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【電子書籍化】恋の予言によると騎士団長様とモフモフ好きなギルド受付嬢は最高の相性らしいです。  作者: 氷雨そら
電子書籍化記念 後日談

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記念SS 恋の予言が告げる日だまり


 これは、もしや、あの時視た光景なのだろうか。

 ラディルは、離れた場所から気配を消してその光景を眺めていた。


 エレナが笑っている。そして、その周囲の人たちもみんな。


 ほんの少しの疎外感、その後、背後からの視線を感じてラディルは振り返る。

 そこには、無理矢理連れてこられたようにしか見えないローグウェイの困り顔と、満面の笑みを浮かべたジャンがいた。


「――――どうやって、見つけたんですか。完璧に気配を消した予言師を見つけるなんて」

「……簡単ですよ! 予言師殿は、いつもエレナ殿が絶対に気がつかない場所にいます。そして、もう匂いを覚えましたから」

「え……。後半ものすごく嫌だな」

「そもそも、そんなに気になるなら、正面から声を掛けるべきです!」


 首をかしげた、大きな瞳の少し可愛くも見える騎士の言葉。

 それは、ラディルにとって、ちょっとした願いでもあるかもしれない。


「――――できない」

「なるほど……。予言師殿の言葉は」

「それ以上言うと、未来が変わるかもしれない」

「……う~ん」


 その言葉を聞いた、ジャンは首をかしげ、しばらく何か考えているようだった。

 そして、袖を掴まれたまま、長いため息を吐いたローグウェイは、この後の出来事を正確に予測していた。


「ま、未来とは変わるものじゃないですか! さ、婚約祝いに行きましょう!!」


 エレナとレイの婚約。

 アーノルドはすでに、エレナに祝いの贈り物をしている。


 制服だけでなく、ドレスも美しく着こなしたフィルも、うれしそうに笑っている。


 まぶしい、日だまりのような場所。

 そこは、ラディルがいつも視ているばかりの場所だったはずだ。


 両手でそれぞれ、ローグウェイとラディルの袖を掴んで無理に歩き出したジャン。

 その力は、想定以上に強くて、だれも振り払うことができない。


 振り返ったエレナが、満々の笑みで笑う。

 それは、たしかに、かつて予言師になったばかりのラディルが、手に入れることができないくらいか細い未来の予言の先に視た、幸せそうに笑うエレナだった。

本日、上下巻配信です。

応援ありがとうございます。感謝を込めて、ウェブ版の限定SSを贈ります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ラディルがかつて視た未来、エレナの笑顔を見ることが出来て 本当によかったです*\(^o^)/* 3人メインのSSありがとうございます♪ [一言] 電子書籍版を改めて読んでみて、レイ様の…
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