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Free World Frontier  作者: シバケン
北の森・簡易拠点
34/79

冒険26km

久しぶりの狩り回です。


 早速狩りに出かけようと<迷彩ネット>を引っさげて拠点を出たところで、矢の在庫が少なくなっていたのに気がつく。

 魔法でも良いんだが、メインの職業が<弓使い>なので弓をメインに育てたい。

 仕方が無いので一旦拠点に戻る。


 拠点の机の上に素材アイテムを並べてみたが、<石>が足りないことに気が付いた。

 まぁ、いずれ洞窟を整備しないといけなかったし、この機会にやってしまおう。






 買ったつるはしの使い心地はかなり良好だ。

 岩がすぐに砕けるから洞穴の整備が捗る。

 捗り過ぎて4畳半ぐらいの広さだった洞窟の中心部が8畳ぐらいになってしまったぐらいだ。

 正直広げ過ぎたと思う。

 そして、大量の<石>も手に入った。

 当分の間は<石>が切れることは無いだろう。


 さて、材料も揃ったし、矢を作って行きますか。

 羽の数的に後5〜6本ぐらいしか作れないけど。

 俺は<鉄の鑿>と<鉄の玄翁>をもって作業を始めた。






 いやはや、<鉄のつるはし>も良かったが、<鉄の鑿>と<鉄の玄翁>も使い勝手が良かった。

 前は石と石を打ち付けるという石器時代スタイルを取っていた為、石を2倍消費するわ、時間が掛かるわで<石の鏃>は量産性に欠けていた。

 しかし鑿と玄翁を利用することで、生産効率がグッと上がった。

 これなら羽の安定供給さえ出来れば、矢に困ることはなくなるだろう。

 なら、羽を沢山仕入れてきますか。

 俺は<迷彩ネット>を、羽織ると拠点の外へと出掛けて行った。

 一応迷わない様に、紙とペンを持っていこう。

 どうも街から拠点までの地図はまだ地図とはみなされない様で、アイテム名は紙となっている。

 おかげでまだ、マッピング系スキルがあるのかわからない。

 本当にこのゲームはままならない。






 拠点から少し離れた森の中で、何時もの様に罠を張っていた。

 北の森の入り口とは違い木が鬱蒼と茂っているせいで視界が少し悪く、<狩人の眼>がなければ罠をもっと近くに張らないといけなかっただろう。

 ちなみに今回は<迷彩ネット>を羽織った状態で木の上に待機している。

 鷹や鷲に襲われた時に不利になるが、狼に囲まれるよりはマシだろう。


 少し待っていると、木の枝に青色の鳥が止まった。

 森の奥に来てから初めて見る鷹ことショートブルーホークだ。

 こいつなら安心して狩れるな。

 いつも通り、餌に食いついたのを確認してから放つ。


 カン!


