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「ミッ!ミプリカさんのドレスはきれいだね。似合ってるよ」
ルーズさまは話を続けた
「ありがとうございます。ドレスって苦手なんですよねわたし」
「そうなのかい?」
「はい。コルセット自体が苦手ですし、国の経済問題を考えるとドレスを着なきゃいけないような行事は減らせないのかな?って思うのです。学生時代からこのドレスは着用しておりますし、もう1つ空色のドレスだけなんです。」
わたしの話にルーズさまは目を丸くされたもよう
「国の経済問題?」
「私たちのような皇族や貴族には全く被害がありませんが、一方で民衆は働いても働いてもきりがなく、生活困難。酷いところでは日々のパンすら手に入らないと。」
「僕の知らないところでそんなことが…」
ルーズさまは気を落とされたようだ
「申し訳ございません。皇太子殿下であるルーズさまにこのような話をしてしまい。でも私はいくら人にバカにされようともドレスに使うようなお金があるのなら生活困難な民衆にパンを配りたいのです。やっぱりおかしいですよね。貴族なのにこんな考えなんて」
私は薄く笑った。ユカルタ帝国に戻ってきて帝国の経済を目の当たりにしたときあり得ないと思った。貴族は日々ダンスパーティーやらティーパーティーを開いていて民衆は朝から晩まで働いてもきちんと栄養のある食事をとることも出来ないだなんて。
「いや!素晴らしいじゃないかその考え」
ルーズさまが笑われた。その笑顔の素敵なこと。つられて私も笑顔に
しかしそこに現れたのは
「あらミプリカ。こんなところにいたの?まあこれはこれは皇太子殿下ではいらっしゃいませんか。お久しぶりに存じます。ミプリカ。あなた殿下の何を話していたのかしら?」
「アゼリアお義姉さま…ルーズさまいえ。殿下とは何もお話ししておりません」
「ほんと?ならいいわ。先程カルミナーヤ卿のアルフレッドさまがミプリカのことを探していたわよ」
「カルミナーヤさまがですか?では失礼します」
私はお義姉さまとルーズさまのもとから離れた。カルミナーヤさまを探すためだ。
しかしいくら辺りを見回しても見つからない。まあそれもそのはず。アルフレッドはまだ王宮に着いていないのだから。