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秘密結社KJラボ☆  作者: 星川亮司
秘密結社KJラボ☆
16/82

16 夏はこれからだ!

【秘密結社kjラボここまでのストーリー】


kjこと宮里賢太は、町の問題児。売れない作家宮里賢治の一人息子だ。


母、涼子を交通事故で早くに無くし、賢治の不在中は、涼子と歳の離れた女子高生の妹、若葉が身の回りの世話をしている。


そんな、夏のある日の夕方・・・。


<登場人物>


KJ=宮里賢太(7)小学生でありながらサングラスをかけた町の問題児。



宮里賢治(36)KJの父、売れない作家



花巻若葉(18)KJの叔母、賢治の亡くなった妻、涼子の妹で、押し掛け女房のような事をしている。


パタパタパタ。


パチン!


パタパタパタ。


パチン!


KJは、縁側にすわって、団扇でシツコイ蚊と格闘しながら、賢治の金タライに足を浸して涼んでいる。


「kj、甘いの食べる?」


と、台所から学校から帰ったまま制服の若葉が優しく声をかけた。


「洋菓子だったらいらないよ」


「kjあんた贅沢いうわね」


若葉は水をはった木目の風呂桶へ氷を浮かべ、品良く猪口(陶器の器)を沈めて、アンコが透けて見える水まんじゅうを運んできた。


「何これ?」


「和菓子よ。お父さん出してくれたことないの?」


「ここは日本人やったら、かき氷イチゴに練乳やろ!」


「水まんじゅう美味しいのよ。だまされたと思って食べてから文句いいなさい」


そういうと若葉は、竹串で水まんじゅうを切り分けて、「はい、どうぞ」と、kjへ差し出した。


kjは、顔をしかめて、イヤイヤ口へ運ぶ。


「どう?美味しいでしょ?」


kjは、モグモグしながら、口をとんがらせて、


「美味ないわ。僕は駿河屋の栗羊羹夜の梅の方が好きやわ」


と、女子高生の叔母の若葉へ反抗した。


「あんたお父さんが消えてから、生意気になってきたわね」


「若葉はうるさいねん!」


と、kjが生意気いうと、若葉にこめかみグリグリ攻撃をされた。


「まったく、この子は誰に似たんだか生意気ね。完全に宮里家のDNAね」



そうこうしていると、玄関の引戸がガラガラと開き、


「すいみません、宮里さんいらっしゃいますか?」


と、若い女性の声がした。


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