流れ星
遅れてすいませんでしたうわあああああああああああああああああああああああ
~*****~
『はあ…、なんか今日疲れたなぁ…』
とても大きなため息とともにあのグロテスクな光景が蘇ってくる。いままでこんな事なかったのに。もう頭が真っ白になって訳がわからない…。
『スー…スー……』
少女は穏やかにそしてとても静かに眠っていた。
相当疲れていたんだろう、あの化け物からたった一人でボロボロになりながら逃げてきたのだから…。僕は彼女の事をとても強い子だなと思いながら、いつの間にか僕の手は少女の手を優しく撫でていた。しかしそこまで知っている訳でもないためどう慰めれば良いのか、僕には全くわからなかった。
『……?』
少女の肩に何かが刻まれているのを見つけた。
暗号のようなものだろうか、でも文字にもみえる…。
『…あっ!』
不意に大きい声をあげてしまった。この刻まれているものは、ずっと昔に見たことがある気がした…どこでみたんだっけ……。
[****]
そうこうしてあっという間にお昼を過ぎていった、僕はずっと考え事をしていた。今日はあの場所に行こうかなぁ…。そういえば彼女ももうそろそろ目が覚める頃だろうけど…。
気がつけばぐっすり寝てるなあと思いながらぼんやりと眺めていた。
『…んん…、ふぁ…?…おはよう、ございます…』
彼女は寝ぼけてるのか少しすっきりしない顔で目を覚ました。
『おはよう、…ってもうお昼だけど、お腹空いてる?』
僕は少女が寝ているベットの横にあるイスに座り
特に愛想なく言った。
『い、いえ…そんなことは…』
【グウゥゥ~…】
『あ…えっと…その、違うんです…、これはー…』
そう言いながら彼女は言っていたがお腹がなった瞬間に顔が真っ赤になり手で顔を隠して言い訳をしようとしている。
僕は思わず“ふふっ…”と不意に声が出てしまってそのあと少女の頭を優しくポンポンと叩いた。
全く面白い子だなぁ。
『ふふふ、いいのいいの、ちょっとまっててね』
僕はさっそく椅子から立ち上がり、とってきたリンゴなどの果実や魚を少し底が深い器の中ですり潰したりして食べやすいようにしたものを作った。見た目も良く栄養価が高いし、僕は美味しい感じるけど彼女はどうだろうなぁ。
そんな不安を抱えながらもとりあえずこれを与えてみることにした。
『ん、できたよ。あーんして?』
いまだに少し震えた声で呼びかけると彼女は小さく口を開け、それを静かに口にした。
『…おいひいです…食べやすい…』
彼女はゆっくり噛みしめ、口で抑えながら微笑み小さく答えた。
『本当に?』
それを聞き彼女を見た瞬間、心がホッとしたと同時に胸を撫で下ろした。
よかった、食欲は回復しているみたい。
あっという間に彼女は完食し、元気を取り戻したようだ。さっきまで下がっていた尻尾が少し上がっているのがそれを物語っている。
『ありがとうございます…、とってもおいしかったです…』
頭を何度もペコペコと下げた。
『いいのいいの、お口に合ってよかったよ…』
素直に嬉しいはずなのになんか複雑な気持ちだった。あー、もうなんだかよくわからなくなってきた。
『…あっ、もうこんな時間…』
彼女は窓から薄暗くなった空を見て小さく声に出した。なんとなくだが少し切ない表情をしていた。
『…あっ、そうだ。せっかくだし星を見に行かない?よく見えるいいところがあるんだ』
『…え?こ、…怖い…』
それを言うのも当然だと思った、でも彼女を慰めたい気持ちでいっぱいだった僕は引き下がらなかった。
『少しでもいいから、とりあえず見ていかない?』
『じ、じゃあ…よろしくお願いします…』
彼女は黙りこみ少し考えたあと、目を逸らしながら僕の手を握り、答えた。
『うん、じゃあ行こうか』
すぐ家を出ると松明をつけ、森の中をくぐりぬけていった。相変わらず彼女はずっと僕の手を握りしめていた。
『ついた…』
夜空を見上げると若干雲がかっていたが充分にはっきり見えるほど綺麗でやはり思わず気をとられてしまう。
『わあぁ…』
それは彼女も同じだったらしい。
どこまでも広がっている星はキラキラ光る宝石のように光続け、色褪せることがない。
『…いいとこ、でしょ?』
そう聞くと彼女は思わず「うんっ!」と、とても大きな声で微笑みながら言った。その後はっとしたのか少し固まりなにかに表せないようなしぐさをしている。
よっぽど綺麗だと感じたのだろう。なんだかほっとした…。
しばらくはこの星空をじっと見ていた。彼女もそうだったのだが僕も夢中に気がつけばもうなっていた。
『…あっ、流れ星…』
突然現れたから反応できなかったが辛うじて見えたところを指を差した。
『ながれぼし…?』
『えっ、うーんと…』
どこやら彼女は流れ星をみたことがなく聞いたこともないらしい。
『え、えっとね、流れ星っていうのは願い事を3回唱えると叶うっていう…まあそういうー…』
少しなげやりな感じだが大体合ってる…と思ったのでそう言ったが、少し理解に欠けてしまった…。
『願い事…、そうなんですか…』
その後彼女が目を閉じ、両手で祈るようにじっと静かになった。
それと同時に流れ星は一気に夜空を駆け巡りだした。僕も何か願い事を唱えようとしたが、特になにもないので、“この子が無事でいられるように”と思い付きで願いを心の中で唱えた。
[****]
もうどれくらい経ったのか、気がつけば周りは一面真っ暗でなにも見えなくなっていた。
よくよく彼女を見ると僕の腕を叉からぎゅっと離さず、ちょっぴり震えていた。
『…もう遅いし、帰ろっか』
そう彼女に言うとすぐ首を縦に振り尻尾を振る。
『で、では…暗いの怖いので早く帰りましょ…?』
震えていた理由ってそういうことかと理解しながら、すぐ手元においた松明にまた火をつけた。
僕は立ち上がり、彼女を連れて帰ることにした。
なぜかいつもより道が険しく、荒れてるような気がした。
『…早く、帰ろうか』
なんとなく嫌な予感を感じて僕と彼女は、いつもより早足になっていた。
『着いた…良かった…。』
無事に着き、僕たちはすぐ家の中へ入っていくと倒れこむように眠ってしまった。
なぜ森は荒れていたのか、少女の肩に刻まれていたものはなんだろうか。
まだ謎は深まるばかりだった…。
結構書くの難しくて苦戦しています…。
がんばります('ω')