1 KJ登場!(@YumikoSato25 挿し絵:サトウユミコ様)
極力、説明になる描写は省いて、400字ほどで物足りないぐらいにサクッと読める実験小説です。
挿し絵は、@YumikoSato25 サトウユミコ様に描いていただきました。
ありがとうございます。
軒を連ねた長屋造りのアーケードの下町商店街。角を曲がってちょっとヒネッテそのまた角。
裏路地二丁目を顔半分ほどの大人用のサングラスが風のように駆け抜ける。
「また、やられた!」
売れない作家、宮里賢治の一人息子。真新しいランドセルを背負う宮里賢太は町内の女たちの話題の中心である。
(@YumikoSato25 挿し絵:サトウユミコ様)
「kjにまた胸を触られた!!」
kjとは賢太の仇名。昔、父・賢治がよく名前を間違えられるのを嫌ってつけた。
「賢治の息子だから‥‥Kenji jr‥‥kj今日からお前はkjだ」
軽いノリである。
本人も気に入って、アメリカンにフレンドリーにスキンシップ。
どうやら最近、悪評ばかりが先行気味。
「お前は、どうして見境なしに女の胸ばかり、たまには俺の胸を・・・」
オヤジは本質を見失っているようだ。
kjは幼くしてお母さんを亡くして母親恋しいのかも知れない。
未完の連載ですが、どうか、よろしくお願いいたします。