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4 事故の日
<登場人物>
KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。
宮里賢治(36)KJの父、売れない作家
宮里涼子(24)故人。賢太の母。6年前交通事故で命を落とす。
花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。
「父ちゃん、母さんが死んだ日何処にいたの‥‥」
ずっと小さな胸の中のポッケにしまっていた質問。
「ああ‥‥。あの日な‥‥」
いつに無く口ごもり答えがつづかない。
kjは、父のいつものTPOが効いたシャレた答えや、冗談交じりの答えでもよかった。
だが、今日の答えは聞く前に不安になる。
「実はな、俺はあの日涼子とお前を‥‥」
赤焼けの空に、雷鳴が響く。
空は暗闇が覆い、夕立の雨が縁側を濡らす。
慌てて中に引き篭り、答えはそのまま雨に流された。
後愛読ありがとうございました。どうか、また、覗いてやって下さい。