美人上司と甘々なのに、幼馴染が邪魔してくるんだが。
マヒロが会社にやって来て、二週間ほど過ぎた頃。
「このラックの商品アイデアうまくいけば、
当たると思うんすよね?」
「そうね。組み立てもそんな難しくないし、
収納スペースも広過ぎず、狭過ぎず、ちょうどいいかもしれないわね...」
「値段以上の価値を消費者に提供できると
考えます」
「流石、山吹シンジくん!」
俺の頭に。
美人上司が、そのきれいな右手で優しくポンポンしようとしたその瞬間だった。
俺が美人上司の山野井さんとイチャイチャしようとしているところに。
マヒロの奴が、わざとなのか、割って入った。
「すみません、山野井さん、この資料に目を通してもらえますか?」
「あー、いま、いいところだから、
また後でね?」
「そんな!私、頑張って纏めたんです!
円グラフと柱状グラフで、わかりやすくしてみたんですが、どうでしょうか?」
「分かったわ。見てあげる」
マヒロは、それから、俺のことを
ドーンと突き飛ばした。
「仕事しなきゃ、でしょ?」
「あ、ああ..」
俺と美人上司とのイチャイチャ風景に
対して。
こんな邪魔が
マヒロによって幾度となく繰り返されていた。
そんなある日の事だ。
肌寒い秋。
花の金曜日だった。
俺はマヒロとふたりだけで、
オフィスに残り、
残業する羽目になったのだが。
マヒロの奴が、やたらと張り切っていた。
i栄養ドリンクにコーヒーに。
眠気覚ましなのか、マヒロのやつは
パソコンと睨めっこしつつ、飲みまくっていた。
俺は心配になって。
「おい、マヒロ。おまえな、もう帰っていいぞ。あとは俺がやっておくから」
「うるさいっ!もうちょっとで終わるのよ!」
「余計なお世話かもしれないがな、おまえ、
そんなに飲んだら身体に毒だぞ。
心なしか、目も赤いし、もう帰った方が...」
「シンジは黙ってて!あとちょっとで
あと、これだけ、保存したら帰るんだから!」
マヒロはやたらと張り切っていたが。
言わんこっちゃない。
「よーし、終わったわ!
さて、タイムカード押して帰るんだから!
シンジはどう??終わりそう?」
「うん、まぁ。
あと五分かな...」
「帰り支度しちゃお!!
悪いけどシンジ、私のこと、送ってよね?」
「え、なんで?」
「バカね!この私に理由を言わせる気?
女の子の1人歩きは危ないからに
決まってんでしょ!!」