冒険31km
予想外の敵だったが少ない消費で倒せたのは僥倖だった。
特に自ら木に頭をぶつけて自滅するなんて誰が予想出来ようか。
まぁ、楽に勝てたから良いや。
さて、熊の亡骸からアイテムを剥ぎ取りますか。
手に入ったアイテムは皮、牙、手と前と同じ物だった。
熊の手って意外とレアアイテムじゃ無いのかな?
まぁ、牙以外は俺が使えそうなアイテムも無いので売ってしまう予定だけど。
さて、次はレベルアップしたスキルの確認だね。
スキル<簡易マッピング>のレベルが上がりました。新しい効果<探知範囲増加+5m>を覚えました。
ジョブ<弓使い>のレベルが上がりました。
スキル<弓入門>のレベルが上がりました。
スキル<狩人の眼>のレベルが上がりました。
スキル<発見>のレベルが上がりました。
スキル<隠密行動見習い>のレベルが上がりました。追加効果<静音>を覚えました。
スキル<暗殺見習い>のレベルが上がりました。
おお、やっぱり熊は良い経験値を持ってるな。
<簡易マッピング>はレベルアップのタイミング的に熊と戦う前に書き込んだ時にレベルアップしたのかな?
しかも探知範囲が5m増加したみたいだし、これでクマの時みたいなお見合いをしなくても良さそうだ。
<隠密行動見習い>の<静音>も字面からすると多分俺自身から出る音を小さくしてくれるんだろうな。
そこら辺もしっかり確認してみよう。
<探知範囲 +5m>:目印を自動記入出来る距離が5m伸びる。
<静音>:行動時や攻撃時に出る音や聞こえる距離を少量低下する。(自身には効果無効)
<探知範囲 +5m>はそのままの効果だけど、<静音>はちょっと効果が実感しにくいかもしれない。
なんせ自身には効果が無いみたいだし、少量低下が実際にどの位小さくなるか分からないからな。
なんせ音が鳴る行動や、行動によって鳴る音の大きさ、音の感知基準なんかが分からないと詳しい数字が出て来ないだろうし。
でも、上がって損することはなさそうだから良しとするか。
それじゃあ用事も終わったことだし、探索を再開しましょうかね。
あれから1時間程探索をしているが一向に進展が無い。
時々地図を確認しつつ虱潰しに探索しているが、目印がちょくちょく地図に書き込まれるだけで発見できる敵は狼だけという始末。
そして、その狼達も遠くで発見できる為戦闘になることは無く熊に襲われてからあまり変化が起こらなかった。
周りの景色も木が多めに茂っているだけなので変化に乏しい。
でも狼がいるって事は餌になる草食動物がいるはずなんだけどな。
もしかして、草食動物がいる範囲って狭いのか?
草食動物は基本的に肉食動物のテリトリーからは離れるはずだ。
それで、肉食動物のテリトリーは他のテリトリーと重ならないように張られてるはず。
ということは草食動物は肉食動物のテリトリーの間にいるはず。
そうと決まれば狼達の行動を解析するかな。
なんと言うか、狼達はあっさりと見つかった。
草食獣はあんなに見つからないのに。
まぁ、気にしていても始まらないので狼達に気が付かれないように少し遠めの位置で観察して行く。
地図と狼達の位置を常に照らし合わせある程度進んだら其の位置に点を打つ。
これを一周するまで続けて行く。
そして、其の範囲から大まかなテリトリーの位置を予想する。
と言うのが理想なんだが、どうもこの狼達はランダムな方向に歩いているようにしか見えないのだ。
点を繋げてもまるでミミズがのたくったような意味不明な線になる。
もしかして動物達の行動パターンはランダムに構築されてるのか?
まさかそんな、細かい所までリアルにこだわってる運営がこんな初歩的な所でサボるなんてことは。
あっ、今別の群れとすれ違った。
うん、絶対にランダム行動だこれ。
あ〜、草食動物の手がかりがなくなった。
こうなったら総当りで探すしか無いのか。
はあ〜とため息を一つついた後また草食獣を探しに行くのだった。
見つかったら良いな〜。
昼時になるまで草食動物の姿は見当たらなかった。
しかし、かなりの距離を歩き回ったおかげで<簡易マッピング>のレベルが上がった。
どうもこのスキルは地図に目印を書き込むたびに経験値が入るようだ。
つまり地図を持って歩き回っていれば勝手にスキルのレベルが上がって行くのである。
スキルのレベリングをそこまで気にしなくても良いのは楽で良いな。
俺は昼食を食べるために昔のように木の上でログアウトするのだった。
勿論神に祈ることは忘れない。
使えないとはいえ称号を貰ったのだし。
昼食を食べた後何時ものようにログインする。
ゲーム内では夜になっているが、草食動物の探索は続けてやっていこうと思う。
もしかしたら夜にしか会えない奴がいるかもしれないし。
そんな感じでまた草食動物の探索を再開した。
探索を始めて30分ぐらい経った時、木の上に何かしらが居ることを<狩人の眼>が発見した。
最初は鷹か鷲かと思ったが、<狩人の眼>の<診断>の効果によって出た情報画面の種族名の項目が「???」になっていた為、今まであったことが無い敵のようだ。
新しい鳥類か、狸やハクビシン見たいな小動物かもしれない。
取り敢えず見つかってないから先制攻撃だ。
俺は膝立ちをしながら敵の居るあたりを狙う。
完全に姿が見えているわけでは無いので勘に頼ることにする。
カン!
