満月出さす意を、不退屈や満月への寄せ心故に
:「宇宙、暗め、静か」
「はぁ」
@愉句
「あれ、愉句さん。満月の日なのに擬人化なんかしてどうしたのですか?」
@ゴゴオヒルネの使者
「む、お前はゴゴオヒルネのところの。使いにでも来たのか?」
@愉句
「いえ、月見に。ついでに使いも頼まれていた気もしますが」
@ゴゴオヒルネの使者
「仕事せんやつだなぁ。まあ仕事できそうな体でもないが」
@愉句
「ゴゴオヒルネ様に合わせているのです。お昼寝は園児の特権だとかで園児に擬人化なされて。えっと、園児は分かります?」
@ゴゴオヒルネの使者
「地球に居る子供だろ?知ってるよ、すぐそこだもん。私が苦悩してる間に奴は昼寝か。暢気なもんだな」
@愉句
「何か苦労がお有りで?」
@ゴゴオヒルネの使者
「いやな、さっきの質問の答えでもあるのだが、実は満月を辞めようと思ってな。夜逃げするために擬人化していたのだ」
@愉句
「それはそれは、あまり褒められたことではありませんね。お月見ができなくなってしまいます」
@ゴゴオヒルネの使者
「それだ。その月見が問題なのだよ。元々自ら目立つような星でもない私がだな、お前のところの上の上の奴らに照らされ、多くの観衆に見られているのだぞ?もうな、恥ずかしさで胸が一杯でな、耐えられそうにない」
@愉句
「(いまいちよく分からない。でもあの赤い顔は何か思うところがあるんでしょうね)
私には少し分からないことなのですが、何がきっかけでそんな感情を?」
@ゴゴオヒルネの使者
「たまに地球に耳を傾けると聞こえるんだ。全裸を見られたい変態がどうとか、服を着ないのは恥ずかしいことだとか。だから真に受けてしまってな。……地球の奴らはそんな考えを持っているのに私を見る。擬人化してないときの私は服を着ていないから、私はきっと変態に見える。変態を見るような目で見られていると考えると、さっきも言ったように恥ずかしさで胸が一杯になるんだ」
@愉句
「苦労なされたのですね。
(地球、地球、地球かー。日本くらいしか分からないわ。愉句さんも日本のことを言ってるのよね、多分。日本語で話してるし)
愉句さん、その人たちは月見で何を食べます?」
@ゴゴオヒルネの使者
「うん?月を見ながらなら月見団子だろう」
@愉句
「月に住む動物は?」
@ゴゴオヒルネの使者
「兎だ。餅をついてる」
@愉句
「月は勝つ気!」
@ゴゴオヒルネの使者
「わははは!面白い駄洒落だ!」
@愉句
「(間違いない)
話を戻しますね。それで胸が一杯になるから月を辞めると?」
@ゴゴオヒルネの使者
「(今の質問はなんだったんだ?)
あ、ああ。裸を見られるのは恥ずかしいからな」
@愉句
「(私の持つ日本で手に入れた知識、使うべきはまさに今!私の月見を死守して見せるわ!)
愉句さん、私はもっと愉句さんを見つめていたいのです。一緒に特訓して見られることに慣れてください。お願いします」
@ゴゴオヒルネの使者
「(え!地球の奴らだけでなく、こんな使いまでもが私を?うぅー、恥ずかしい。でも、こう、変態としては見ていないから普通に嬉しい)
……分かった。辞めるかどうかは特訓してから考えてみるか」
@愉句
「見られると恥ずかしくなる。つまり恥ずかしさに慣れれば、見られても問題はなくなるということですよね」
@ゴゴオヒルネの使者
「え?まあそうかもしれないな」
@愉句
「(確かミスしたときに恥ずかしく感じるとか耳にしたわね)
愉句さんは人々に見られているときミスをしていますね?」
@ゴゴオヒルネの使者
「ええ?いや、身に覚えがないぞ」
@愉句
「いえ、しているはずです。よく思い出してください。そのミスが恥ずかしさに繋がっているのです」
@ゴゴオヒルネの使者
「(うーん、いつも通り過ごしてるはずだがなぁ)
そもそも私は変態と思われるから恥ずかしいんだが」
@愉句
「なら変態と思われるようなミスをしているのですよ。忘れているつもりでも無意識のうちに気にかけてしまう。思い出さなければ進展はありません」
@ゴゴオヒルネの使者
「(変態的なミス。……もしかしてあれか?い、いや、それとも他の?まさかあのことが?)
ど、どれだろう」
@愉句
「あ、心当たりあるんですね。では是非お聞かせ願いましょう。ミスは人に話せるものであり、恥ずかしくないという認識を持つのです」
@ゴゴオヒルネの使者
「ああ、うん」
@愉句
「(いい話が聞けたわ)
それだけ話せれば十分ですね。では次にいきましょう。
(確か褒められると恥ずかしがるという話を聞いたわね)
愉句さんは月見のときに褒められていますね」
@ゴゴオヒルネの使者
「そ、そうだろうか?」
@愉句
「(一般では褒められると恥ずかしい。愉句さんは変態扱いが恥ずかしい。……間違いないわ)
ええ、褒められています。変態的な部分を、ですけどね」
@ゴゴオヒルネの使者
「(あれ?てっきり服を着てないことをバカにされてると思ってたが。もしかして変態だと褒め称えられていたのか?私が知らない間に変態の定義が変わったのか?)
