冒険29km
なんとか夕食前に拠点に戻ることが出来た。
そこについては良かったのだが、非常に残念なことに鷲を見つけることが出来なかった。
どんな思考ルーチンで森を移動しているのか分からないから仕方が無い。
取り敢えず矢は夕食後に作るとしてさっさとログアウトしてしまおう。
夕食を食べた後、机に必要な素材や道具を並べた俺は矢の製作に入る。
今回は新しく手に入った<黒熊の牙>を鏃に使って矢を一本作ってみようかと思っている。
説明文を読む限り突き刺す武器に特化してるみたいだし、矢も言ってしまえば敵に突き刺さる武器だから問題は無いはずだ。
まぁ、作り方自体は他の矢と変わらないから問題は無いだろう。
そうして出来たのがこれだ。
<熊牙の矢>
重量0、レア度3、品質C
飛距離-40m、威力+20、衝撃+20
銀狐作の矢。鏃に<黒熊の牙>を使用している為、飛距離は落ちるが威力に優れる。
なんと言うか、使い辛い性能だな。
まぁ、近付かれたら直ぐに溶ける俺の最後の悪あがき程度には使えるかもしれない。
衝撃+20が相手にどういった効果をもたらすのか分からないから更に使い辛い。
お守り程度に思っていよう。
さて、あまり良い物ができたとは言えないけど、それは諦めて他の矢も作ってしまおう。
鏃は何時ものように石製だが。
さて矢は素材の関係から12本しか作れなかった。
<熊牙の矢>も合わせて13本、残っているのを合わせて15本。
むぅ、もう少し矢が欲しいな。
消灯まではまだ時間もあるし、其の時間になるまで狩りをやろう。
そうと決まれば早速準備だ。
<迷彩ネット>を羽織って弓と矢を背負い拠点から出た。
ちなみに、矢を13本作ったおかげかは分からないが<木工見習い>と<労働者>のレベルが上がった。
新しい効果を覚えなかったのが残念だが。
拠点の近くに幾つか罠を張り何時ものように木の上で待ち伏せする。
ゲーム内では朝なので鷲も活動を初めているだろう。
後は根気良く待つだけだ。
そういえば罠に使う肉が減ってきたな。
兎や鹿に変わる肉の供給源も見つけないとな。
今のところ拠点の北側には一回も向かったことが無いし、一度そっちの方面も探索して見ないとな。
運が良ければ兎や鹿に変わる何かが見つかるかもしれない。
肉さえ安定供給できれば羽も安定供給できるだろうしね。
よし、明日は矢を追加作成してから北側の探索をしよう。
長々と明日の予定について考えていると、罠に鷲がかかった。
急がず焦らず、弓に矢を番えて良く狙う。
焦って外せば命は無いからね。
カン!
放たれた矢は、狙いたがわず鷲の胴体を貫通して木の幹に突き刺さる。
しまった、これじゃあ回収が面倒臭いじゃ無いか。
自分でやった事だし、愚痴を言っていても仕方が無いのでさっさと回収に向かう。
周りを警戒した後、木を降りる。
罠を張った木まで近付くとさっと木に登って、鷲を回収する。
其の時突き刺さっていた矢も一緒に回収しようとしたが、幹から抜いたら鏃が取れた後消えてしまった。
光の粒子になるのでは無く、まるで煙が拡散するかのようにフワッと消えたので見た瞬間、びっくりしてしまった。
本当に運営は矢を回収させたがらない様だ。
なんだよ、そんなに<弓使い>に恨みがあるのかよ。
そんな事を考えながら新しい肉を仕掛けた後、鷲を剥ぎ取る。
手に入ったのは羽が2つに爪だった。
時間はまだあるし、さっきの木まで戻って狩りを続けることにした。
現実の時間にして大体1時間、ゲーム内時間では2時間たっぷりと狩りを行った結果は、鷲が3匹、鷹2匹だった。
アイテムにすると、鷲の羽が3、石打ち羽が3、爪が2、嘴が1で鷹の羽が2、石打ち羽が2だった。
矢にすれば40本分の成果だが、使った矢の分を除けば35本分なので目標を大きく超えたわけだ。
これだけあれば熊みたいな強い敵に出会わなければ当分先まで持つだろう。
そうなると今回の狩りは大成功だったわけだな。
走り出しそうになるのを堪えながら拠点へと帰って行った。
取り敢えず今日はもう時間なのでログアウトする。
明日は矢を作った後、拠点の北側の探索だ。
ああ、楽しみだな。
ネーム〈銀狐〉Lv.8
種族 〈エルフ〉
ジョブ〈弓使い Lv.10〉〈労働者 Lv.2〉
ステータス
HP :76/76
MP :74/74
SP :44/44
STR:13
SIZ:10
DEX:30
VIT:7
INT:13
AGI:20
MND:13
LUK:8
LP :0
スキル
〈弓入門 Lv.13〉〈狩人の眼 Lv.18〉〈木工見習いLv.6〉〈簡易調理Lv.3〉〈水属性入門Lv.6〉〈風属性入門 Lv.3〉〈発見 Lv.15〉〈隠密行動見習い Lv.9〉〈暗殺見習い Lv.7〉〈簡易マッピング〉
武器
メイン:〈樫の弓〉〈石の矢×9〉〈黒熊の矢×1〉
サブ :〈初心者のナイフ〉〈木の銛〉
防具
頭:〈皮の帽子〉
体:〈初心者の革鎧〉
腕:〈初心者のレザーアームガード〉
手:〈鹿の騎射がけ〉
足:〈初心者のレザーグリーブ〉
靴:〈初心者の革靴〉
装飾品
無し
その他
〈初心者の鍋〉〈初心者の鑢〉〈初心者のグリーンポーション〉〈石のつるはし(簡易)〉〈石の斧〉 〈鉄の鋸〉 〈鉄のつるはし〉 〈鉄の鑿〉 〈鉄の斧〉




