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Free World Frontier  作者: シバケン
閑話その1
30/79

とある前衛職の話

一般的プレイヤーの初日を書いてみました。


殆ど完成の所で書いていた話が全部消えてしまったorz


次回は本編の予定です。

「おお!ここがFWFの世界か!」


 過去に3作品のVRゲームをプレイしてきても、新しいゲームを始めた時の感動は無くならない物なんだなとしみじみ感じる。

 今日がFWFのサービス開始の日で、さらに大型連休の初日なのでテンションもうなぎ登りだ。

 さらに、今まで斥候職しかやってこなかった俺が、このゲームでは初めてタンク職をやるのでもうテンションはMAXだ。

 とはいっても、今のジョブは<剣士>でタンクといった感じではない。

 タンク系のジョブは<剣士>がランクアップした時に出るらしいのでそれを楽しみにしていよう。

 さて、テンションも良い感じに下がったので、さっそく装備を整えよう。

 せっかく<盾入門>を取ったのに盾が無いのでは意味が無いし。






 村の雑貨屋で<初心者の盾>を買ってきた。

 少しぼったくりでは無いかと思ったが、まぁこれから稼げば良いし、気にしない、気にしない。

 それでは早速、この<初心者の片手剣>を試しに行きますか。

 俺は盾を手に入れて上がったテンションのまま適当な森へと向かった。






 俺は森の中で剣のサビとなる獲物を探している。

 前やってたゲームでは森に入った途端、狼などの敵に襲われたんだけどな、とか考えながら歩き回る。

 それと比べればこのゲームの方が初心者に優しいとは思う。

 でも、なかなか獲物や敵が見つからないのは面倒だな。

 俺はくだらないことを考えながら奥へと進んで行った。

 その余裕が無くなることも知らずに。







「なんで何もいないんだよ!」


 30分も歩き回っても何も見つからないのに業を煮やして叫んでいた。

 誰だよ、初心者に優しいとか言ったやつ。

 優しくねぇよ、場合によっては探索諦めるぞ!

 イライラしつつも探索は続ける。

 こうなってはヤケだ。

 はー、はー、と荒い息をしながら歩く。

 ふと、視界の端に怪しい物を捉えた。

 気になってその方向を向くと、少し遠くに鹿らしき姿が見えた。

 つい走り出しそうになる気持ちを宥めつつ、慎重に近付いて行く。

 ここで逃したりしたら目も当てられない。

 ある程度近付くと、鹿が草を食べている事がわかった。

 これは好都合だ。

 さて、ここからどう狩ろう。

 いつもなら走って奇襲を仕掛けるところだが、今回はタンク職ということでAGIではなくSTRとSIZを主に上げている。

 そのため走る速度がかなり遅い。

 そうなると走って奇襲を仕掛けるのは無理だ。

 なら、さらに近付いて探索中に拾った石を投げて鹿を怯ませ、その間に接近して斬りつける。

 この方法が一番だろう。

 しかも、<投擲入門>を取ってあるからなおさらいけるはずだ。

 見つからないように慎重に近付くと、インベントリから出した石を力いっぱい投げつける。


 ヒュン!


 飛んで行った石は鹿の頭上を飛び越えて、近くの草むらへ落ちる。

 え!?

<投擲入門>を持ってるのに外れた!?

 俺は慌てて鹿に向かって走り出す。

 鹿の方は音のした方、つまり俺のいる方とは逆側を向いていたためか、俺の接近に気がつかなかった。

 そして、鹿が俺に気が付いたのは剣の間合いにどっぷり入った時だった。


「オオオオオ!!」


 俺は大声とともに剣でおもいっきり斬りつける。

 鹿は逃げようとするが、気付くのが遅れたため俺の振った剣が胴体に直撃し、地面に叩きつけられる。

 俺は振り切った剣をそのまま鹿に向かって振り上げる。

 剣の切れ味が悪かったのか鹿の腹の皮を切り裂くことはなく、鈍器のようにめり込んだ剣はほんの少しだけ鹿の体を浮かす。

 鹿はその一撃で絶命したのかピクリとも動かなかった。

 いろいろと思うところはあったけど、今は剥ぎ取って次の獲物を探そう。






 次の獲物は意外と簡単に見つかった。

 さっきの苦労は何だったのかと聞きたい所だが、まぁいい。

 今度の鹿は移動中だったので、さっきよりも遠くから石を投げつける。

 ヒュン!

