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秘密結社KJラボ☆  作者: 星川亮司
2章初恋のハイビスカス
39/82

17 リリィーおばぁの鶏飯

KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。


宮里賢治(36)KJの父、売れない作家。失踪中。


花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。



愛人(カナ)(32)奄美大島で観光ガイドをしている。賢治の亡くなった妻・涼子に瓜二つ。


海咲(ミサキ)(8)徳浜ビーチで出会った女の子。


リリィおばぁ(76)

愛人(カナ)の車でリリィーおばぁの家へ帰って来た3人。


リリィが、湯気あがる鍋に鶏肉を灰汁(アク)抜きしながら、出汁(だし)をとり茹でる。


酒、淡口正油、塩を濃いめに調え干し椎茸。


白米に鶏肉を崩しながらバラ切りにして、金糸卵、鶏肉、椎茸を刻んで海苔を散らして出来上がり。


最後に、鶏肉からとったスープをサラサラかけていただきます。




リリィ「島の料理だよ」


愛人(カナ)「鶏飯ね。リリィおばぁの鶏飯は出汁が一味違うのよね」


リリィ「それは、わたしが死ぬときに教えてあげようね。それまでは秘密さ」


愛人(カナ)「死ぬときって、それじゃ秘密のまま墓場へ持っていくってことじゃない。イジワル」


若葉は、卓袱台(ちゃぶだい)へ並べられた鶏飯をクンクと、出汁の匂いを嗅ぐ。


若葉「美味しそうな出汁の香り。お茶漬けみたいだけど手が込んでる」


リリィ「昔はほんとに貧しい島だったから、本土から大和人(やまとんちゅ)が来ると、こうやって鶏を潰してもてなしたの」


若葉「鶏を潰す?!」


リリィ「庭先で飼ってる鶏を首を絞めて殺して食べるのよ」


「えっ!」と、若葉・KJ箸をとめる。


リリィ「今は、スーパーでササミを買って来るさあ」


若葉「それはそうと、今日、加計呂麻島病院の孫娘ちゃんに会ったんです」




つづく







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