表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Free World Frontier  作者: シバケン
北の森・簡易拠点
47/79

冒険37km

クロスボウ大活躍の予感?


 お昼を食べた後すぐにログインする。

 死に戻ったときはちょうどお昼の少し前だったはずだし、もうデスペナルティも終わったはずだ。

 さっそくステータスを確認してみると、すべて通常に戻っていた。

 はぁ、これでやっと狩りが出来そうだ。

 その前に、ご飯を食べないとな。

 とりあえずいつもの場所に移動して、ご飯を作ってから狩りに行こう。








 いつもの場所で、いつものように兎の肉の串焼きを食べていると、いつぞや色々とお世話したヒューマンのリュイ君がやってきた。


「あ、銀狐さん。お久しぶりです。」


 リュイ君も俺に気がついたようでとことことこちらに歩いてきた。


「ああ、久しぶり。<弓使い>の調子はどうだ?」


 前は真正面から攻撃を仕掛けていたらしいけどどうなったんだろうかね。


「銀狐さんのアドバイスのおかげで何とか兎や鹿を倒すことが出来るようになりました。最近は南の森の奥のほうにまでいけるようになったんですよ!」


 おお、上手く行動が出来ているみたいで良かった。

 しかも南の森の奥にまでいけるようになるとはすごい成長だ。

 正直俺よりも強くなるかも分からんね。


「それは良かった。ご褒美に串焼きをおごってやろう。」


 俺はちょうどおかわりのために焼いていた串焼きをリュイ君に渡す。


「わぁ、ありがとうございます。実は僕の焼いた串焼きよりも銀狐さんの焼いた串焼きのほうがおいしくて忘れられなかったんですよ。」


 リュイ君は恥ずかしそうにそういいながら串焼きをおいしそうに食べている。

 ああ、それはたぶんステータスのせいじゃないかな?

 俺のDEXは30を超えてるからな。

 他のステータスと比べると圧倒的に多い。


「そういえば銀狐さんはどうしてここに?それに弓はどうしたんですか?」


 おいしそうに串焼きを食べながら聞いてくる。

 おぅ、痛いところを突いてくるな。


「ああ、それか。なに、偶然見つけたダンジョンらしき場所に入ったら返り討ちにあっただけさ。そのせいでメインウェポンの弓を落としてしまったんだよ。」


 リュイ君が少し顔を背けた。

 聞いてはいけないことを聞いてしまったと思ったんだろう。


「それはなんと言ったら良いか。」


「気にするな。MMORPGには良くある話だ。まぁ、聞く人には気をつけたほうが良いかもな。人によっては不快に思うかもしれん。」


 リュイ君は素直にうなずく。

 さて、そろそろ狩りに行こうかな。

 何せクロスボウのお目見えだ、なるべく多くのデータを取っておきたいしな。


「それじゃあ俺は狩りに行くよ。何かあったらVCをしてくれ。俺が出来ることであれば手伝おう。」


「分かりました。それではまた何処かで会いましょうね。」


 手を振るリュイ君に手を振り返しつつ俺は東の森へ向かう。

 流石に能力の分からない武器で北の森や西の森へは行きたくないし、南の森はそこまで魅力が無い。

 そうなれば残るのは東の森だけだ。

 情報によれば南の森よりは敵が強く、西や北の森に比べれば強くは無いというたぶんちょうど良いぐらいの難易度だろう。

 さて<簡易マッピング>を鍛えつつ狩りを始めますかね。






 東の森に到着した俺は早速獲物の痕跡を探す。

 ついでに<追跡者の目>の能力の確認も行えることを期待している。

 正直発見しやすくなるだけでは実際はどういった具合に見えるのかが分からないのだ。

 むぅ、近場にはそれらしい物が見当たらないな。

 これは少しばかり奥まで行かないと見つからない気がする。

 まぁいい、見つからないのなら見つかるまで探せば良いだけだ。

 当たり前のことだな。




 と思っていたら意外とすぐに見つかった。

 ふむふむ、<追跡者の目>の効果が分かった。

<追跡者の目>は獲物の痕跡を光らせるのだ。

 最初森の中で何が光っているのかと思ったのだが、近づいてみると足跡だったのだ。

 とは言ったもののそんなに煌々と光っているわけではないのだが。

 LEDのような光ではなく真っ暗なところで光っている蛍光塗料ぐらいの明かりだと思ってくれていい。

 正直、明るい場所では見逃しそうだな。

 まぁ無いよりはマシだな。


 さて、この足跡は何の足跡かな?

