第三話 戦闘
遊戯です。
今回のはちょっと酷い。
書いてて思った。かなり酷いと
4年後、11歳の誕生日に父様から“剣”を渡された。
「そろそろ剣の1つでも持っとかないと、格好がつかないだろ」
とのとこらしい。
一般的にブロードソードと呼ばれる類いのそれは、全長70cm、幅3cm程の剣の中では小さめの(俺からすれば十分大きい)ものだった。
そんな剣を腰に差し、俺は今、みんなと一緒に何故か森の入り口付近に来ていた。
いやさぁ、いきなり出掛けるぞとか言われてさ、てっきり11歳になったから王都にでも行くんだと思ってたら連れて来られたのが森。
しかも何故か、みんな一緒。
.....ん?あれ?サゼスがいない。
どこ行った?
「よし。これより最終訓練を開始する」
唐突だな。
「最終訓練?」
「ああ。今からサゼスが魔物を連れて来るから、お前はそれを倒せ。まぁそれだけだ」
様は実戦ね...
「戦闘、ですか.....」
「きちんと“それ”を使いこなして見せろよ」
「はい!」
『ご主人様、来ました』
「来たな」
気配感知に反応あり、....サゼスともう1つ、気のせいかやけに反応がデカイ気がするんだけど.....
「アイツ、はりきり過ぎたな」
「!!」
地なりが聞こえ始める。
やがてサゼスが森の中から出てくる。
魔物を誘き寄せて来たというのに汗1つ掻いていない。
「おいサゼス、はりきるのはわかるが一体なにを連れてきて.....」
木々を薙ぎ倒しながら現れる巨体。
全身が暗い緑色で、2、3mはあろうかという体。
頭には髪は無く。
黄色く濁った目。
潰れた鼻。
尖った耳。
不揃いな歯が並ぶ口。
全体的にでっぷりと太っており、腰に申し訳程度に巻かれた布。
手には木をそのまま削った様な棍棒をもっている。
「ナニコレ?」
キモい。ただただ純粋にキモい。
人型なのが余計に悪い。
なにこのキショイ生物。
【トロール:ゴブリン程ではないが、各地に棲息している魔物。
肉食で食欲旺盛、目につく生物を片っ端から食らう。
腕力が非常に強く、一撃で木などを粉砕する。
また、再生能力が高く余程の重傷で無いと簡単に再生してしまう。
確実に仕留めたいのであれば、頭か心臓を狙うべき。
容姿が似ていることからゴブリンの進化種ではないかと言われているが、詳細は不明。
危険度D】
うん。明らかに子供が相手をする様なもんじゃない。
「トロールか、サゼス少しはりきり過ぎたのではないか?俺はゴブリン2、3匹程度で良いと言った筈なんだがな」
うんうん。
「はい。私も最初はそのつもりだったのですが、ゴブリンを探している最中にコイツを見かけ、まだ若い個体だったので、レスト様でも十分倒すことが可能だと判断しました」
.........
「...まぁ、若いならなんとかなるだろ。よし、行ってこいレスト、ってもう動いてるし」
トロールが姿を現した瞬間、素早く腰の剣を抜き、戦闘体勢に入っていた。
トロールも俺を認識したのか濁った目で睨んでくる。
「ボアアアァァァ!!!」
「っ!!」
生まれて初めて受ける純粋な殺気に思わずたじろぎそうになるが、気力で抑え込みつつ、巨体の内側に入るべく、トロールに向かって突っ込む。
棍棒を振り上げた瞬間、思考加速と並列思考を駆使して避ける。
無防備に晒された腕を肘の辺りから斬り落とし、一旦距離をとる。
「ブァアアアアアー!!!」
「ちゃんと効くみたいだな。...でも」
傷口部分の肉が盛り上がっていき、瞬く間に再生を始める。
「悪いけど、律儀に待ってやるほど優しく無いんだよね!」
再び突っ込む。
トロールも、無事な方の腕で応戦しようとして来るが、甘い。
「眩き光よ、激しき光を発し敵の目を灼け、フラッシュ」
一瞬だけトロールの目を潰し、股の間を潜り抜ける様にしながら、足のアキレス腱を斬る。
自分の体重を支えきれずに膝立ちになったトロールの首を斬り落とす。
今度は再生することなく、大量の血を流しながら、倒れる。
「合格だ。レスト」
こうして俺の初めての戦闘が幕を閉じた。
「胸の真ん中辺りに埋まってる魔石と、トロールの討伐証明部位の両耳取ったら帰るぞ。その辺もちゃんと覚えてとけよ」
...とりあえず今は、酷く疲れたから寝たい。
改めて思う、酷い。
.....えぇい。気にしない、気にしない。
とりあえず、次回から本格的に学園について書きたいと思います。
多分、1週間以内には.....きっと、恐らく。




