6 ニヤリ
【登場人物】
KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。
宮里賢治(36)KJの父、売れない作家
花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。
「くしゅん!」
若葉は、突然の夕立にやられずぶ濡れである。
「あ~風邪ひいたかも。先、お風呂入るから夕飯はあとね」
風呂場にいきかけた若葉。思い出したように引き返してくる。
「kjいらっしゃい。それから(賢治に向かって)覗くなよ!」
「俺は、関西人だからそれは見に来いってフリか?」
じーーー。
若葉の冷たい視線。
「はっはっは。僕はダンディーな関西人だから、覗きはしないよ。軽くボケただけさ、嫌だな義兄(お兄さん)を信じてよ、はっはっは」
賢治の脇を通るkjがニヤリ☆
「裏切り者!!」
「フッ、これが若さというものさ、フッフッフ・・・」
kjは、そういい残すと風呂場に逃げ込んだ。
「若葉!危険だ!!そのガキを信じちゃいかん。早まるな!!」
ガラガラ。ピシャ。ザバーン。ケッケッケ‥‥。
若葉は、大学受験を控えたとても勝気な女子高生。夏休みの間、夏期講習に行くのに便利だという事で、半ば強引に居候を決め込んだ。
勉強はいつでも出来る。青春は帰って来ない。
「ガールズ・ビ・アンビシャス」
と、のたまう少し困った性格の女子高生。今は亡き涼子の面影を宿す美しい女性の原石である。
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