18 台所は女の戦場
【秘密結社kjラボここまでのストーリー】
kjこと宮里賢太は、町の問題児。売れない作家宮里賢治の一人息子だ。
母、涼子を交通事故で早くに無くし、賢治の不在中は、涼子と歳の離れた女子高生の妹、若葉が身の回りの世話をしている。
そんな、夏のある日の夕方・・・。
<登場人物>
KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。
宮里賢治(36)KJの父、売れない作家
花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。
マチコ先生(32)1年1組KJの担任。
kjの声でナレーション、
「台所。それは女の戦場。闘いは宮里家のキッチンスタジアムで繰り広げられる~!」
テーブルにフランスパンを中央に、人参、玉ねぎ、じゃがいも、鶏肉が並べられる。
若葉は空色の、マチコはピンクの、持参のエプロンをかけ対峙する。
マチコは、そうでもないが、若葉は、目が笑ってない。
「それじゃ~、始めますか!」
と、マチコが、人参を掴んで切り始める。
「わたし、手伝います!」
と、負けじとすかさず若葉、じゃがいもを掴んで空中で皮を剥く。
kj、オモチャの鼻メガネをかけて、ご意見番。
「互いに、譲らずといった展開ですな~」
マチコ、人参をさっさと剥きあげ、玉ねぎを掴むと、大人の余裕で若葉へ声をかける。
「宮里先生は、どちらへ取材へ行かれてるんですか?」
ぐぬぬと、若葉。
「(知りませんと、言えず)家・族!だけの、秘密です。小説のネタバレになっちゃいますので」
クスクスと、表情を隠して笑うkj。
「私、宮里先生の小説の大ファンなんです。いいなぁ、家族は、創作の秘密から作品に関われて」
えっへんと若葉、じゃがいもの空中剥きに苦戦しつつ、
「義兄の処女作のヒロインは姉がモデルなんですよ」
マチコ、玉ねぎをラップして冷凍庫へ入れながら、
「お姉さん幸せね。美しいまま作品の中でも永遠に愛されて」
「(若葉、鼻高々と)大学で講師として働いていた義兄と、姉が初恋する純文学です。あの頃、涼ちゃんキラキラ輝いてたなぁ」
空中で危なっかしい若葉、皮にじゃがいもの身がたくさんついているが、気にせず次のじゃがいもへ、
「マチコ先生は、彼氏とかいらっしゃらないのですか?そのプロポーションならモテそう~」
マチコ、鳥もも肉をブツ切りにしながら、
「ぜんぜんモテませんよ。私、(ほらっと、カバンから厚手のダサいメガネを取り出す)オフでは、これでオタク。腐女子でアニメばかり見てますから」
KJ思いだしたように、
「でも、マチコ先生学校では2組の山形先生とアッチッチやん」
「山形先生は、違うのよ。私のタイプは知的で尊敬できる人。賢太くんのお父さんのような人がタイプかな?」
ウホっとして小躍りするKJと、
何を、突然しれっと告白してるんだコイツはと、ちびまる子ちゃんの焦った時のような顔をする若葉。
つづく・・・。
う、う、明日でストックがなくなる。。。連載どうしよう。うう・・・。
賢治よ早く帰って来て作者の代わりに続きを書いてくれ!