冒険52km
なんとか今までどおり週一更新が出来そうです。
鳶の襲撃を乗り越えた俺はゆっくりとSPとMPを回復できていなかった。
理由はいたって簡単で現在俺は数多くの敵に包囲されているからだ。
敵の姿は1mを超える蜂の群れ。
所謂キラービーと呼ばれるモンスターに襲われていた。
残念な事にMPもSPも全快に程遠い状態では魔法もアーツも利用することができず、<鷹の目>や<回避><跳躍>等をフル活用しながら敵の攻撃を避け、隙を突いて弓を放ちカウンターでクリスを振るい何とか凌いでいる状況だ。
倒した蜂の数はやっと5体目。
しかし敵はまだ視界を埋め尽くさんばかりに存在する。
自身も敵も絶えず動き回る現状では敵の数を正確に数える事は出来ないが2桁は確実にいると思われる。
完全にジリ貧なのだが有難いことに蜂は数の暴力で押し潰してはこずに大多数が距離を取ってホバリングしている中で数匹が此方に突撃してくるだけなのだ。
でなければ俺はアッサリ死に戻っていただろう。
それでも完全には避けきれずに細かいダメージが溜まっていく。
確実にこれっていたぶられているよね。
「ブブブブブ」
視界の端に黄色と黒の警戒色をした蜂が尾の針をこちらに向けて突っ込んで来るのが見えた。
紙一重で避けるなんて芸当は出来ないのでギリギリまで引きつけた後少し過剰気味に避ける。
避けている最中に別の2匹の蜂が別方向から突っ込んで来るのが見えたのでそのまま回避運動を続ける。
2匹目は何とか避けられたが3匹目はかなり正確にこちらをホーミングして来ており避けられそうにない。
仕方なく馬手に持っていた矢を戻すとクリスを腰から抜き放ち蜂の針を斬り払う。
ガキンッ!
金属と金属がぶつかり合う高音が響くと少々押し負けつつも何とか針の方向をずらす事に成功するが針は右肩を掠めダメージを負う。
他の蜂が来ていない事を確認するとクリスを逆手持ちに持ち替え、薬指と小指で固定し残った指で矢筒から矢を取り出し、力だけで引き分け碌に狙いもせずに放つ。
それでも蜂が近くにいるため何とか当たるが大きなダメージを与えたようには見えない。
同じような事を何度も繰り返していて倒したのは5匹である。
<マイクロダウンバースト>を使って蜂を地面に縫い止めたいところだが、流石にこれだけ囲まれていると1.5秒の詠唱時間を生み出すことが出来ない。
魔法はこれだから使いにくい。
あ、<ウォーターマシンガン>を使えば良いじゃないか。
あれなら詠唱時間が0.1秒で済む、乱戦にはもってこいの魔法じゃないか。
意図しない用途だがこれはこれでいい感じだ。
しかもあれの特性は「衝撃」で、あわよくば空中を飛んでいる蜂を落とす事や突撃してくる蜂の軌道をそらすことが出来るかもしれない。
これはやるしかないよね。
MPは激戦中にも回復しており現在は15である。
つまり現状では15発まで<ウォーターマシンガン>を使う事が出来るわけだ。
本当に何とかなるかもしれないぞ。
都合よくまた蜂が突撃してきた。
数は2匹。
両側から挟み込むように突撃してきた2匹を避けると俺の左側からきた蜂に狙いを定める。
「ダ!」
わざわざ「短縮名」を使う必要なんて無かったのだがまあいいだろう。
放たれた水の一撃は狙い違わず蜂の腹部に命中し弾ける。
<ウォーターマシンガン>はその内包していた「衝撃」の特性を遺憾なく発揮し蜂のバランスを崩す。
落としは出来なかったが動きを止めるだけで十分すぎる戦果だ。
俺はその隙を逃さず十分に引き絞ぼり、矢を放つ。
カンッ!
十分な運動エネルギーを与えられた矢は空を裂き蜂の胸部を貫く。
貫かれた蜂はそのHPを散らし地面に落下する。
いける、これならば今のジリ貧の戦いを打破しこのピンチを乗り越える事が出来る。
俺のモチベーションは最高潮だ。
「来いよ!お前ら全員ブチ抜いてやる」
だからだろうか、こんな柄にもない事を言ってしまうのは。
だが俺は気にしない。
所謂最高にハイってやつだからだ。
カンッ!