 投げつけた石は、鹿の胴のど真ん中に命中する。

 俺はそれを確認した瞬間走り出す。

 しかし、鹿の方は石が当たったのにも関わらず鹿は怯むどころか、こちらを向き左後ろ足で二回地面を蹴ってから突進して来た。

 俺は冷静に盾を持った右手(俺は左利き)を

 前に出し、鹿の突進をいなそうとする。

 しかし、体が思うように動かず、真っ正面から鹿の突進を受けてしまう。

 鹿の突進が盾に当たった事や、STRとSIZを上げていた事があってか、吹き飛ばされるようなことはなく、体勢を崩すだけで済んだ。

 慌てて鹿の方を見ると、あちらも体勢を崩しているようだ。

 なんとか鹿より先に体勢を立て直して、鹿に斬りかかり倒す。

 ちょこっと危なかったが、なんとか倒せた。


 剥ぎ取りをしながら、このゲームについて少し考える。

 このゲームは、今までやってきたゲームと比べると、プレイヤーに対してのアシストがかなり少ない気がする。

 前のゲームで出来たことが出来ないのだから多分正しいのだろう。

 そうなると、このままソロで活動していてはマズイと結論づけるしかない。

 俺は剥ぎ取りを終えると急いで村に戻ることにした。

 狙いは無論パーティーを探すためだ。






 パーティーは結構あっさり見つかった。

 村の広場に戻ったら多くのプレイヤーがパーティーを探していたのだ。

 集まったパーティーは俺を含めて、剣士2人、槍使い1人、魔法使い1人、ヒーラー1人の合計5人でバランスのいい構成となった。

 そして、全員βテスターではなかった。

 居た方が有利に進めるのだろうけど、まぁ、βテスターには決まったパーティーがもういるのだろう。

 今はそのパーティーで親睦を深めるために、宿屋の一階にあるという食堂に向かった。



 食堂に着いた俺たちは、店主に食事を注文(メニューは無かった)すると、適当なテーブル席に着く。

 席に着くと、早速自己紹介が始まった。


 自己紹介が終わった頃、お待ちかねの料理がきた。

 メニューは、黒色をしたとても硬そうなパンと、色の薄い豆入りのスープ、最後に焼いた何かの肉であった。

 見た目はあれだが、味は美味しいかもしれないので、早速食べて見ることにする。

 まずは主食であろう黒いパンから。

 一口かじ、かじ、かじれなかった。

 どうも相当硬く焼いてあるようで、とてもじゃないが噛みきれるような代物ではない。

 これは後でスープに浸して食べよう。

 次は色の薄いスープだ。

 一口飲んでみたのだが、薄すぎてあまり味がしない。

 飲めない訳では無いのだが物足りない。

 では、パンを浸して食べてみよう。

 パンをスープに入れて染み込むのを待つ。

 その間に、肉を食べてみる。

 肉は少し硬いのだが、噛みきれない程でもなく、少し筋が目立つだけだ。

 味は何も着いていないようで、肉の旨味もあまり感じない。

 他の物に比べればかなりマシなので食は進む。

 肉を食べ終わった頃、スープに入れたパンを見ると、かなりスープを吸ったのか、見た目柔らかそうに見える。

 食べようとすると形が崩れ、まるでおかゆの様になってしまった。

 まぁ良いかとそのまま食べると、さっきは無かった酸味を感じる。

 どうやらパンは酸味の強い味の様だ。



 微妙な味の料理を食べ終わると、俺たちは真剣に誰が<簡易調理>を取るか話し合いを始めた。


料理の味についてですが、料理の味は調理系ジョブの有無、調理系スキルの有無、DEXの値で大きく変化します。

重要度としては


ジョブ>DEX>スキル


です。

食堂のNPCはジョブ<村人>で、さらにDEXが低いため味が悪いです。

同じ理由で、DEXが高めな銀狐の料理はそれなりに味が良いです。

他にも、彼の現実の食生活があの感想に結びついてます。

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