表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Free World Frontier  作者: シバケン
パリィの村
6/79

冒険4km

遅くなって申し訳ない。


銀狐が襲われるようです。


 ピャーーー!!


「ぬぉあ!あ、あぶね!」


 現在俺は全速力で森の中を駆けずり回っていた。

 理由はというと、木の上に止まっていた鷹を狩ろうと矢を放ったら軽々と避けられ、さらには攻撃されているからだ。


 ピャッ!!


 短い鳴き声とともに発射されたのは握りこぶし大の水の玉。

 そう、この鷹なんと魔法攻撃を使ってくるのだ。威力は不明だが(当たって確かめるなんてとんでもない)、着弾したところの地面がそれなりに抉られているため弱いはずがない。

 しかも機動力が高く、最初30m程離れていた距離は現在5m足らずまで縮まっている。

 正直つかまるのも時間の問題になってきた。

 あの時倒せたのはマグレだったってことか。


 ピャー!!


 またか!

 今度は胴体を狙って水の弾丸が放たれる。

 正直避けられるかどうか分からなかったが、体を大きく捻る。


「ゥグッ!?」


 脇腹あたりがまるでアスファルトに削られたように痛む。

 どうやら残念なことに完全には避けられず、左脇腹当たりを掠めていったようだ。

 慌てていつもはオフにしてあるUI(ユーザーインターフェイス)を表示させる。

 左上に表示された各種ステータスバーを見て驚愕する。

 なんと、掠めただけでHPの3割ほどが削られていたのだ。

 SIZやVITをあまり上げていないのが原因かもしれないが、あまりの威力に少々パニックになる。

 あー、もうこうなったら逃げながら戦ってやる!

 走りながら弓を構える。

 正直狙いを付けられるような状態じゃないが致し方ない。


「当たれ!」


 放った矢は完全に見切られていたらしく軽々と避けられる。

 矢は後2本。

 矢は止めよう、当たらないのに勿体無い。

 ガリガリ減っていくスタミナを見るとナイフは無いな。

 てか、あれ相手に接近戦は無茶だ。

 ここは、全く使ってなかった魔法しかないようだな。

 一応、中身は見て置いていたので何とか最初の呪文はわかる。


「ウォーターショット!」


 唱えた瞬間、力が少し抜けたような気がした。

 UIを見るとMPがかなり減っている。

 これが力の抜けた原因のようだ。

 なんだか近接戦闘中には使いにくい使用だな。

 ん?発動まで3秒?

 もしかして、魔法って唱えた後に詠唱が入るの?

 発動まで2秒

 ちょ、ちょっと早くしてよ!今にも鷹が魔法を撃ってきそうで怖いんだよ!

 発動まで1秒

 狙いはずっと鷹に向けている。

 ピャ!

 発動

 手に青色の球体が生成されたかと思うと、一直線に鷹へ向かっていく。

 速度は矢とどっこいどっこいに感じるのだが。

 真ん中よりもこちら側の手前で両方の魔法が衝突する。

 結果は


 こちらの撃った魔法が相手の魔法を貫く。

 どうやら魔法的にはこちらの方が上だったようだ。

 まだ初期の魔法に負けるって言うことは、あの鷹のステータスは意外と低いのだろう。

 貫いた時、相手の魔法が拡散したのか霧が出て、相手が見えない。

 あたったのかわからなくて怖い。

 晴れるまで止まるわけにもいかず、そのまま走り続ける。





 まだ出てこない。まだ走り続ける。

 霧はまだある。魔法で作られた霧は晴れにくいようだ。




 まだ出てこない。徐々に走る速度が落ちる。

 徐々に白い霧が薄くなってきたように感じた。




 まだ出てこない。駆け足程度にまで落ちる。

 霧も晴れてきた。





 まだ出てこない。もう歩いている。

 霧が晴れた。鷹の姿は見えない。





 もう出てこない。俺は完全に止まり、一点を見つめる。

 完全に霧の晴れた地面に青い塊が見える。


 もしかして。

 俺は慎重に近づいていく。

 徐々に青い塊が鳥の形をしていることがわかる。


「やっっっっったぁぁぁぁぁ!」


 死ぬかと思った。

 もうだめかと思った。

 初めての死に戻りかと思った。

 でも、何とか勝った。

 狩ってやった。

 俺は舞い上がる気持ちを抑えながら、鷹に近づきナイフを突き立てる。



 〈青短鷹の石打〉×2


 〈青短鷹の飾り羽〉


 重量0、レア度2、品質D+


 ブルーショートホークの飾り羽。雄に生えている美しい飾り羽。装飾品に最適。



 よっしゃ、レア度2を二つも手に入れた。

 苦労しただけのことはある。

 ホクホク顔でいると、舞い上がっていたときには気がつかなかったアナウンスを見つける。

 今度は何がレベルアップしたんだろう。


 ジョブ<弓使い>のレベルが上がりました。


 スキル<水魔法入門>のレベルが上がりました。


 スキル<狩人の眼>のレベルが上がりました。


 おお、水魔法以外もレベルが上がっている。

 とりあえず一番気になるのはやっぱり水魔法だ。何が変わったんだろう。


<水魔法入門 LV.1>


 アクティブスキル。水属性の初期魔法を劣化するが使える。


 使用可能魔法

<ウォーターショット>:小さな水球で遠距離攻撃ができる。威力は弱い。消費MPは5

<ウォーターボール> :バレーボール大の水魔法で攻撃する。威力はそこそこだが、クールタイムと詠唱時間が長い。消費MPは10。


 どうやら使える魔法が増加したようだ。

 あれ?ウォーターショットの消費MPが5?

 UIを見ると、少々回復しているが消費しているのは45程度だ。

 説明文との相違に混乱しつつも、正直鷹との戦いで疲れたので検証はまた今度にする。

 さっさと村に帰ってログアウトしよう。

ネーム〈銀狐〉

 種族 〈エルフ〉

 ジョブ〈弓使い Lv.2〉

 ステータス

 HP :40/62

 MP :21/70

 SP :20/32

 STR:10

 SIZ:7

 DEX:20

 VIT:7

 INT:11

 AGI:14

 MND:12

 LUK:6

 LP :0

 スキル

〈弓入門 Lv.3〉〈狩人の眼 Lv.4〉〈木工見習い〉〈簡易調理〉〈水属性入門Lv.1〉〈発見〉

 武器

 メイン:<初心者の弓><初心者の矢×3>

 サブ :<初心者のナイフ>

 防具

 頭:<無し>

 体:<初心者の革鎧>

 腕:<初心者のレザーアームガード>

 手:<無し>

 足:<初心者のレザーグリーブ>

 靴:<初心者の革靴>

 装飾品

 無し

 その他

 〈初心者の鍋〉〈初心者の鑢〉〈初心者のグリーンポーション〉

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