7 海と星の島
KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。
宮里賢治(36)KJの父、売れない作家。失踪中。
花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。
愛人カナ(32)奄美大島で観光ガイドをしている。賢治の亡くなった妻・涼子に瓜二つ。
白波を掻き分け波を走る海上タクシーが、星明りをたよりに加計呂麻島へ走る。
海上タクシーの座席から愛人、海面へ手をつけ波をさらっている。KJ身を乗り出して、愛人を真似る。
「気持ちいいでしょう?」
高い波がぶつかり、投げ出されそうになるKJを抱きとめる愛人。
ニッ!っと、白い歯を見せ大丈夫と笑って見せると前歯が1本抜け歯ぬけのKJ。
愛人、KJ、若葉に微笑がこぼれる。
加計呂麻島瀬相港ーー。
入江へ海上タクシーが着きゆっくりと架け橋を渡す。
ヘッドライトを灯して愛人の車が海岸線を走りだす。
海へ張り出した諸鈍集落ーー。
デイゴ並木が出迎える。
愛人の車が、集落の一軒の家へ止まる。
「ようやく。お宿へ着いたよ」
キョロキョロしていた若葉が、
「愛人さん。さっきから探してるんだけど、コンビニがないわ」
「加計呂麻島には、小さい個人の商店があるだけでコンビニはないわ。何か入り用かしら?」
「スマホの充電器忘れたから、コンビニで充電器買おうと思ったんだけど・・・」
愛人、ダッシュボードをごそごそして、充電器を取り出す。
「はい。使えるといいんだけど」
愛人が充電器を後ろの若葉へ渡すより先に、KJが奪いとる。
「(指を突き立て、ちっちっち!と)必要な~し!」
若葉、慌てて、
「何言ってるの!思い出の写真たくさん撮らなきゃダメでしょ?せっかく南の島まで来たんだし」
「これだから、素人は困るよまったく知らないの?」
それは、南海の伝説の話・・・。
つづく。
おい、KJ!いくらジャンルはギャグだって、その展開1章のインドでやっただろ!




