大きく広がるあれを掴め
:「豪華な部屋、昼、明るい」
「小人は不便ですわねぇ。力が弱いし。幼子はきっとこの玉すら持てないんでしょう?」
@間世
「間世、あんまり私をバカにするなよ?ソフトテニスボールくらい両手で持てるよ。よいしょ」
@幼子
「いえ、三時間かけて綺麗に丸めた巨大ガムよ」
@間世
「むぐぐぐぐー!
(先に言えー!あ、レモンオンリーだな)」
@幼子
「あら、美しい組み合わせだわ。我が尾中一族の家宝にしてあげましょう」
@間世
「(やめろー!)」
@幼子
「おほほ、顔が赤いようですけど、どうかなさったのかしら?」
@間世
「危うく窒息するとこだった。くそ、お前なんか起訴してやる!」
@幼子
「あら、そう?じゃあこの紙に必要事項を書きなさい」
@間世
「(……凄く広い)
まあ、今回は勘弁してやろうじゃないか」
@幼子
「あら、婚姻届でも?」
@間世
「当然。私は人を見る目があるからな。そもそもそれは人間世界の仕組みじゃないか。小人の私には必要ないね」
@幼子
「……私に魅力がないとでも仰るつもりかしら?」
@間世
「態度も体も大きいからなぁ。性別はー、まあ私は両性とか気にしないが。やっぱり小人をいじめるような奴より、控えめくらいの方が好みだな」
@幼子
「あー、幼子はとてもとても控えめですものね。私も可愛い両性具有者として見習いたいわ。幼子の控えめなところ」
@間世
「……態度の話?」
@幼子
「態度と体の話。話を切り出したのはあなたでしょうに」
@間世
「お、おのれ!人の気にしてることを!」
@幼子
「(気にしていたのね)
いや、そんなものより口調を気にしなさいよ。今年度女の子の喋り方ランキングで下位でしたわよ、そんな感じの口調」
@間世
「間世の口調なんかランク外じゃないか」
@幼子
「私は両性ですもの」
@間世
「(しまった、つい間違えた)
ぐー、紛らわしい喋り方してー」
@幼子
「うわああぁっ!お、おい!空き缶を投げるな!」
@幼子
「(惜しい、入らなかったわ)
いいじゃない、どうせ空で軽いんですから。あ、よければすぐ傍のゴミ箱に捨てて下さらない?」
@間世
「等身大だぞ?それが跳んでくるんだ、どれだけ怖いことか
(それに速かったし)」
@幼子
「それもそうですわね、申し訳なかったわ。ところで缶をゴミ箱に捨てて欲しいのだけれど」
@間世
「私は使用人か?まったく。よいしょ」
@幼子
「(そういえば幼子ってこの家に居ついてるようですけど、何者なのかしら?)」
@間世
「ふふん、任務完了だ」
@幼子
「…………は!もしや尾中一族の滅亡を目論む諜報員では!」
@間世
「急にどうした?
(一族の滅亡?既に壊滅状態だったような)」
@幼子
「ふーむ、でも怪しい箇所は見当たりませんわね」
@間世
「そんなに見つめることないだろう?」
@幼子
「足に銃もつけてないようですし」
@間世
「持ち上げるな。あと引っくり返すな
(ぐぅ、いつか覚えてろ)」
@幼子
「色仕掛けなんてできそうにないですわよねぇ。勘違いでしたわ」
@間世
「(間世め、私を女の子として扱う気がないようだ。……ぐすん)」
@幼子
「この秘薬、てっきり無くしたかと思ってたんだが。
(クローゼットに隠したんだった。忘れてたよ。……美味しいし食べたいなぁ)
は!私は何てことを!いや、もう一粒なら?
(……やめとこう。本当に死ぬかもしれない)」
@幼子
「(……私の机で勝手に何をなさっているのかしら?)」
@間世
「(幼子が見つけるとまずいな。きっと全部食べてしまう。秘宝だし、袋に入れて庭に埋めるか。さすがに埋められているものは食べないだろうし)
袋はキッチンかな」
@幼子
「(おっと。マネキンバリアーですわよ!)」
@間世
「ん?うわ、幼子!……何してるんだ?
(何でマネキンだらけの中に?隠れてるつもりだろうか?)」
@幼子
「………………
(どきどき)」
@間世
「(……ん?反応がないな。もしかして新しく作った作品か?)
ふーん、大体よくできてるな。胸だけ三割くらい盛って作ってあるけど
(ふ、間世でも作品に私情を挟むのか。今度仕返しにからかってやろう)」
@幼子
「(本物よ!そんな哀しい真似するもんですか!)
