冒険32km
色々ゴタゴタしていたため投稿が遅れてしまいました。
探索に戻ったは良いが、草食動物の姿はやはり見当たらなかった。
本当に何処にいるんでしょうかね。
そういえば村には狩人が数人いたなぁ。
今度、村に帰る時に草食動物の探し方でも聞いてみようかな?
今はそんな事出来ないから虱潰しに探さないといけないのは辛いな。
さて、次は北東方面を探索しよう。
北東方面を探索中に洞窟を発見した。
今、俺が拠点に使っている崖にあるような洞窟では無く平地に不気味に開いた洞窟であった。
夕食の時間までまだあるし中を探索しよう。
ちらりと中を見てみたが、夜中のせいか真っ暗だった。
しかも、<鷹の目>の効果のせいか前よりも暗い所が見辛くなった気がする。
と言うわけで持つことのできる光源の松明でも作ろうかと思う。
<木の棒>の周りに短く切った<木の棒>を膠で付けた後、外れないように<空蔦>で固定する。
さらに太くなった部分を燃えやすくなるように膠でコーティングする。
膠は動物性油の塊だからよく燃えるはずだ。
こうして完成した松明がこれだ。
<粗悪な松明>
重量1、レア度1、品質D+
燃焼時間10分
銀狐製の松明。粗悪品なので燃焼時間が短い。
なんかえらく効果の低い物が出来てしまった。
まぁ、素材も作り方も完全にデタラメだから仕方が無いのかもしれない。
最低限使う木材は松みたいなよく燃える木を選ぶべきだったのかもしれない。
でも、今だに周りの木は広葉樹ばっかりなんだけどな。
取り敢えず出来た松明を幾つか作った後、この前作った火おこし機を使って松明に火をともしておく。
後は拠点作成時に余った板材と<空蔦>を使って首から下げる机?みたいな物を作る。
これで両手が塞がれること無く地図を書けるはずだ。
さぁ、準備も整ったことだし洞窟探検に出発だ。
洞窟の中は外から見た通り真っ暗で、松明を持っていなければ数cm先も見ることは出来ないであろう。
<夜鷹の目>を使ったらまだ視界が広かったかもしれない。
終わってしまった事は考えないことにして洞窟の探索を続けよう。
ほんの少ししか進んでいないけど分かった事が幾つかある。
まず一つ目にこの洞窟の中では<簡易マッピング>が機能しない事だ。
元々<簡易マッピング>は目印を書き込むだけの機能しか無い為、洞窟や建物の中のマッピングには向かない。
だが、目印になる大きさの岩の近くを通っても描き込まなかった所をみると、洞窟の内部のような場所では<簡易マッピング>の効果は無いと考えるのが妥当だろう。
二つ目にこの洞窟が自然に出来た洞窟には見えない事だ。
入り口から入って数mは自然の洞窟の様に石や窪みが幾つもあり歩きにくかったのだが、いつの間にか地面が削られていたのだ。
他にも横幅5mちょい、縦幅4mの空間が角の丸い長方形になっている。
さらに明らかに人の手が加われた跡が幾つかあった。
なにせ、俺も拠点の整備の時に同じ様な跡を付けたので確実であろう。
そして3つ目にここが敵の巣窟であろう事だ。
なにせ今まさに俺はこの洞窟の主と真っ正面から対峙しているのだ。
目の前にいるその敵の大きさは大体70〜80cmぐらいで、姿は大体のファンタジー系RPGで出てくるゴブリンの姿そのままである。
まぁ、全くデフォルメされていない其の容姿は醜悪そのものなのだが。
敵の数は1匹で、得物は木で出来た棍棒の様な物を持っており、腰にはボロ布を纏っている。
最悪な事に松明を持っていたせいなのか、ゴブリンは完全に戦闘態勢なのだ。
勿論俺はいきなりの出会いだったので戦闘態勢どころか武器は左手に松明と一緒に一応持っておいたナイフだけだ。
今は松明を地面に投げ捨て、ナイフをゴブリンに向ける事で一応の均衡を保っているが、ナイフ系のスキルを取っておらず、さらにナイフの扱いに慣れていない俺は攻められたら終わる気がする。
これはなんとしても弓に持ち替えるべきか?
でもこんな狭い洞窟で弓は使いにくいのでは無いか?
そんな風に色々と考えていると、ゴブリンがそのスキもらったとばかりに飛び込んできた。
「グギャギャ!」
5m以上離れていた筈のゴブリンはたった2歩で距離を詰めると飛び上がり、俺の頭に向けて棍棒を振り下ろす。
まさかゴブリンがこんなに身体能力が高いとは思わなかった俺は虚を突かれた形になり、動作が一瞬遅れる。
ゴブリンの筋力と体重の乗った一撃は避ける動作をした俺の頭を掠め、右肩に直撃する。
バキッ!
