表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【凍結】異世界三重奏 ~異世界ライフは意外にゆるかった!?~  作者: 夜宵天兎
異世界に生誕しました!
5/44

番外編 1.5話 父親

ほい。玄武です。

今回は番外編。読まなくても大丈夫(?)ですが、読んでくれると喜びます。

それではいってみよー!

彼はこの日を待ちわびていた。がっしりとした身体。背は高く、腕と足は太い。しかし、どこか優しげな表情を浮かべているのは、彼が父親だからだ。

ただ、彼は人間ではなく龍人族と呼ばれる亜人だ。彼のこめかみからは黒い角が生え、恐竜のような黒い尻尾もある。さらには、額の左側には傷がある。短く切り揃えた髪は漆黒の如く黒い。圧倒的な威圧感を感じる……。彼の名はギルバ。龍人族の屈強なる戦士だ。そんな彼は……


「あなた、顔がまた緩んでる」

「そんなこと言ってもよー…」


子煩悩である。この日が楽しみで仕方なかったのだ。


龍人族の子供は、人間の子供と違い、生まれてから寝ている時間がとてつもなく長い。その間、龍人族の母親は「子守唄」を歌う。

この子守唄は、一子相伝らしく、唄には家の数だけ種類があるのだ。

そして、龍人族の赤ん坊はその唄を寝ながら聴き、言葉を覚える。亜人ならではの習性だ。

そんな赤ん坊の寝ている時間はもうそろそろ終わる。


「名前、決まった?今度はあなたの番だったでしょ?」

「あぁ、この子の名前は…ガルドだ」

「ガルド…。いい名前ね」


と彼の隣の彼女は微笑む。我が子の名前を吟味しながら、何度も呟く。


彼女はリアス。龍人族の族長の一人娘だ。元々、彼女には許嫁(いいなずけ)がいたのだが、彼女は自分の意思を貫きたいと言い続け、族長である父親を負かしたのだ。すらっとしているが、女性らしい体つき。薄色の髪は長く、今は纏めてお団子状態にしている。おっとりとした顔つきに合わず、実は意外と頑固者なのだ。髪と同じ色の角は細く、ギルバよりも短く、尻尾も細い。


彼女がなぜ、ギルバを選んだのかは、ギルバにも分からない。しかし、彼女はギルバを見るとき、彼の母親と同じ目をするのは確かだ。小さい頃も同じ目をしていた。幼なじみだからだろうか?


そんなことを考えていれば、ガルドが目を開けた。


「あなた、起きたみたいよ」

「あぁ、目元はお義父さんにそっくりだな」


つり上がってはいるが、人懐っこそうな目は族長に似ている。手も、足も、角もまだまだ小さい。

嬉しくなり、ギルバはガルドを持ち上げる。


「ほーら、高い高ーい」


ガルドはびっくりしたように目を開けたが、徐々に笑顔へと変わる。


「おぉ、ガルドが笑った笑った!リアス、笑ったぞ!」

「ふふ、そうね」


ギルバの声に反応したのか、バタン!と扉を勢いよく開けて閉める音と、ドタバタと足音が聞こえた。娘のアイナだ。


「パパー!ママー!生まれたー?!」


濃い紫の髪を2つに結んでいる、元気な少女が駆けてくる。


「アイナ、また裸足で遊んでたの?服もこんなに汚しちゃって…!」

「あはは、ごめんなさーい」


反省の色を見せないアイナは、そのままギルバに近づく。

アイナも弟の誕生を楽しみにしていたのだ。クルクル回り、はしゃいでいる。


親父に挨拶しに行かないとな…。ギルバはふとそんなことを考えた。

もう少し落ち着いてからお義父さんにも挨拶して、里の皆にも伝えるか…。あとは、ブレンダにも挨拶にしかないと。アイツの子供も確か、この時期にそろそろ生まれそうって言ってたよな…。


ギルバはおもむろに、はしゃいでいたアイナの頭を撫でていた。

今回はこんな感じです。

ガルドの誕生を楽しみにしていたギルバ、リアス、そしてアイナの3人。

孤児だったガルド(甲汰)は3人と上手くやっていけるのか…?

温かい目で見守って下さい。

それでは、次回に続く!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