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秘密結社KJラボ☆  作者: 星川亮司
秘密結社KJラボ☆
20/82

20 月がきれいだから

kjこと宮里賢太は、町の問題児。売れない作家宮里賢治の一人息子だ。


母、涼子を交通事故で早くに無くし、賢治の不在中は、涼子と歳の離れた女子高生の妹、若葉が身の回りの世話をしている。


そんな、夏のある日の夜・・・。


<登場人物>


KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。



宮里賢治(36)KJの父、売れない作家



花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。


マチコ先生(32)kjの1年1組の担任。

空に月が輝いた。


kjの家の向かいの巨大なコンクリのタコの滑り台があるタコ公園へ、バケツを提げたマチコを先頭に、若葉と手を繋いで、アイスキャンディーをしゃぶってkjがやって来る。


「賢太くんには、カシミールカレーは辛すぎたわね?」


「わたしが、一口たべて辛かったんだから、甘いカレーの王子さまを卒業したてのkjにはムリだって言ったのに、食べちゃうんだからまったく」


kj、キャンディをしゃぶりながら、マチコに指で6の字を作りグーしている。


「kjあんた、喋れないぐらい辛かったんじゃないの?お陰でマチコ先生にアイスキャンディー買ってもらってラッキーだったわね」


マチコ、公園の広場へバケツを置き、リュックサックから、花火セットを取り出す。


「奮発しちゃった」


日本の心、線香花火。


サラサラとすすき、シュパーッとスパーク、手持ち花火。


火山のような噴花花火。


夜空に打ち上がる連発打上げ花火。


「kjやっぱり夏は花火よね。わたしも子供の頃お姉ちゃんとよくやったわ懐かしい」


マチコの機転で夜空に咲いた打上げ花火をみあげ、kjは泣いている。


「あら?どうしたの賢太くん?」


kj涙を脱ぐって、首を一生懸命横に振る。


若葉、kjの肩を抱いてやる。


「姉のこと思いだしちゃったのかも知れないね」


「賢太くんの亡くなったお母さん?」


「姉はkjがヨチヨチ歩きの時、交通事故で亡くなって、姉と母子の記憶がないんです」


kj、若葉の手を払って、


「ちがうわい!目にゴミが入っただけや!」


マチコ、サッと、kjを包み込むように抱きしめる。


「淋しかったわね」


「淋しくなんかあらへんわ!」


kj、マチコの手を振りほどこうとするが、マチコはぎゅっと強い力で抱きしめはなさない。


kj黙ってそのまま肩をゆする。


若葉が、


「あら、kjやっぱり泣いてるじゃない」


kj、月を見上げて涙をこらえ、


「ちゃうわ!月がきれいだから・・・」


マチコ、kjの言葉が終るか終わらないかで、頭を胸に抱き寄せる。


「強いわね賢太くん・・・」



ヒューー!ヒューー!


バン!バン!


突然!空気を裂くように、ヒュンヒュンと、3人にロケット花火が撃ち込まれた。



つづく・・・。


賢治の助けが得られないポンコツ作者!お前が書かなきゃつづきは生まれないぞ!がんばれ作者!けっぱれ作者!馬車馬のように執筆して燃え尽きるんだ!!

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