…………まったく。さて、何をしていたのかしら?あら、ラムネ。
(一つ食べてあるわね。でも幼子のサイズなら一つで結構な量になるはず)
残り九つは全ていただきましょう。むぐむぐ」
@間世
「う、うぅん?ふぁあぁ、眠ちゃってたようですわね」
@間世
「おはよう。調子はどうだ?」
@幼子
「んー、おはよう。って、うん?体が動かない
(あれ、縛られてる?え、あれ、何で?)」
@間世
「あ、ここじゃ見えないか。……どうだ?周りも見てみるといい」
@幼子
「あら、一部を除いてやたら大きくなったようですわね。……周りも?あー、あれでしょうね。私が小さくなったって感じのやつ」
@間世
「そうだ。間世が飲んだ秘薬は一粒でも、目に見えて分かるくらいには体を縮めることができる。十粒近く飲んで私より小さくなるようだな。あの間世が子供みたいだ
(私が一粒飲んでなければもう少し悪化していたな。危ない危ない)」
@幼子
「(あのラムネね。薬ならもっと嫌な味がするべきでしょうに)
私が小人になったのは分かったけど、縛られているのはどういうことですのの?」
@間世
「折角だから今までの仕返しをしておこうと思ってな」
@幼子
「(あ、まずい)
あら、いいのかしら?仕返しが癖になって幼子を追い掛け回すかもしれませんわよ?」
@間世
「ああ。そのときは喜んで相手をしてやるさ」
@幼子
「(え、そんなバカな)
……私は好みじゃないんじゃ?」
@間世
「態度や体が大きかったからな。でも今はこんなに小さい体じゃないか。私から見れば子供のようだ。態度もその体では虚勢を張って羽陽にしか見えないし、正直付き合ってもいいと思ってる。
(胸は私より大きいけどな。あ)
そういえば胸を大きくしたいと思っているだろ。間世そっくりな作品を見たが、胸がいくらか盛ってあったぞ。どこかに隠したようだが、私はしっかりと覚えている」
@幼子
「(付き合うのはいいけど、何されるか分かったものじゃありませんわね)
マネキンに紛れていたのは本物の私!胸が大きく見えたのは幼子の勘違いですのよ!」
@間世
「(この反応、やはり同志か。元から大きいがまあ物足りないんだろう)
うんうん、隠したい気持ちは痛いほど分かる。任せてくれ。仕返しは別の日に改めて、しばらく色々試してみるとするよ」
@幼子
「な、何を?」
@間世
「胸を大きくする方法さ。私も自分の胸で色々試してはいるんだが、どうにも難しくてな。間世にも一通りやってあげるから、後で私にもやってくれ。そう悪いものでもないぞ」
@幼子
「(効果はまったく期待できませんわね)
嫌だと言ったら?」
@間世
「仕返しとして色々試すまでだ」
@幼子
「おのれー!もう、分かりましたわよ!やられた分を後で十二分に返して差し上げましょう!さあ、掛かってくるがいいですわ!」
@幼子
:「間世は様々な胸を大きくする方法を試された。そして十二分にやりかえした。そんなことを繰り返す日々を送り、そこから小人の生活というものを学んでいる。幼子も試し、試されという日々を送っていた。間世との仲が深まるくらいの効果しかでなかった。次の方法を考えている」
@設定@
尾中間世:(おなか まよ)
「人間の両性具有者。一族がほとんど壊滅状態にある。幼子をからかいながらの生活を送っていたが、秘薬を飲んで小人となった。芸術家なんかの作品作りをしていて、家にはマネキンがある。家も部屋も広く豪華。主人公」
小児幼子:(こじ ようこ)
「小人の女の子。間世にからかわれつつも間世の家に居候していた。態度と体の大きい人間は好みではない。胸を大きくしようと頑張る人間には共感する。ただ、勘違いも多い。胸を大きくする方法を色々と試している。ヒロイン。苗字が出せなかった」
舞台
「間世の住むお屋敷。基本的に間世の部屋です。今回は他エンディング特に考えず」
@その他メモ@
今回は『小人を出す』ということを考えながら、『短い話をいくつも』という予定でした。サブタイトルが最初から決まってたのっで、『胸の話』も入れようと初めから目論んでたかも。ノリとしてはこんな感じ。話の構成としては大きく外れています。口調が面倒な二人組ですが、キャラ同士の距離感は理想的な感じです。




