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3 父・賢治
毎日、ご苦労様です。
縁側の風鈴が風に鳴いた。
「KJ、あかんぞ!」
商店街の女の胸を触って父賢治に叱られて、反省の色を見せるでもなく、どこかはにかんだ喜びを隠すkj。
隣で、金タライに水を張り足を浸して、ウチワでパタパタ、夕涼みする父・賢治。
アッケラカンと着流す薄染めの甚平が、のんびりした性格と、何にも縛られずに生きる自由人の一面を覗かせる。
kjは、雲のような形が見えない自由な父が好きだ。
見上げるとホッとする。気がつけば形を変える。暗くなり雨を降らせて消えてしまう。けれど、必ず戻ってくる。新しい夢や希望のクレヨンをいっぱい抱えて、kjの心のキャンバスに届けてくれる。
そんな、kjもたった一つだけ、父に聞けないことがある。母・涼子が死んだあの日の事‥。
暑い最中、熱中症へ気をつけて、昼休みは体を冷やして下さいね。
後愛読ありがとうございました。また、ご贔屓下さいませ。