表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秘密結社KJラボ☆  作者: 星川亮司
2章初恋のハイビスカス
34/82

12 キミはなんてかわいいんだろう

KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。


宮里賢治(36)KJの父、売れない作家。失踪中。


花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。


愛人カナ(32)奄美大島で観光ガイドをしている。賢治の亡くなった妻・涼子に瓜二つ。


海咲ミサキ(8)徳浜ビーチで出会った女の子。

KJは、そろーり爪先を海面へのばす。見守る海咲(ミサキ)の目もあるからKJは勇気を振り絞って、ザブンッ!と海へ飛び込んだ。


「恐くないよ。海咲(ミサキ)ちゃんもおいでよ」


海咲(ミサキ)は恐々、海面へ足をつける。


「キャーッ!」


KJがイタズラに水をかけた。


「ほら、大丈夫」


「ケケケ」と笑って海へ潜るKJ。


海咲(ミサキ)、不安ながらまた一歩海へ足を踏み入れる。


「冷たい」


KJ、海坊主のように海面から、突然、顔を出す。


驚いた海咲(ミサキ)海へ尻餅をついて全身を濡らす。


「やったな!」


海咲(ミサキ)は、KJにやり返そうと体を肩に乗っけて沈めにかかる。



すっかりリラックスした海咲(ミサキ)を見て、KJは思った。


なんてかわいいんだろう!


KJは海咲(ミサキ)を追いかけて、逃げる海咲(ミサキ)は楽しげに笑いかける。


「KJの言うとおり海は恐くない」


KJとたわむれながら海咲(ミサキ)は言った。


「ねぇ、好きになった?」


KJは心を見透かされたように驚いて、ごまかすようにトボケて、


「なにが?」


「海。もう海は恐くないわね」


「(照れながらモジモジと)うん。ねぇ、海咲(ミサキ)ちゃんはいくつ?」


KJは海咲(ミサキ)に歳を尋ねてみた。ずっと気になっていたのだ。


「8歳よ」


「え!!」


「どうしたの?」


「もっと上かと思ってた」


体もKJより大きいし、態度もずっとおマセだ。とても同じ歳には思えなかった。


「KJはいくつなの?」


「ボクは・・・ボクも8歳(・・・まだ、数ヵ月あるけど)」


「あら」


海咲(ミサキ)は、イタズラっぽい目でKJを見下ろすような仕草をしてみせた。


二人は、時間も忘れて海で遊んだ。いつの間にかザーっと、スコールが降ってきた。


空にお日様は登っているのに、雨を降らせるなんて神様の祝福だと思えた。


まるでこのビーチにいるのはKJと海咲(ミサキ)の二人だけのような気がしてくるーー。



海咲(ミサキ)ィィィーー!」


ビーチに甲高(かんだか)い声が響いた。




つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