 ふむ、細長い足跡が二つ並行に並んでいて、下に小さな丸い足跡が二つ垂直に並んでいる。

 この特徴は兎だったな。

 ふむ、この足跡の向かった先に兎がいるわけだな。

 それじゃあ向かってみますか。






 あの後幾つかの痕跡を発見し、何とか兎を発見することが出来た。

 さて、次はなるべく近くに寄るだけだな。

 何せこのクロスボウの性能が分からないのだ。

 近くにある茂みや木の陰を利用しジリジリと近寄っていく。

 40m、まだ気が付いてはいないようだ。

 30m、呑気に食事を始めたようだ。

 20m、いまだに食事をしている、これは向こうが鈍感なのかこちらの<隠密行動見習い>がすごいのか。

 10m、兎は食事を止めると後ろ足だけで立ち上がり、周りを見渡し始めた。

 ふむ、ここら辺が隠れて近づく限界かな。

 俺は背中に背負っていたクロスボウを構えると、ボルトを番える。

 兎はまだ気が付いていない。

 照準を使い狙いを定める。

 照準がある分狙いやすさはクロスボウの方が上だな。


 カシュン!


 意外と小さな発射音がし、ボルトが飛んでいく。

 少し左右上下にぶれるのは矢羽が小さいからだろうか?

 だが、飛んでいったボルトは狙い通り兎の首元に命中する。

 そしてそのまま近くの木に突き刺さる。

 10mとはいえ兎ごと後ろの木に突き刺さるとはなかなかの威力だな。

 これは期待できそうだ。

 取り合えずクロスボウをリロードし暴発しないように安全装置をした後、兎を剥ぎ取った後次なる獲物を探して東の森の奥へと歩を進める。







 あの後10匹ほどの兎と|交戦(一方的な奇襲)をしてこのクロスボウの性能が分かってきた。

 どうやらこのクロスボウの有効射程距離は50m程のようだ。

 それ以上離れると命中するよりも外れるボルトの方が多くなる。

 さらに獲物の急所に確実に当てるなら30m以内で無いといけないようだ。

 むぅ、メインウェポンにするには少々不安が残るな。

 やはりクロスボウはサブウェポンとするのが一番か。弓とは違い、リロードしておけば弓よりも早く撃てるからな。


 さて、ある程度クロスボウの能力も分かったし、まだ夕食まで時間がある。

 これは更なる狩りを東の森の奥でしろということだろう。

 よし、それならばさらに奥へ向かおう。

 あ、ちなみに10匹の兎を狩ったおかげか<鷹の目>や<発見>、<隠密行動見習い>、<暗殺見習い>、<簡易マッピング>のレベルが上がった。

 さらに<暗殺見習い>のレベルが10になったため<急所突き>を覚えた。


<急所突き>:敵の急所に当てやすくなる。当たる確率は敵に対する知識やその攻撃に関わるジョブレベル、スキルレベル、ステータスなどにより大きく変動する。


 なかなか使いやすそうな能力である。

 何せ今の俺のプレイングでは敵の弱点に当て、一撃で沈めるという方法を取っているのだ。

 急所に当てやすくなるのなら喉から手が出るほど欲しいものだ。


 さて、能力の考察もいいが早く狩りに出かけよう。








 ある程度奥に進んだところで、新しい痕跡を発見した。

 痕跡自体は良く残ってる足跡なのだが、足跡の形が今までのものとは違っている。

 兎のような特徴的な長い足跡は無く、鹿のような蹄の跡ではない。

 4本の短い指の跡のすぐ下に楕円形の跡。

 ネコ科の動物の足跡ではないかと思う。

 いや、狼の足跡か?

 それにしては1匹分の足跡しかない。

 これは未知の敵の足跡か?

 まぁ、どちらにしろネコ目の動物だ、確実に肉食動物でアクティブタイプだろう。

 さて、未知なる敵に向けて進みますかね。



 ふむ、意外とすぐに真新しそうな足跡を発見した。

 見当たらないのは何処かに隠れているのか、単純に見えないだけか。

 分からないが、足跡の方向だけはしっかりと見ておこう。

 そう思い、足跡の方へ意識を集中したときだった。


 ドン!


 いきなり背中に強い衝撃を感じた。

 HP表示を見てはいないのだが、確実に減少しているだろう威力だ。

 俺はとっさに衝撃の方向へ跳び、柔道の受身の要領で一回転する。

 そしてすぐに攻撃してきた敵を探す。


 いた!

 一瞬だけだったが動物のような影を見ることが出来た。

 しかし、一瞬で木の陰に体をすべて隠され視線を切られてしまった。

 どうも<鷹の目>や<発見>等の視覚を利用した探索形スキルは視線が完全に切れると敵を追い続けることは出来ないようだ。

 まさか、こんな弱点があるなんてな。

 こんなことなら新しい探索系スキルを取っておくべきだったな。

 まぁ、いまさらこんなことを言っても始まらない。

 今は敵の奇襲に気を付けなければ。

 取り合えず近くにあった木に背中を付け、左手にクロスボウ、右手にナイフを装備する。

 これで奇襲の方向を減らせたし、接近戦にも多少強くなったはずだ。

 それにしてもいつも使っている奇襲作戦がこんなにも厄介だったなんて。

 来いよ、奇襲なんて捨ててかかって来い!

 そんな事を思ったからだろうか、視界の左端に飛び掛ってくる敵の姿が見えた。

 やられてたまるか!