俺の放った矢が最後に残った蜂の頭部を貫く。
蜂のHPが消し飛び周りに動いている者は俺一人だけとなった。
結果的に蜂共にHPの7割とMP全てを持っていかれることになってしまった。
かなり持っていかれたが、その分良いものが取れることを祈っておこう。
それじゃあ蜂共の剥ぎ取りをしましょうか。
<殺人蜜蜂の針>
重量2、レア度3、品質D+
殺人蜜蜂の針。見た目の割に丈夫なので刺突剣等の材料になる。
<殺人蜜蜂の毒嚢>
重量1、レア度3、品質D+
殺人蜜蜂の毒嚢。弱めだが様々な毒の混合物なので解毒は困難を極める。
<殺人蜜蜂の花粉>
重量1、レア度3、品質C-
殺人蜜蜂が集めた花粉。蜂にとって貴重なタンパク質等を補給できる。とても栄養が豊富で食材になる。
<殺人蜜蜂の蜂蜜>
重量1、レア度3、品質C-
殺人蜜蜂が集めた蜂蜜。蜂にとって重要なエネルギー源。栄養豊富なほかに貴重な甘味である。
なかなかいい感じのアイテムが手に入った。
特に蜂蜜と毒嚢がいい感じだ。
蜂蜜は説明文通りいい甘味になるし、毒嚢は毒の研究に丁度よさそうだ。
入手した数は針が15本で全ての蜂から手に入った。
毒嚢は7個、花粉と蜂蜜が4個づつ。
なかなかいい数が手に入ったが、ちょっと蜂蜜と花粉の数が少ない気がするな。
もっと欲しいのだが今のHPとMPでは戦いたくないな。
さて次はレベルアップしたものを確認するか。
プレイヤーレベルが上昇しました。LPの分配が出来ます。
ジョブ<弓使い>のレベルが上がりました。
スキル<弓術初級>のレベルが上がりました。
スキル<鷹の目>のレベルが上がりました。新たな能力<ウィーク・キネクト・ヴィジョン>を覚えました。
スキル<視野探索>のレベルが上がりました。
スキル<嵐属性初級>のレベルが上がりました。
スキル<回避>のレベルが上がりました。
なかなかいい感じにレベルアップしたな。
<暗殺見習い>のレベルが上がらなかったのが残念だ。
同じ時期に覚えた<隠密行動見習い>は上位スキルになったというのに。
取り合えず新しく覚えた能力について見てみよう。
<ウィーク・キネクト・ヴィジョン>:猛禽類の動体視力の一部を貰い受ける。動体視力中UP。
どうやら動体視力をアップさせる能力だったようだ。
今後の戦闘にどう影響するか楽しみだな。
さて、LPの分配もしてしまおうか。
DEX 40 → 42
AGI 25 →26
LP 3 →0
今回は俺の長所を伸ばすことにしてみた。
DEXとAGIだけが俺の長所だからな。
それに今の戦闘スタイルの幅を広げるのにも役に立ってくれるはずだし。
さて、LPの分配も終わった事だし探索に出掛けましょう。
欲しい素材が此処には沢山あるわけだし。
そんな感じで採取ポイント巡りをしていたら崖の影に隠れるようにして蜂が1匹行き来していた。
気になって観察してみると一定の範囲内を行き来しており、まるで重要な施設の周りを見回る兵士の様に見える。
これはもしかして奴らの巣が此処らにあるって事か?
取り敢えずその真偽を確かめるためにもあの蜂は排除してしまって周りの探索に入ることにしよう。
さっきの戦いと違い今回はまだ気がつかれていないので楽に勝てるだろう。
あの時は探索の為に移動してたら崖の影から出て来た蜂とバッタリ鉢合わせしたから真っ向勝負になったんだよな。
そんな事はどうでもいいか。
さて、見回り中らしき蜂が俺のいる方向の反対方向を向いたら放つか。
カンッ!
放った矢は蜂の頭部を吹き飛ばす。
さっさと剥ぎ取って巣を探しましょう。
剥ぎ取ったアイテムは針と毒嚢でした。
さ~てどこですかね。
さっきの蜂が見回りしていたのならこのすぐ近くに巣があってもおかしくないんだがな。
そう思い崖の上の其処彼処を探索してみたが見つかる気配はない。
むう、見つからないのは仕方がないので今回は諦めることにしよう。
残念な事にログアウトの時間になってしまったのだ。
取り敢えず<迷彩ネット>を頭から被って茂みの中でログアウトすることにする。
見つからないように祈りながら俺はログアウトのボタンを押した
ネーム〈銀狐〉Lv.13
種族 〈エルフ〉
ジョブ〈弓使い Lv.16〉〈労働者 Lv.7〉
ステータス
HP :80/80
MP :74/74
SP :60/60
STR:18
SIZ:12
DEX:42
VIT:5
INT:13
AGI:26
MND:13
LUK:10
LP :0
スキル
〈弓術初級 Lv.2〉〈鷹の目 Lv.10〉〈木工 Lv.4〉〈簡易調理Lv.6〉〈視野探索 Lv.9〉〈隠密行動初級〉〈暗殺見習い Lv.18〉〈簡易マッピング Lv.7〉〈跳躍 Lv.9〉<嵐属性初級 Lv.3><回避 Lv.4><調薬見習い Lv.1>
武器
メイン:〈ノーマーディッシュ・ボウゲン>
├クリバー:〈イェイガー・カルヒャー〉
└アロー:〈石の矢×2〉〈黒熊の矢×1〉〈緻密な石の矢 ×12〉
〈緻密な石の矢(劣化2) ×26〉
サブ1:〈ツインクロスボウ Mk-Ⅱ〉
├クリバー:〈ボルトストッカー〉
└ボルト:〈鉄のボルト×28〉<石のボルト×50>
サブ2:〈クリス・オブ・ホーク〉
サブ3:〈鉄のダガー〉
その他:〈初心者のナイフ〉〈木の銛〉
防具
頭:〈皮の帽子〉
体:〈イェイガー・レーダーブルストン〉
腕:〈イェイガー・レーダーアルムシュッツ〉
手:〈鹿の騎射がけ〉
足:〈イェイガー・レーダーホーゼ〉
靴:〈イェイガー・レーダーシュティーフェル〉
装飾品
無し
その他
〈初心者の鍋〉〈初心者の鑢〉〈石の斧〉 〈鉄の鋸〉 〈鉄のつるはし〉 〈鉄の鑿〉 〈鉄の斧〉 〈粗悪な松明 ×3〉〈初心者の調薬セット〉〈初級グリーンポーション ×2〉〈初級ブルーポーション〉<ニガヨモギの傷薬(1/10)>




