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夜道には危険がつきもの

俺、希沙連恵斗は恋人である恋咲希と手を繋ぎながら、和気あいあいと夜道を歩いていた。

周りの暗さに目がなれてきたところで、ふとあることに気付く。

何メートルか、さきにある街灯の真下に死体があることに。いや、死体──らしきと言ったほうが正しい。

街灯の明かりで視認できているが、隣を歩く彼女はいっこうに気付かない。

もしかして、俺にしか見えていないのか?

彼女にホラーの類の話題を出すと身体を震わせ、泣き崩れるほどだ。

街灯を通りすぎようとしたところで、瀕死の二十代後半らしき女性が呼び止める。

「そこのしょ......ねん。たすけぇ、てよぉ」

冷や汗が身体から吹き出てきて、呼吸が荒くなる。

「けーくん、何でとまるの。何もないのに」

「なっ、何で、もない......よ。こさ、き」

左足を踏み出そうとした直前、悲痛な叫びが後ろから聞こえる。ずーりぃざぁー、ずーりぃざぁーとアスファルトを這う身体の音と共に。左腕の肩の付け根から切り落とされていた断面から血がぷしゅーと吹き出す音も混ざっている。

「おねがぁいぃ、たぁす、けぇてぇ......よ、ぉー。おね、がぁ......いだぁよっぉー」

「ねぇっ、けーくんっ!下の方から声がっ、こここっ声がっ、ききき、聞こえるんだけどぉ、何もいないよね?ねぇーけーくんっ」

腕にしがみついて、怯えている彼女に離れるように促す。

「......っいな、いぃ。前に、脚を踏みっ、出してぇー離れろぉ、恋咲希ぃ......」

「え、う......うん。けぇ、くぅんっ」

彼女が俺から離れ、泣き崩れる姿を捉えた瞬間、足首を掴まれる。

「きゅ、きゅうきゅ......しゃを呼べば、いいの、か?」

「寄越し、て......血を」

「そう......すれば、こさ、きに何も、しないよな」

「危害、は加えない......よ。ありっ、たけの血を、吸わせ、てくれば」

「わ、わわっわかった......よ。どうすれ、ばいい?」

俺は、瀕死の彼女に向かい合い、膝をアスファルトにつけ、訊ねる。

「首を......首筋を出し、て」

彼女の顔の前に首をもっていく。

「これでいい、のか」

その瞬間、首筋に痛みが走り、意識を失う。

「──くんっ!、けー、──かりっ!」




今回は、吸血鬼ものです。一ヶ月に一度は更新できるように頑張ります。

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