 快音を響かせる弓が耳に心地いい。

 鋭く飛んで行った矢は狙いたがわず鷹の頭を貫いた。

 衝撃で死体は木の枝から落下する。

 周りの安全を確認したのち、俺も下に降りて剥ぎ取りを行う。

 今日の調子も悪くは無い様だ。

 剥ぎ取ったアイテムは羽と石打ちだった。

 矢は最低でも10本以上は持っておきたいのでもう少し鳥と遊ぶことにする。






 取り敢えず罠で鷹を2匹、鷲を一匹狩った。

 剥ぎ取りアイテムは羽が3つに石打ちが2つ、嘴が1つ、爪が1つだった。

 流石に3匹も倒すとスキルのレベルも上がった。


 ジョブ<弓使い>のレベルが上がりました。


 スキル<弓入門>のレベルが上がりました。


 スキル<狩人の眼>のレベルが上がりました。新しい効果<望遠>を覚えました。


 スキル<発見>のレベルが上がりました。新しい効果<危機管理:低>を覚えました。


 スキル<隠密行動見習い>のレベルが上がりました。


 スキル<暗殺見習い>のレベルが上がりました。


 てな感じだ。

 今回は二つのスキルで新しい効果が出たらしい。



<望遠>:一時的に遠くの獲物を拡大表示できる。


<危機管理:低>:発見時、一度入手したことのある毒を含む素材を識別できる。



<望遠>は結構使えそうだ。

 特に狙撃する時とか絶対あれば便利だろう。

 でも、<危機管理:低>はちょっと使い辛そうだ。

 発見時識別だから、多分発見した時のマーカーの色が変わるんだろうけど、今の俺は毒を一切使ってないからな。

 まぁ、いずれ使うかもしれないし、あって損は無いだろう。


 さぁ、羽も必要個数集まったし、スキルのレベルも上がった。

 次に行うことは、新たなる獲物を探すことだな。

 インベントリから、紙とペンを取り出して、辺りを散策し出した。

 新しい獲物、見つかると良いな。






 周辺のマッピングをしている(目立つ岩や木などを紙に書き込んでいるだけ)と、何やら怒号の様な声が微かに聞こえて来た。

 近くで誰かが戦闘をしてるのかな?

 そういえば俺はまだ、他のプレイヤーの戦闘を見たことが無かったな。

 少しだけ興味を惹かれたので声のする方へと歩いて行った。






 声のする方へそれなりの時間歩くと、戦っているプレイヤーらしき姿を目視できた。

 森の中にある開けた所に5人のプレイヤーと、7匹の狼と黒色の熊らしき生物が2匹戦闘していた。

 戦闘開始からそれ程時間が経っていないのか、周りに死骸などはなくプレイヤーたちも熊たちも元気良く戦っていた。

 横から手を出すのも無粋かなと思った俺は手頃な場所にある木に登って観戦することにした。

 いずれ訪れるであろうパーティでの戦いを学ぶ為だ。


 プレイヤーの構成は剣士が2人、槍使いが1人、魔法使いらしきプレイヤーが2人の構成であった。

 バランスの良さそうなパーティだな。

 さて、どう戦うのかな?


 まず最初に動き出したのは7匹の狼だ。

 熊のほうはまるでボスのようにその場を動いていない。

 そんな熊を狼たちは気にせず、プレイヤー達を囲む様に動き出す。

 囲まれたら後衛職の2人がきつそうだな。

 お!後衛の1人が魔法で外側の一体を吹き飛ばした。

 エフェクトから火属性かな?

 狼達が動揺した時を狙って槍使いが反対側の一匹を突き刺す。

 さらにその隣を剣士の1人が斬りつける。

 しかし、狼達は一撃では死なず、警戒して距離をとる。

 どうやらこれが狙いだった様だ。

 これで仕切り直しになったわけか。


 次に動いたのは魔法使いらしい後衛職だ。

 発動した魔法は直径5mの範囲を焼き尽くす。

 どうやら範囲魔法らしい。

 こんな所で撃ったら火事になるだろうと思ったが、周りの木に燃え移る様子はない。

 流石ゲームだ、都合が良すぎる。

 左側の熊を中心に、熊2体、狼4体を巻き込んだ。

 熊のHPは両方とも緑のままだが、狼の1匹が焼け死に、もう二匹もHPがオレンジになっている。

 プレイヤー側が有利になったかと思ったその時、2匹の熊が同時に咆哮をあげた。

 咆哮を聞いた瞬間、離れている俺まで体が強張るのを感じた。

 あ、これはヤバイな。

 見るとプレイヤー全員は身体を強張らせ動き出せないのに対して、狼と熊は万全の体制だ。

 しかも、こんな隙を逃すはずなく狼と熊がプレイヤーに向かって走り出す。


 助けようと咄嗟に弓を構えるが、共闘ペナルティを思い出し躊躇う。

 共闘ペナルティは、通常MOBに対して複数のパーティが戦闘を行った場合、そのパーティ全体に経験値半減、ステータスの一時減少、ドロップアイテムの没収等のペナルティが科せられるという物だ。

