十二の短い詩の断片
一、
メロディ
初めて耳にする馴染んでいる全てに流れ出す
二、
歌詞
意味を具現化することは抽象に憧れること
三、
始まり
動く前から準備しているおもむろさ
四、
サビ
主人公の華やかさの裏側が惹きつける
五、
リフレイン
循環を止めた半円は水平に繋がって
六、
終わり
始まる再開の先頭への期待は大抵虚しい
七、
声
咳が止まると何も聞こえなくなった
八、
席
出来上がってしまった世界に居場所がない
九、
男
あんな大声で喚いてなぜ羨ましい
十、
そのまま
何も言わずにそのまま立っている孤独
十一、
石
薄闇に浮かび上がっている石の見てきたこと
十二、
胸
乾いてしまった空洞を覗くことが怖いようだ
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