取り出しサスケに渡しました。


サスケは「ウッ」となりながらも団子を口に入れました。もぐもぐもぐ、ごくん。「・・・あまーい」吐き気は収まり、サスケは満足そうな顔をしました。

今回も読んで頂きありがとうございました!

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