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秘密結社KJラボ☆  作者: 星川亮司
2章初恋のハイビスカス
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53 激突!琉球空手!!

KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。父・賢治の手紙で夏休みの間、奄美大島へ来ている。


宮里賢治(36)KJの父、売れない作家。失踪中から、ひょっこり顔を出した。変な奴。


花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。KJの保護者。




愛人(カナ)(32)奄美大島で観光ガイドをしている。賢治の亡くなった妻・涼子に瓜二つ。


海咲(ミサキ)(8)徳浜ビーチで出会った女の子。愛人(カナ)の娘。今は、祖父母である加計呂麻病院の院長夫婦が無理矢理引き取っている。



徳山虎雄(76)加計呂麻島病院の院長。


徳山夏海(なつみ)(28)加計呂麻島病院の院長の愛人(あいじん)との子。院長夫人が強引に引き取り養女として育てられた。


徳山節子(78)島の名士の娘で虎雄の妻。

賢治の指示でKJと若葉は海咲(ミサキ)を探しに廊下へ飛び出した。


「宮里くん。強引に海咲(ミサキ)を連れて行くと言うなら私にも考えがある」


虎雄は立ち上がって、大島紡ぎの着流しからもろ肌脱いで、まるで武道家のように鍛えあげられた隆々とした筋肉を見せる。


「わたしゲコですからお酒弱いんですよね~」


と、賢治、少し酔ったように右手に並々と注いだお猪口を、左手に黒糖焼酎を掴んでフラッと立ち上がる。賢治、ままと、虎雄に黒糖焼酎をすすめる。瞬間!


「エイサーッ!」


と、虎雄が猫の手に開いた骨法の手刀で、黒糖焼酎の一升瓶を切り裂く。


「表へ出ろ!」


虎雄は、障子をうち開いて裸足で庭へ踏み出し、グッグと、地面を踏み固め、拳を固める。


賢治は、酔って来たのかニヤッとして、


「ほう、琉球空手ですか?……でも、焼酎がもったいない」


と、グッとお猪口の黒糖焼酎をあおり、羽織を端折(はしょ)ってひらりと、庭へ舞い降りる。


虎雄は賢治の所作に、


「君も使えるのかね。流儀は?」


「南派小林拳・洪家拳!」


賢治は、手の甲を見せさっと構える。


エイサー!と虎雄の一撃必殺の拳が撃ち込まれる。


ひらりひらりと、体を捻ってギリギリでかわす賢治。


虎雄の一撃が、賢治の胸を掠めて庭の植木を砕く。


賢治、腰に差した扇子を引き抜き、虎雄の打撃へ反撃に出る。


剛の拳の虎雄と、ひらりひらりとかわして、ピシャリと、深手にならないように扇子を撃ち込む賢治。


一進一退の攻防だ。





――――屋敷。


海咲(ミサキ)ちゃん!どこにいるの!!」


KJが、廊下を海咲(ミサキ)の名を呼んで叫ぶ。




つづく







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