パーティー
「ミプリカさん。僕と踊ってくれませんか?」
ルーズがミプリカさんを誘っていた。俺も誘おうとしたのに、わずかに負けた。
「かしこまりました」
ミプリカさんも誘いに応じ、フロアの中央へ行った
(ルーズってたしかダンス下手だったよな?)
ミプリカさんとルーズは綺麗なステップで踊っていた
「ルーズってあんなに踊れましたっけ?」
俺はリーフさまに尋ねた
「いや。見る限りでは、ミプリカ嬢がルーズをリードしているように見えるな」
そう言われよくよく見てみるとルーズはたまにステップを間違えていた。
「ミプリカ嬢ってすごいな。自分より大きい相手をああやってリード出来るなんて」
リーフさまは驚いていた
「ミプリカさんは素晴らしい女性だ。本来なら将来的にルーズの隣にいるべき皇妃にふさわしい方なんだがな…」
「ミプリカ嬢はなにか不具合でもあるのか?」
リーフさまが言った
「ミプリカさんには彼女が学生時代から義母親の決めた婚約者がいるんです。ですから、ルーズとは一緒になれないんですよ」
俺は未だに踊り続けている二人を見つめた
「ルーズ相手なら婚約者も身を引かざるを得ないだろうに。」
「とは言いましても二人が出会ったのは初めてですよ?そう簡単にはいきませんよ」
そう。ミプリカさんの婚約者は紛れもなくこの俺。婚約が決まってもなお離れて過ごしていたからか彼女への想いは深いと言える。ルーズなんかに渡すものか
「たとえあいつが皇太子だとしてもミプリカさんは渡さない…」
俺はそっと呟いた