地上の銀河鉄道
もう二度とここに来ることはないのだろう。
あんなに愛していたのに受け入れてはもらえなかった。
恋愛は互いのベクトルが向き合わなければ成立しない、そんなことは分かりきっていたことだけど、思うようにはいかないものだ。
朝6:38分
水曜と金曜の朝はいつもこの駅から仕事に向かっていた。
『このままだと嫌いになる気がした。』
それが彼の提示した別れの理由だった。
確かに、付き合いに慣れてワガママになってしまっていたかもしれない。
可愛げもないかもしれない。
改札でも振り返って可愛く手も振れない。
そんな私は振られて当然かもしれない。
でも、私は彼を好きだった、狂おしいほどに彼の全てが欲しかった。
いっそ嫌いになってから振ってくれた方がマシだと思った。
恋愛で泣くなんて思ってもみなかった。
馬鹿馬鹿しいと笑っていたあの曲も今なら不思議なほど共感できる。
ねぇ、これから私以外の人とあなたは幸せになるんだね、振られてしまったことよりもそのことがかなしいの。
あなたには私しかいないって私は本気で思ってたの。
何一つ可愛いことが言えずに出来ずにいてごめんね。
手紙は書いたけどそれじゃ伝わらなかったね。
ゴメンね、幸せになってね。
ってまだ思えないけど、思えるように頑張るから。
時々は思い出してね、あなたが思い出すのが可愛いわたしだったらいいな。
今日は金曜の夜だよ。
私はこの駅ではもう降りないよ。
さよならあなた。
23:25
イヤホンはあなたの好きな曲を奏でてる
窓の外にはあなたの家の窓が見える
『UFOの軌道に乗ってあなたと逃避行、夜空の果てまで向かおう。』