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15 愛人(カナ)の秘密
KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。
宮里賢治(36)KJの父、売れない作家。失踪中。
花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。
愛人(32)奄美大島で観光ガイドをしている。賢治の亡くなった妻・涼子に瓜二つ。
海咲(8)徳浜ビーチで出会った女の子。
海のテントのおばぁ(78)
そうこうしていると、若葉が愛人を呼んできた。愛人がKJを見つけて、
「海咲ちゃんは、加計呂麻島病院の院長の孫娘で教育方針が厳しいのよ」
「でもボクは、少し遊んだだけやで!」
「わかってるわ・・・」
海のテントのおばぁが愛人を見つけて声をかけてきた。
「そういえば愛人にも、(KJを指して)その子と同じぐらいの娘があったね。元気にしてるかね?」
愛人は淋しく、「ええ」とだけ答えて、荷物をまとめてガレージへ向かった。
その時は、KJも若葉も、何故か愛人がその事に触れて欲しくはないような素振りなのか分からなかった。また、一歩踏み込んで事情を探ろうとも思わなかった。
つづく




