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秘密結社KJラボ☆  作者: 星川亮司
秘密結社KJラボ☆
19/82

19 伝説のカレー

kjこと宮里賢太は、町の問題児。売れない作家宮里賢治の一人息子だ。


母、涼子を交通事故で早くに無くし、賢治の不在中は、涼子と歳の離れた女子高生の妹、若葉が身の回りの世話をしている。


そんな、夏のある日の夕方・・・。


<登場人物>


KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。



宮里賢治(36)KJの父、売れない作家



花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。


水を薄く張った寸胴鍋から灰汁(あく)を取るマチコ。


お手並み拝見と、皿を並べて様子を窺う若葉。


「(あっ!と、気づいたように)マチコ先生!そろそろカレールーですよね?」


若葉、「どうぞ!」とキッチンの引き出しから、熟成カレーのルーを取り出す。


「いいえ」と、マチコ。リュックサックから、


「まずは・・・」と、


ボイルしたトマトの缶詰。つづいて、スパイス。


1つ、甘く爽やかなカルダモン。


2つ、葉巻のようなシナモン。


3つ、真っ赤な太陽鷹の爪。


4つ、海の男の汗の臭いクミン。


5つ、熱い男のスパイス、ガラムマサラ。


最後に、これ


「賢太くんが、大航海時代の作文へ書いたターメリックよ」


ヤヤッと、若葉。


「kjの大航海時代の話は義兄さんが作った作り話じゃないんですか?」


「賢太くんの話がやけに面白いから、私、詳しく調べたのよ。すると、ジョーダン船長たちがデリーで食べたカレーが実在したんです!」


kjは、マチコの言葉に目を輝かせる。


マチコ、フライパンを火にかけ、さっと、みじん切りした玉葱を飴色になるまで炒め、ボイルしたトマトを放り込む。


フライパンの中身を寸胴へぶちこみ煮込む。


空になったフライパンへサラダ油を注ぎスパイスを炒める。


「これが、カレーのルーよ」


若葉、フライパンに顔を近づけ、クンクと、香りを嗅ぐ。


「目に染みるような刺激的なスパイスですね」


マチコ、スパイスのルーを寸胴へ投入し、かき混ぜると、カレースープが出来る。


「出来ました。名づけて、ジョーダン船長のカシミールカレーの出来上がり~」


若葉、聞きなれない言葉に首を傾げて、


「カシミールカレー?聞きなれないカレーですね」


「ジョーダン船長たちが居た町がインドのデリーよね?」


「はい。スープのようなカレーでした」


「実は東京にデリーと言うインドカレー屋さんがあって、そこの名物がシャバシャバのカシミールカレーなのよ」


「義兄さん、それを知っていて、さらっと物語へ織り込んでいたの!ねえ、kj」


「僕は、そんなん知らへんわ」


「宮里先生は、わかっていて簡単に即興で物語を作っちゃうんだから、誰でもは真似できないと私は思うわ」


「kj、義兄さん。ただのスケベな作家じゃないの?!」


「そんなん知らんって!」


マチコ、カシミールカレーと、炊きたてのごはんを別々の皿へ取り分けて、三人前をテーブルへ並べる。


「さあ、召し上がれ」




つづく


ストック使いきってしまった。賢治カムバック~。作者の代わりに書いてちょ~。

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