教えないで、物の使い方
:「室内、朝、明るい、暖かい」
「ふ、さわやかな朝だねぇ」
@フタククリ
「やい!僕はものの使い魔だ!今からお前に物の使い方を教えてやる!」
@ものの使い魔
「な、なんだい、君は?唐突に不法侵入するとは失敬な子だね」
@フタククリ
「(は!確かに今のは失敬だった!)
聞いてなかったのか?ものの使い魔だ!お前、ちょっと待っていろ!」
ものの使い魔
「(外に出て行った?)
い、今のはなんだったんだ?見た目は妖精のようだが」
@フタククリ
[こんこん、どかああぁん!]
:「ドアが粉々に吹っ飛ぶ」
「よく待ったな!僕こそがものの使い魔だ!」
@ものの使い魔
「君は何をやっているんだ!あーあ、ドアが粉々に」
@フタククリ
「ノックはしたぞ。唐突でも不法侵入でもないな。そしてドアの使い方がわかっただろう?」
@ものの使い魔
「元から知ってるし、少なくともこんな使い方ではない」
@フタククリ
「まさか妖精がやってくるとは。まさか私の両性フェロモンに惹きつけられたのか?」
@フタククリ
「違う、僕に性別はない。通り魔が手当たり次第に襲うように!僕たちものの使い魔は手当たり次第に教育するのだ!」
@ものの使い魔
「君みたいなのが複数居るのか。混沌とした世の中だな。あ、私はフタククリという名さ。よろしく」
@フタククリ
「そうか。フタククリ、物というのは目的があって使われるものだ。さあ、お前の目的を言え!僕が実践してものの使い方を教える!」
@ものの使い魔
「私の目的?ならドアを直してほしいね。魔物が入ってくるかもしれない」
@フタククリ
「よし!ではこのクルーザーを取り付けてやる!」
@ものの使い魔
「や、やめてくれ!家が壊れる!」
@フタククリ
「あ、オイル漏れしている!まあ香水になるからいいか!」
@ものの使い魔
「やめろー!」
@フタククリ
「郊外授業がいいなら早く言えばいいのに」
@ものの使い魔
「家があれ以上壊されたら堪らないからね。はぁ、朝食はどうしよう」
@フタククリ
「腹が減ったのか!その辺のものは腹を満たすのに使える!食え!」
@ものの使い魔
「ま、待て待て!土や木は食べ物じゃないだろう!」
@フタククリ
「食べ物じゃなくても空腹ではなくなるだろうが」
@ものの使い魔
「(な、なんて単純な考え方だ!)
ああ、待て。やっぱり朝食は必要ない。私は満腹だからね」
@フタククリ
「そうか?ならいいだろう」
@ものの使い魔
「(た、助かった!)」
@フタククリ
「(もしかして何も言わなければいいのでは?)」
@フタククリ
「さあ、次の目的は?」
@ものの使い魔
「…………」
@フタククリ
「おい!」
@ものの使い魔
「……」
@フタククリ
「では次はお前の声を出させるとしよう!痛めつけて声を出させるにはワサビを」
@ものの使い魔
「目的言ってないのに!なら歩きたい!」
@フタククリ
「そうか。なら足を怪我しないように空き缶を巻きつける!」
@ものの使い魔
「(靴の代わりか?まともな使い方はしないのだろうか?)」
@フタククリ
「(使い方を教えたいのだから、いっそ聞いてみればいいのでは?)
ところで私は綿の使い方を知らなくてね。よければ教えてくれないか?」
@フタククリ
「綿か。よし、実践してやる!」
@ものの使い魔
「(クルーザーのときといい、どこから取り出してるんだ?)
ひ、控えめな使い方で頼むよ」
@フタククリ
「これは汚れを落とすためにあるんだ!」
@ものの使い魔
「(おや、今回はまともそうだ)
ふむふむ、それで?」
@フタククリ
「こうやって髪に練り込めば汚れが落ちる!」
@ものの使い魔
「あああぁっ!髪に絡まったじゃないか!そもそも私で試すなー!」
@フタククリ
「(ふむ、嫌がらせは得意なようだ。ならその方向でいくかな)
次の目的だが、魔王を倒したいね。奴が消えればとても助かる」
@フタククリ
「魔王か!ならこのクルーザーを使えばいい!」
@ものの使い魔
「またか!しかも私の足元に出すなんて!」
@フタククリ
「突撃ー!」
@ものの使い魔
「わあああぁっ!」
@フタククリ
「さて、フタククリ殿。貴方様は魔王を倒すという快挙を成し遂げました。よってそれを表彰します」
@シスター
「そうだろう、そうだろう」
@フタククリ
「と、同時にです。貴方様はクルーザーで町を壊滅してくれましたね。死者こそはいないものの、魔王の約五倍もの被害を出しています。よって被害額と同額の支払いを要求します」
@シスター
「ち、違うんだ!全ては妖精の仕業なのであって、私は無実だー!」
@フタククリ
「妖精とはそこにいる小さい生き物ですか?」
@シスター
「僕はものの使い魔!フタククリが魔王を倒したいと言ったから実践しただけだ!」
@ものの使い魔
「なるほど。魔王討伐も町の破壊もあなたの仕業なのですね?」
@シスター
「そうだ!ものを正しく使って魔王を倒せた!町も壊れたようだがそんなものは問題ではない!」
@ものの使い魔
「なるほど。皆さん、その使い魔が真犯人のようです!捕らえなさい!」
@シスター
「へ?う、うわー!で、ではまた会おう!さらばー!」
@ものの使い魔
「……さて、私の無実は証明されたようだな。では家に帰るかなー」
@フタククリ
「ええ、どうぞ。明日から借金返しと町の修復を行うように」
@シスター
「う、やっぱりそうくるか」
@フタククリ
「ふ、さわやかな朝だねぇ。この後重労働ではあるが」
@フタククリ
「やい!僕はものの使い魔だ!また会ったな!今からお前に人の扱い方を教えてやる!」
@ものの使い魔
「ひえー!もう私に関わらないでくれー!」
@フタククリ
:「フタククリはその後、人間関係の悪化により町を追い出される。仕方がないので二人で使い魔の国へと移り住んだ。フタククリは他の使い魔を探していた。ものの使い魔はフタククリに取り付いたままだった。この先、今以上に騒がしくなることは目に見えているのだった」
@設定@
フタククリ:(ふたくくり)
「両性具有者の人間。ものの使い魔に物の使い方を教えられる。ものの使い魔を、あの手この手でどうにかしようと頑張る。主人公」
ものの使い魔:(ものの つかいま)
「性別のない使い魔。物の使い方を教えるためにフタククリの前に現れる。通り魔が人を襲うかのように、無作為に物を教える。ただし、ろくな使い方はしない。人の扱い方も教えることができる。話の根幹」
舞台
「どこかの田舎町。魔王も居ればクルーザーもあります。今回は別エンドは思いつかなかったです」
@その他メモ@
今回は『大まかな流れを先に決める』と『短めな展開の繰り返し』という書き方でした。この書き方は楽です。書いてる途中に飽きれば、展開を大きく変えたりもできそう。




