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秘密結社KJラボ☆  作者: 星川亮司
2章初恋のハイビスカス
35/82

13 海咲(ミサキ)ちゃんーーッ!

KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。


宮里賢治(36)KJの父、売れない作家。失踪中。


花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。


愛人(カナ)(32)奄美大島で観光ガイドをしている。賢治の亡くなった妻・涼子に瓜二つ。


海咲(ミサキ)(8)徳浜ビーチで出会った女の子。

「海咲ミサキィィィーー!」


ビーチに甲高かんだかい声が響いた。


何事かと見ると、ビーチへ向かって走ってくる黒い人影。


「お婆様だわ!」


海咲(ミサキ)の顔が蒼白になった。


海咲(ミサキ)!戻ってらっしゃい!」


海咲(ミサキ)のお婆様は叫びながらなおも駆けてくる。


「(寂しそうに)KJ、もう行かなくちゃ・・・」


海咲(ミサキ)は小さくつぶやくと浜へ上がった。


お婆様は、海咲(ミサキ)が近くに来ると、その手首をギュッと握った。


まるでそうしないと、どこかへ飛び去ってしまうと思っているようだ。そして、お婆様は海のテントまで連れてって、Tシャツを剥ぎ取ると、キッとKJを睨みつけた。


鬼だ。


しかし、KJはその怖い鬼婆の顔が見えてなかった。(さら)われるようにして海咲(ミサキ)が連れ去られるのを見守る人々も目に入らない。


(かたわ)らに駆けよってくる若葉ーー。


KJはただ海咲(ミサキ)だけを見ていた。


海咲(ミサキ)ちゃんーーッ!」


遠ざかる海咲(ミサキ)に向かって、名を叫んだ。


海咲(ミサキ)はお婆様の腕の中で、じっとKJを見つめ返していたーー。



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