 俺は右側に倒れこみながら、飛び掛ってくる敵に向かってナイフを突き出す。

 しかし、その攻撃は敵を掠めるだけに終わったが、まだ俺の攻撃は終わっていない。

 向こうが着地する瞬間をクロスボウで狙い撃ってやる。

 俺の体が完全に地面に付いたとき、ちょうど敵も地面に着地した所だ。

 伸ばした左腕を敵のほうへ向けクロスボウを放つ。

 狙いを付けられないのだが、これだけ近ければ外すまい。


 カシュン!


 放ったボルトは狙いたがわずとは言わなかったが敵の左後ろ足を貫通し地面に縫いつけた。

 チェックメイトって奴だろう。

 俺は立ち上がると、敵の姿をやっと確認できた。

 猫だ、後ろ足を縫い付けられもがき苦しんでいるのは薄い虎縞の猫だった。

 所謂山猫と呼ばれる奴だろう。

 さて、このまま苦しめるのもかわいそうなので、トドメを刺すことにする。

 ナイフを猫の首に付きたて倒した。

 さて、剥ぎ取りだ。

 どんなアイテムが手に入ることやら。



<西州山猫の皮>


 重量1、レア度2、品質D+


 西州山猫(ヨーロヤマネコの皮。土地によっては楽器の材料にもなる。



<西州山猫の牙>


 重量1、レア度2、品質D+


 西州山猫の牙。小さいので使い道が少ない。



 うむ、正直良い物なのか悪い物なのかわからない。

 まぁ、スミスの店に売ってしまえばいいか。

 さらに、山猫を倒したことによりレベルアップも起きたようだ。



 ジョブ<弓使い>のレベルが上がりました。


 スキル<弓入門>のレベルが上がりました。


 スキル<発見>のレベルが上がりました。スキルレベルが20になったので上位スキルに変化します。


 スキル<跳躍>のレベルが上がりました。新しい能力<跳躍強化>を覚えました。



 おお、<発見>も上位スキルになったぞ、これはすぐに確認せねば。



<察知>:探知系スキルの共通上位スキル。敵の攻撃や発動した罠などが視界等に縛られず察知することが出来る。


<視野探索>:<発見>の上位スキル。視野内にあり、発見していないものを探索し見つけることが出来る。隠されたものであっても視界内に入っていれば発見できる確率が大幅に上がる。



 むう、どちらか迷うな。

<察知>にすると視界に縛られず敵の攻撃等に気が付くことが出来るが、攻撃されないと駄目なようだ。

 まぁ、レベルアップで何とかなりそうだが、それでも攻撃されないと気が付けないのは痛い。

 対する<視野探索>は視野の届く範囲だけだが発動していない罠などにも気がつける。

 だが、視野内に無ければ気が付けないと言う弱点がある。


 よし、<視野探索>にするか。

 今回のようなことになったら不味いのだが、攻撃されてから気が付いても遅い場合のほうが多いだろう。

 そう考えれば視野内であれば発見できる<視野探索>の方が優れていると思ったのだ。

 さて、次に<跳躍強化>の能力の確認をするか。



<跳躍強化>:跳躍時の飛距離、姿勢制御に小量ボーナス+。落下ダメージ小量減少+。



 ほう、既存能力の強化か。

 これは良い能力だな。

 さて、まだまだ時間は残っている。

 次なる獲物を探しに行こう。

ネーム〈銀狐〉Lv.9

 種族 〈エルフ〉

 ジョブ〈弓使い Lv.12〉〈労働者 Lv.5〉

 ステータス

 HP :58/78

 MP :74/7)

 SP :46/46

 STR:15

 SIZ:10

 DEX:30

 VIT:7

 INT:13

 AGI:20

 MND:13

 LUK:8

 LP :0

 スキル

〈弓入門 Lv.16〉〈鷹の目 Lv.2〉〈木工見習いLv.19〉〈簡易調理Lv.4〉〈水属性入門Lv.8〉〈風属性入門 Lv.3〉〈視野探索〉〈隠密行動見習い Lv.11〉〈暗殺見習い Lv.10〉〈簡易マッピング Lv.3〉〈跳躍 Lv.1〉

武器

 メイン:〈ツインクロスボウ Mk-Ⅱ〉〈鉄のボルト×38〉〈石の矢×28〉〈黒熊の矢×1〉〈緻密な石の矢 ×12〉

 サブ :〈初心者のナイフ〉〈木の銛〉

 防具

 頭:〈皮の帽子〉

 体:〈初心者の革鎧〉

 腕:〈初心者のレザーアームガード〉

 手:〈鹿の騎射がけ〉

 足:〈初心者のレザーグリーブ〉

 靴:〈初心者の革靴〉

 装飾品

 無し

 その他

 〈初心者の鍋〉〈初心者の鑢〉〈石の斧〉 〈鉄の鋸〉 〈鉄のつるはし〉 〈鉄の鑿〉 〈鉄の斧〉 〈粗悪な松明 ×3〉

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