出逢い
王宮に着いた私は金銀きらめくシャンデリアや壁一面に飾られた絵に目を奪われてしまった。
「ミプリカ。行くわよ。お父様たちが向こうで待っていらっしゃるわ」
「はい。お義姉さま。」
お義姉さまについて私はパーティー会場へとたどり着いた。皇帝、皇妃さまの元へと向かった
「お初のお目にかけます。ミプリカ・ファン・オリヴィエともうします。今宵は私もパーティーへご招待いただきましたことありがたく存じます」
「楽しんでいってね。」
「はい」
挨拶が済むとお義姉さまはご友人の元へ両親は他のお貴族さまがたへ挨拶に向かった。私はといえば特に友人もいないため行き場が無くなってしまった。
(どうしよう…)
ふと壁際に目をやるとなにやら休憩室のようなところがありそこへ向かった。
(ふぅ。エスコートの男性どころか友人のひとりもいない私にどうやって時間を潰せとおっしゃるのかしら?)
うつ向いていると黒い1対の靴が目の前に現れた
「パーティー楽しくないですか?」
「いえ。お席でしたらすぐに」
私は立ち上がった。しかし慣れないヒール靴だったためによろけてしまった。
「大丈夫?」
目の前にいた黒い靴の人が私を支えてくれた。
「ありがとうございます」
私はうつ向いたまま言った
「怪我がなくてよかった。きみはどうしてひとりでいるんだい?きみくらいの背格好なら友人のひとりくらいはいるだろう?」
目の前にいた人を見ると身長はさほど変わらない男性だった
「いえ…友人のほとんどはクルトン国にいるんです」
「そうだったのか…。ところできみの名は?」
「自己紹介が遅れて申し訳ございません。私はミプリカ・ファン・オリヴィエともうします。」
「ミプリカ。可愛らしい名前だね。」
「おそれいります。あなたは…?」
「失礼。僕の名はルーズ。ルーズ・ガルバッタ・ティーバル。」
ルーズ?聞いたことある名前ね…あっ
「もしかして皇太子殿下であらっしゃいますか?」
「そうだが。」
「まあ!学生時代に義姉から何度か話は聞いておりましたがここまでとは…」
「話?」
「はい!かっこよくて勉学や武学にもたけていらっしゃる知的な方だと聞いておりました」
「そんなことを言われるといくら噂であっても恥ずかしいな」
「恥ずかしがる必要はございません。殿下は聞いていた通りかっこいいんですもの」
「オリヴィエ嬢、殿下と呼ばないでもらえるかな?そう呼ばれるの好きじゃないんだ」
「わかりました。では私のこともオリヴィエ嬢ではなくミプリカとお呼びくださいルーズさま」
私は無意識ににっこりと笑っていた。
(かっかわいい…)
このとき私は気がつかなかった。ルーズさまのお顔が赤くほてっていただなんて