放たれた矢は敵がいるであろう木の上に飛んでいく。
しかし手応えが無い。
攻撃を外した俺は急いで近くの茂みに隠れる。
ガサッ!
葉をこするような音が聞こえたのは丁度茂みの中に入った時だった。
木から飛び出して来たのは大きな灰色の梟。
風切り音すら出さず滑空する梟は真っ直ぐこちらの方へ向かっていた。
向かって来ているが、其のスピードは鷹よりも遅いため焦らずに狙いを付ける。
カン!
放った矢は真っ直ぐ梟へと飛んで行くが、当たる直前で梟が力強く羽ばたき高度を上げた為体ギリギリを通り外れる。
よけられることは織り込み済みだった俺は準備していた魔法を唱える。
「ウォーターウォール」
梟が攻撃を仕掛ける直前で詠唱が終了し水の壁が目の前に出来上がる。
よける間も無く壁に衝突した梟は地上へと落下する。
此処で魔法を使うのもMPが勿体無いので久しぶりにナイフで止めを刺す事にする。
取り出したナイフを梟の首あたりに添えて切り裂く。
ほぼ無傷だったHPは一瞬でなくなってしまった。
ついでなのでそのまま剥ぎ取りもしてしまう。
<灰色梟の羽>
重量1、レア度3、品質C-
ハイイロフクロウの羽。羽音が響きにくい構造になっている。
<灰色梟の爪>
重量1、レア度3、品質C-
ハイイロフクロウの爪。猛禽類特有の曲がった爪は軽くて物に引っ掛けることに特化している。
アイテムは2つしか剥ぎ取れなかった。
ちょっとしょっぱい。
しかし、新しい羽が手に入ったので新しい矢が作れそうだ。
説明文を読む限り音が出にくくなるのだろうか?
爪の方は湾曲している為、鏃には使えそうも無い。
こいつは売りで良いか。
さて、レベルが上がったのはどれかな?
スキル<弓使い>のレベルが上がりました。新しいアーツ「インパクトショット」を覚えました。
スキル<狩人の眼>のレベルが上がりました。スキルレベルが20になったので上位スキルへと変化します。
<水属性入門>のレベルが上がりました。
スキル<発見>のレベルが上がりました。
スキル<暗殺見習い>のレベルが上がりました。
おお!なんだか分からないけど<狩人の眼>上位スキルに上がるっぽいぞ。
取り敢えず新しく出たダイアログを確認してみる。
<鷹の目>:<狩人の眼>の上位スキル。昼間の視力が中量上昇、夜間の視力が小低下、<診断>の効果がプレイヤーにも有効化。
<夜鷹の目>:<狩人の眼>の上位スキル。夜間の視力が中上昇、昼間の視力が小低下、<診断>の効果がプレイヤーにも有効化。
どうやら新しいスキルは昼間特化か夜間特化かの違いのようだ。
むぅ、これは迷うな。
でも、俺のログインする時はどちらかといえばゲーム内が昼間の時の方が多い気がするので今回は<鷹の目>をとっておこう。
<鷹の目>を習得しました。
さて、今度は新しく手に入ったアーツを確認するかな。
<インパクトショット>:敵に強い衝撃を与える矢を放つ。消費SP15、クールタイム3秒、小確率で麻痺。
とうとう状態異常を与えるアーツが出て来てしまった。
確率が低いみたいだけど麻痺を与えるのは使えるはずだ。
これは強敵と戦う時にお世話になるだろう、絶対。
作業も終えたので、俺は草食動物探索へ戻った
ネーム〈銀狐〉Lv.8
種族 〈エルフ〉
ジョブ〈弓使い Lv.11〉〈労働者 Lv.2〉
ステータス
HP :76/76
MP :34/74
SP :44/44
STR:13
SIZ:10
DEX:30
VIT:7
INT:13
AGI:20
MND:13
LUK:8
LP :0
スキル
〈弓入門 Lv.15〉〈鷹の目〉〈木工見習いLv.7〉〈簡易調理Lv.3〉〈水属性入門Lv.7〉〈風属性入門 Lv.3〉〈発見 Lv.18〉〈隠密行動見習い Lv.10〉〈暗殺見習い Lv.9〉〈簡易マッピング Lv.2〉
武器
メイン:〈樫の弓〉〈石の矢×28〉〈黒熊の矢×1〉
サブ :〈初心者のナイフ〉〈木の銛〉
防具
頭:〈皮の帽子〉
体:〈初心者の革鎧〉
腕:〈初心者のレザーアームガード〉
手:〈鹿の騎射がけ〉
足:〈初心者のレザーグリーブ〉
靴:〈初心者の革靴〉
装飾品
無し
その他
〈初心者の鍋〉〈初心者の鑢〉〈初心者のグリーンポーション〉〈石のつるはし(簡易)〉〈石の斧〉 〈鉄の鋸〉 〈鉄のつるはし〉 〈鉄の鑿〉 〈鉄の斧〉