うーん?変態か?変態かー。どうなんだろうな」
@愉句
「今回は私が愉句さんの変態的な部分を褒めます。
(さっきの話が役に立ちそうね)
恥ずかしくなくなるまで私の褒め言葉を聴いていてください」
@ゴゴオヒルネの使者
「(恥ずかしがるどころか喜んでるわ)
どうやら元々大丈夫だったようですね」
@ゴゴオヒルネの使者
「褒められるのは嬉しいからな。というか、褒められてると分かったから変態に関してはもういいぞ」
@愉句
「それはよかった。見られることに関してはどうです?」
@ゴゴオヒルネの使者
「それはちょっとまだ恥ずかしいかな?変態扱い以外にも原因があるのかもしれん」
@愉句
「(うーん。変態扱いは原因じゃなかったのね。そして恥ずかしく思う真の原因はわからない。だとしたら見られることに慣れさせるしか方法がないわ。……辛いだろうから気が進まないけど)
仕方ありませんね。見られることに慣れる特訓をしましょう」
@ゴゴオヒルネの使者
「うぅ、満月に戻るのか?」
@愉句
「いや、最初は擬人化状態からにしましょう。満月だと服を着れませんし。
(あ、そうか。なぜ服を着なければ恥ずかしいかを知る必要はないのか。要は満月状態を見られても大丈夫ならいいのね)」
@ゴゴオヒルネの使者
「ああ。それでどうすればいいんだ?」
@愉句
「(確か銭湯、更衣室、サウナ、海など、様々な場所で同性に裸を見られても恥ずかしくないと噂に聞いたわ。つまりそもそも同性になら、裸を見られても恥ずかしくないということよ)
愉句さんは確か両性具有者でしたよね?」
@ゴゴオヒルネの使者
「ああ、紛れもなくそうだ」
@愉句
「それはよかった。一緒にお風呂は入りません?最初は水着というものを着ながらでいいですから」
@ゴゴオヒルネの使者
「ふ、私は知っているぞ。地球の銭湯では異性は別々に入るものだろう?そんな恥ずかしい真似はできないな」
@愉句
「大丈夫ですって。私も両性具有者ですから」
@ゴゴオヒルネの使者
「何?ゴゴオヒルネのところの使いだろ。女じゃないのか?」
@愉句
「私は正式な使者じゃないですよ。単なる雇われ天使なので」
@ゴゴオヒルネの使者
「(通りで。私にやたら気軽に会いにきてたのはそういうことか)
まあいい。それなら私も風呂に行くか。でも慣れるまでは水着で入るからな」
@愉句
「(あーあ、今日の月見はお流れね)
仕方ありません、今日は擬人化している満月でお月見としましょう」
@ゴゴオヒルネの使者
「いや、今の私なんか見る価値ないだろ」
@愉句
「いえいえ、普段の満月も綺麗で好きですけど、擬人化している状態も可愛いのでとても大好きですよ。赤くなったりするので見つめていて飽きませんし、ずっと見て居たいくらいです」
@ゴゴオヒルネの使者
「(……すっごく恥ずかしい。しばらく水着は外せそうにないなぁ)」
@愉句
:「愉句はゴゴオヒルネの使者との特訓により、見られることには慣れることができた。ただ、満月でない日に見られるのが恥ずかしくなった。ゴゴオヒルネの使者は新しい月見の楽しさを知った。満月以外の日に、擬人化した満月を眺めるのが日課となっていた」
@設定@
月似愉句:(つきに ゆく)
「両性具有者の満月。月ではなく満月。満月の日以外は擬人化している。恥ずかしさによって満月を辞めようとしたが、ゴゴオヒルネの使者に引き止められ、共に恥ずかしさ解消の特訓をする。褒められるのは嬉しい。しかしゴゴオヒルネの使者の褒め方には慣れていない。苗字出す機会なし」
ゴゴオヒルネの使者:(ごごおひるねのししゃ)
「両性具有者の天使。園児体型。ゴゴオヒルネという者に雇われている。口の割に頭は回らない。お月見の為に愉句の満月辞退を止めようとする。相手を気遣いもするが基本的に自分優先。好意か目的があるときには相手を賞賛し、自分の思い通りに動かそうとする.立場的に主人公」
舞台
「月のある位置。他のエンディングはあったかどうか忘れました。書くことないです。後で話作るときの参考にエンディングパターンとか書いてます」
@その他メモ@
今回は『星を主人公にしよう』という考えの元、『設定や舞台だけ決めてとりあえず会話』という方法で書きました。問題点は辻褄あわせが大変なこと。二千字程度の話でも起こり得るみたい。会話内容を何となくで覚えているのが多分原因。読み直しはもっと苦手です。




