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秘密結社KJラボ☆  作者: 星川亮司
2章初恋のハイビスカス
38/82

16 か、か、愛人(カナ)さん!

KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。


宮里賢治(36)KJの父、売れない作家。失踪中。


花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。



愛人(カナ)(32)奄美大島で観光ガイドをしている。賢治の亡くなった妻・涼子に瓜二つ。


海咲(ミサキ)(8)徳浜ビーチで出会った女の子。


絵描きの青年(26)

ガレージには、浜のアダン(パイナップルのような島の果実)を、デッサンする青年がいた。


青年は、車へ向かう愛人(カナ)を見つけて声をかけた。


「カ、カ、愛人(カナ)さん!」


「こんにちは村田くん!」


青年と年頃の近い若葉が興味を示して、絵を覗き込む。


「スゴい生命力。浜のアダンがイキイキと描かれてますね」


「村田くんは、東京の芸大から、戦中の島の画家、田中一村に憧れて、同じように島のアダンの生命力を描いてる学生さんよ」


村田、目をキラキラ輝かせて、愛人(カナ)を真っ直ぐ見つめて、


愛人(カナ)さん。考えてくれましたか?」


村田は、まるで告白でもしたように緊張している。


「村田くん。もう少し考えさせて・・・」


「ぼ、ぼ、僕は、一目見た時から愛人(カナ)さんしかいないと心へ決めてました」


愛だの恋だのには興味津々JKの若葉が首を突っ込む。


「もしかして、愛人(カナ)さんへ愛の告白ですか?」


愛人(カナ)仕方ないなと、


「ちがうの村田くんは、島に来てすぐから私に絵のモデルになって欲しいって、こうやって頼むのよ」


な~んだと若葉。


「いいじゃないですかモデルぐらい。もしかすると村田さんの絵が認められて有名になるかも知れないし」


「ぼ、ぼ、僕は本気です!」


「・・・うん。だから困ってるの・・・」


愛人(カナ)は淋しい目を足下をむけたーー。




つづく

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