番外編 2.5話 父になる
遊戯です。今回は番外編です。レストの父親の目線で書いて見ました。
俺、ブレンダ・エルドールは今日と言う日を待ち望んでいた。
息子が今日産まれたのだ。
「ありがとう。セルカ」
傍らに立つ最愛の妻に感謝が湧いた。
「いいのよ。ほら、それより目を覚ましたわよ」
セルカ。薄紫色の長い髪をしている。
初めて社交会で会った時、一目惚れをし、その後必死にアタックして結婚した最愛の女性。
彼女に出会う事が出来て本当によかった。
そんな事を考えながら、今しがた目を覚ました息子を見る。
髪は母親譲りの薄紫色。目は俺と同じく蒼い澄んだ瞳をしている。
こうして見ていると、改めて俺たちの息子なんだと実感できる。
「もう名前は決めたんでしょ?」
息子の頭を撫でながらセルカが聞いてきた。
「ああ。この子の名前はレストだ。」
そう言いながら俺も頭を撫でる。
あぁ...この撫で心地、この可愛さたまらん。
すると、少しだがレストが笑った。
「見てあなた、レストが笑ったわ。きっと名前が気に入ったのよ」
「ああ、そうだな」
あぁ笑顔も可愛い。
「そうだわ、ローズ貴女もいらっしゃい」
セルカが呼んだ彼女は、ローズ。
長年この家でメイドたちをまとめるメイド長を勤めてくれている。
彼女には今回かなり助けられた。妊娠したセルカの世話を細かい事まで丁寧にこなしてくれた。
セルカが彼女を呼んだのも理解できる。
「なんでしょうか奥様」
「ほら、貴女も撫でてあげて」
「ですが、私は」
「いいから、ほら早く」
「は、はい」
セルカに根負けしたローズはおっかなびっくりと言った感じでレストに手を伸ばす。
正直焦ったいっと、思っていたらレストが自分から腕を上げて、ローズの指を小さな手で握った。
う、羨ましいぃぃぃぃぃ
ま、待て落ち着け、落ち着くのだブレンダ・エルドール。
先程自分でも思っていたではないか。今回、ローズにかなり世話になったと。きっとレストもそんなローズの苦労を感じて、自分から握ったに違いない。
「あらあら、あなたもしかして妬いてるの?」
「だ、断じてそんなことはない!!」
「うふふ。でも分かるわあなた気持ち。私も少し妬いちゃいそう」
「だ、だから違うと...」
「うふふ。可愛い♪」
はぁ。結局セルカには勝てんか。
まぁでも、なにはともあれ今日から俺も父親になったわけか。
不安はあるが、セルカと一緒にレストにいろんな事を教えていこう。
...そういえば、ギルバんとこの子もそろそろ産まれるんだったな。
今度、挨拶に行くか。
ブレンダはそんなことを考えながら、レストの頭を再び撫で始めた。
こんな感じてどうですか。ちょっと難しかったけど、頑張りました。




