~プロローグ2~
<登場人物>
KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。
宮里賢治(36)KJの父、売れない作家
花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。
"宮里 賢治"
差出人はKJの父・賢治だ。
封筒の中には、一通の手紙と絵葉書。KJと若葉へ宛てた2枚の航空券が入っていた。
『KJ、若葉。夏休み元気でやってますか?鹿児島の離島、奄美大島に来てください。会わせたい人がいます。きっと、驚く事と思います』
手紙を読んだ若葉、絵葉書を取って、
「うわぁ~奄美大島~南国リゾート。海と真っ赤なハイビスカス~これぞ、夏休みよね」
「若葉、お父さんなんて?」
「会わせたい人がいるから、すぐ、奄美大島へ来なさいって」
「奄美大島はすだれやなくて、クーラー効いてる?」
「クーラーどころか、(航空券をみせて)飛行機にも乗れちゃうわよ」
KJ、賢治の性格だから必ずオチがあると、怪しんで航空券をじっくりとみる。
「あ!8月16日、今日16時出発だよ」
「ええーっ!あと3時間しかない!・・・出発は、伊丹空港と」
「お父さん、小説ばっか書いてボーッとしてるけど、ちゃっかりしてるから、たぶん、金券ショップで一番安いチケットだよ」
「ひぇ〰!急いで準備しなきゃ!」
と、若葉は慌てて荷造りをはじめた。
それを見るKJは、ゆっくりと、冷たい麦茶をズズーっとすするのであった。
つづく
金券ショップでは、飛行機や新幹線の当日券がたまにあって半値以下で投げ売りされたりするんだよ!豆知識だね!