 下手に手を貸すよりも、ここで見ていた方が賢い選択かもしれない。


 そう考えているうちに、狼がプレイヤーに襲いかかる。

 前衛職はギリギリで硬直が解けたのか、手に持った盾や武器で何とか狼の攻撃を防げたが、後衛職はまともに喰らってしまった。

<狩人の眼>はプレイヤーに対しては無効な様で大まかなHPですら分からないが、相当効いたらしくげほげほと咳き込んでいる。

 さらに狼が追撃をしようとした時、盾を持ったプレイヤーが盾を打ち鳴らしながら叫んだ。

 すると狼達は他のプレイヤーを攻撃するのを止め、盾を打ち鳴らしたプレイヤーを狙い始めた。

 これは所謂ヘイトを集めるアーツなのだろう。

 狼達は我先にと盾を持ったプレイヤーに襲いかかる。

 それをなんとか盾を使って受け流すプレイヤー。

 それを援護する為駆けつける他の前衛職プレイヤー。

 まさに乱戦と言った戦いになってしまった。

 その間にダメージから立ち直った後衛職の1人が、魔法使いに向かって何やら魔法を掛けている。

 どうやら彼女はヒーラーの様だ。

 そして、魔法使いがなんとか立ち上がったのを見届けると、何やらアイテムを仕掛け出した。

<狩人の眼>の<望遠>機能を使うと(説明では獲物とか書いてあったが、別に獲物以外でも視界に入っていればOKの様だ)なにやら打ち上げ花火の様なアイテムだった。

 仕掛け終わると、謎のアイテムは火を付けてないのに打ち上がり、ある程度上がると破裂して赤い煙を撒き散らす。


 ポン!

 近くで救援信号が打ち上がりました。


 ポン!

 救援を行ったパーティの近くにいます。救助を行う場合、共闘ペナルティ無しで共闘できます。

 救援をしますか? Y/N


 いきなりダイアログが表示されたかと思ったら、救援するか問われた。

 プレイヤーの様子を見ると、狼に加え熊まで参加して瓦解するのは時間の問題の様だった。

 熊の一撃は凄まじく、盾に当たったはずなのに、プレイヤーを軽々と吹き飛ばしている。

 あーもう、ここでNOを選べない俺はどこまでお人好しなんだか!

 俺はダイアログのYESのボタンを押していた。


 ポン!

 救援を選択しました。素早く救援に向かってください。


 俺は弓を構え直すと、熊の頭に狙いを付けた。、

ネーム〈銀狐〉Lv.7

 種族 〈エルフ〉

 ジョブ〈弓使い Lv.9〉〈労働者 Lv.1〉

 ステータス

 HP :76/76

 MP :74/74

 SP :44/44

 STR:13

 SIZ:10

 DEX:29

 VIT:7

 INT:13

 AGI:18

 MND:13

 LUK:8

 LP :0

 スキル

〈弓入門 Lv.11〉〈狩人の眼 Lv.16〉〈木工見習いLv.5〉〈簡易調理Lv.3〉〈水属性入門Lv.5〉〈風属性入門 Lv.3〉〈発見 Lv.13〉〈隠密行動見習い Lv.6〉〈暗殺見習い Lv.4〉

武器

 メイン:〈樫の弓〉〈石の矢×4〉〈鹿角の矢×5〉

 サブ :〈初心者のナイフ〉〈木の銛〉

 防具

 頭:〈皮の帽子〉

 体:〈初心者の革鎧〉

 腕:〈初心者のレザーアームガード〉

 手:〈鹿の騎射がけ〉

 足:〈初心者のレザーグリーブ〉

 靴:〈初心者の革靴〉

 装飾品

 無し

 その他

 〈初心者の鍋〉〈初心者の鑢〉〈初心者のグリーンポーション〉〈石のつるはし(簡易)〉〈石の斧〉 〈鉄の鋸〉 〈鉄のつるはし〉 〈鉄の鑿〉 〈鉄の斧〉

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