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【凍結】異世界三重奏 ~異世界ライフは意外にゆるかった!?~  作者: 夜宵天兎
異世界に生誕しました!
15/44

第十話 初対面…だよな……?

ほい。回り回って玄武の出番。

今回は物語が大きく(?)進む回だと思います。

それではいってみよー!

住民登録を終えて約一週間が過ぎた。そして、なぜか俺はよそ行きの服を着ている。……何コレ?

「色々、落ち着いてきたからな。父ちゃんの昔の友だちに挨拶に行くんだ」

「友だちって…?」

「貴族」


へぇ~。貴族かぁ……ってハァア!?


「何で父ちゃんが貴族と友だちなんだよ!?そもそも俺ら亜人だろうが!」


貴族は亜人を嫌う。良くあることだ。人間の中の一部は亜人を良く思わない連中がいる。人間(じぶん)たちとは違う亜人を差別することはこの世界では当たり前なのだ。


「そうカッカするなよ。大丈夫だ。ソイツは亜人との共存を望んでいる人間だ」


だ、大丈夫……なのだろうか…?



馬車で揺られること3時間半ほど……。

王国の南西部の街ダドークへ着いた。レイクルとは比べ物にならないくらい広い。心なしかここに建つ家や建物もどこか豪華な気がする。

この街は父ちゃんの友人、ブレンダ・エルドールさん(様?)はこの街とその周辺を治めているそうだ。…普通にスゲェ人じゃん…。ちょっと引いた。

亜人との共存を望んでいる人、か…。確かにこの街の亜人たちからは活力を感じる。恐らくこの街は住みやすいのだろう。楽しそうだ。

「ガル君、行くよ」

「あ、うん」

母ちゃんに手を引かれ、俺はこの場を離れた。



歩くこと20分ぐらいで首が痛くなるくらい大きな屋敷に着いた。マジか……。

「お、大きいー…」

「そうねぇ。町役場かと思ったわぁ」

さすがの姉ちゃんも引いている。母ちゃん、何でそんなに平常心を保てるの?

俺と姉ちゃんが戸惑っていると、父ちゃんが大きくノックする。

すると中からスラリとした30代後半ぐらいの執事さんが出てきた。本物の執事…初めて見た。

「ギルバ様にございますね?私はサゼスと申します」

と丁寧にキレイなお辞儀をした。俺と姉ちゃんは釣られてお辞儀する。

「ブレンダ様がお待ちです。どうぞ、お入りください」

マジで入るのか…。父ちゃんズカズカ入ってくけど……!?

「アイちゃん、ガル君、行こ」

母ちゃんの言葉で俺と姉ちゃんは中に入った。


応接間に通された俺たちはふかふかのソファに座った。やべぇ…全ッッッ然落ち着かねぇー……。

そわそわしているとドアノブが回る音がした。


扉が開くと、金髪の超イケメンさんが入って来た。

恐らく、ブレンダさん(さんの方が気楽でいいや…)だろう。


「久しぶりだな。ギルバ」

「ブレンダ、昔と変わらないな」

「ハハ、そうか?」

すると、ブレンダさんは俺を見たあと、姉ちゃんを見る。

「お、その子が…?」

「あぁ、息子のガルドだ。コッチは娘のアイナ」

と、父ちゃんは俺と姉ちゃんの頭に手をのせたあと、俺の髪をクシャクシャと撫でた。……正直やめて欲しい。

「なら、うちの息子も呼ばなくてはな…」

するとブレンダさんは部屋を出た。


5分ほど待っていると、俺と同じくらいの男の子をつれてきた。後ろにいるのは奥さんだろう。スゲェ美人。

「レスト、挨拶しなさい」

「えと…レスト・エルドールです」

と、頭を下げる。さすが貴族。お辞儀が優雅だ。

…ん、なんだろう…?この懐かしさは?どこか…アイツに似ている。何だ…?

「そうだ。レスト、ガルド君と遊んでくると良い。敷地の外には出ないようにな」

「ハイ。行こう」

「お、おう…」

ホントになんなんだ?そんなことを思いながら、俺はレストと共に屋敷の外に出た。


「何して遊ぶ?」

まずはそこから。やることがなければ外に出た意味がない。

「んー…」

レストが首をひねる。2人でも出来る遊びって…。

…………

……

…あった。昔、孤児院で良く遊んでいたことを思い出した。それは、トランプ3枚(2枚は同じ数字。1枚はジョーカー)を用意して、ババ抜き。緊張感の走る精神状態がかなり削られるゲームだ。だが、ここには生憎(あいにく)トランプはない。

「んー…」

俺も首をひねる。他には…。

…………

……

…あった。相手の思い浮かべてる物を質問して当てるゲームだ。確か、そんなゲームアプリがあった気がする。コレなら出来そうだ。

「あのさ、質問して相手の思い浮かべてる事とか物を当てる遊びなんだけどさ。俺の思っていることを質問して当ててみて」

このゲームは中々面白く、孤児院にいた頃は寝る前とか夜遅くまでやってて、先生に怒られたこともあったっけ……。超懐かしい。

すると、レストは俺の顔をマジマジと見る。

え……?俺なんかした…?

「ど、どうした?」

困惑しながら俺は聞き返す。

険しい表情のレストは何か言いたげな顔をしている。

俺は訳が分からず、ただ呆然とレストの目を見ていた。


……なんなんだ?一体…。……まさか…?

そんなはずはない。そんなはずなんて…。

俺は頭の中に出てきた不安を振り払うように首を振った。

……難しい…。

次回は遊戯の出番。

次回…物語はどう進む?

お楽しみに!

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