まるで硬い木をへし折った様な音がしたと思ったら右肩に鋭い痛みが走った。
叫びそうな口を噛み締めチラリと右肩を見ると腕がダラリと下がっている。
力を入れても動かない所を見ると肩の骨は折れてしまっている様だ。
ゴブリンは俺に一撃を与えた後、また後ろに下がり今は大体7mほど距離が空いてしまっている。
これだけ距離が空いてしまうと、接近戦を仕掛け様にも迎撃されるのがオチだろう。
それならば魔法を使った遠距離戦で片を付けたいところだ。
「ウォーターショット」
選んだ魔法は俺の覚えている魔法では一番連射性能と速射性能の高い<ウォーターショット>だ。
この魔法ならゴブリンが前方以外に避けた時になんとかもう一発打ち込める筈だ。
放たれた弾丸は真っ直ぐにゴブリンを目指す。
対するゴブリンは驚くことに魔法が当たるギリギリの所で<ウォーターショット>の真下をくぐり抜け、さらに<ウォーターショット>の着弾時の爆発を背に受け低空飛行で飛んで来やがった。
HPは黄緑まで削れたが、突っ込んでくるゴブリンはさっきよりも速い!
「ギャギャ!」
アドレナリンのせいか、妙に遅く感じる世界で俺は咄嗟に飛び上がってしまう。
ゴブリンの目的が俺を飛ばせることだと気がついた時にはもう遅く、空中にいる俺は咄嗟に避けることが出来ない状態になってしまった。
ゴブリンは飛んできたスピードのまま俺の足を目掛けて棍棒を振り下ろす。
だが俺はゴブリンに一矢報いるため、手に持っていたナイフを全力でゴブリン目掛け投げつける。
投げつけたナイフは、ゴブリンの棍棒が俺の足に届くよりも早くゴブリンの腹に吸い込まれる様に刺さったのだが、次の瞬間には太い枝を折った様な音と共に鈍い足の痛みと目の前の景色が勢い良く回った。
背中を強打した俺は、痛む体に鞭を打ち何とか体を起こしてゴブリンの姿を探す。
ゴブリンはすぐに見つかった。
俺の正面10mほど先に転がっており、俺と同じ様になんとか体を起こしていた。
ゴブリンのステータスを見るとHPはオレンジ色になっている。
さらにステータスに体から血が流れてているアイコンが出ている。
どうやら流血の以上状態の様で、地面には小さいながらも血だまりが出来ている。
今の状態ならば魔法を当てるのも簡単な筈。
「ウォーターショット」
止めの魔法にゴブリンがなんとか逃げようと体を動かすが、避けること叶わず直撃し、HPを黒く変色させた。
今までに経験した中で一番激しかった戦いを終えた俺は一息つくよりも先にインベントリから<初心者のグリーンポーション>を取り出し一気にあおる。
戦闘終了後自身のHPを確認すると6割弱も削られていたのだ。
異常状態は骨折だけだったが、今狙われたら確実にOUTなので早めに服用しておこうと思ったのだ。
ポーションの効果は即効性の物では無く遅効性、即ちリジェネレーション式だった。
そして味がゲキマズだった。
取り敢えず苦味が酷かった。
口の中に強烈な苦味が広がり舌が麻痺してしまったのではと感じるほどだった。
そして酷い匂いもあった。
なんと言うか物凄い青臭さ。
まるで夏場草刈りをした時に匂う物をさらに濃くした感じだと言えばわかるだろうか?
それが苦味にやられた口を開けた瞬間に鼻に抜けたのだ。
正直戻しそうだった。
それをなんとか耐えた俺は倒したゴブリンの元まで這い寄り剥ぎ取りを行った。
<小鬼のの腰布>
重量1、レア度2、品質D-
耐久度30/50
スレイブゴブリンの付けていた腰布。汚い。
<小鬼の棍棒>
重量1、レア度2、品質D
耐久度23/50
スレイブゴブリンの装備していた棍棒。木を適当に削っただけの簡素な物。
なんと言うかゴミばっかりである。
しかも、剥ぎ取れたのは腰布だけで、棍棒は落ちていたのを拾っただけである。
何これひどい。
一気に力の抜けた俺が倒れると、目の前に見えたのは振り下ろされる最中の棍棒だった。
ネーム〈銀狐〉Lv.8
種族 〈エルフ〉
ジョブ〈弓使い Lv.11〉〈労働者 Lv.2〉
ステータス
HP :0/76
MP :64/74
SP :44/44
STR:13
SIZ:10
DEX:30
VIT:7
INT:13
AGI:20
MND:13
LUK:8
LP :0
スキル
〈弓入門 Lv.15〉〈鷹の目〉〈木工見習いLv.7〉〈簡易調理Lv.3〉〈水属性入門Lv.7〉〈風属性入門 Lv.3〉〈発見 Lv.18〉〈隠密行動見習い Lv.10〉〈暗殺見習い Lv.9〉〈簡易マッピング Lv.2〉
武器
メイン:〈樫の弓〉〈石の矢×28〉〈黒熊の矢×1〉
サブ :〈初心者のナイフ〉〈木の銛〉
防具
頭:〈皮の帽子〉
体:〈初心者の革鎧〉
腕:〈初心者のレザーアームガード〉
手:〈鹿の騎射がけ〉
足:〈初心者のレザーグリーブ〉
靴:〈初心者の革靴〉
装飾品
無し
その他
〈初心者の鍋〉〈初心者の鑢〉〈石のつるはし(簡易)〉〈石の斧〉 〈鉄の鋸〉 〈鉄のつるはし〉 〈鉄の鑿〉 〈鉄の斧〉 〈粗悪な松明〉




