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「私が男だったら?そんなこと言われなくても貴方が私を使えばよろしいのでは?」
「えっ?」
「私は貴方の婚約者ですもの。結婚したあとに私を有効活用すればよいのですわ!」
ミプリカさんからこんな言葉が出るなんて思いもしなかった。
「確かに言われてみればそうかもしれない。ミプリカさんの力を俺が使えばいいんだ」
「えぇ」
そう言ってミプリカさんはふんわりと笑った。
「あっ!大変。部屋に戻らなくてわ。今日は宮廷でパーティですね。こっちに帰ってきてからは始めてなので少し楽しみです。本音を言うとあまり行きたくはないですけど両親と義姉の顔をたたせなければならないので。では失礼しますね」
ミプリカさんは図書室を去っていった。
(さて、俺も戻らないとな)
俺は外に繋いでいた馬にまたがって家に戻ろうとした。
しかし森の中にオリヴィエ家はある。オリヴィエ家のもの以外で迷わずに自宅に帰れたものはそうそういないと有名な森で尚且アルフレッドは方向音痴だった。果たして無事に帰り着くのだろうか…
一方ミプリカは
「遅くなってごめんなさい。」
「お嬢様!どれだけ待ったと思ってるんですか?」
「ごめんなさ~い。図書室の本が面白すぎて時間を忘れちゃうのよ」
部屋に戻ってそうそうお小言を受けていました
「さあお嬢様。準備をいたしますよ」
「分かってるわよそんなことくらい。でも自分で出来るからやらせて」
ミプリカはクローゼットからすみれ色のシンプルなドレスを取りだし着ていたワンピースを脱ぎ捨ててドレスを着た。靴はドレスと同じすみれ色のヒール靴。髪はおろしたまま毛先を巻くだけという簡単な感じにした。
「お似合いですお嬢様」
「ありがとう。」
その時扉が開いた
「ミプリカ準備は出来たかしら?」
「お義姉さま!はい準備は出来ました。お義姉さまのドレスすごくお似合いです」
「そう?ショボくないかしら?」
ミプリカの義姉アゼリアは自分のドレスを見回した。アゼリアのドレスは濃いピンクでたくさんのレースやフリルがついていた。こちらはミプリカとは違い派手なドレスだ。
「まあ今回のパーティはたいしたパーティじゃないからこのくらいでいいわよね。さあミプリカ!行くわよ」
「はい!お義姉さま。」
ミプリカはアゼリアの元へ駆けていった。二人は馬車に乗り宮廷へと向かっていった。馬車の中では二人は笑顔で楽しそうに話をしていた。