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Free World Frontier  作者: シバケン
パリィの村
27/79

冒険22km

銀狐に仲間ができるかも?


予約投稿の時間を間違えていましたすいません

 昼食を食べた後、すぐにログインをした。

 VCを送ると、いつも俺が食事をしていた焚き火にいるらしい。

 会わせたい人がいるとか何とか。

 よく分からなかったが、とりあえず向かうことにした。




 焚き火の近くに到着したら、スミスと一緒に見慣れない男の子が座っていた。

 この子がたぶんスミスの言っていた会わせたい子なんだろう。

 とりあえず向こうは話に夢中でこちらに気が付いていないようなので、仕方なくこちらから話しかける。


「そいつが会わせたい奴なのか?」


 いきなり声をかけたせいか、男の子が体全体がビクッ!とはねた。

 スミスの方はいつもと変わらない、どうやら俺に気が付いていたようだ。

 気が付いていたのなら声をかけろよとか思ったが、声には出さなかった。


「ええそうですよ、彼はリュイといってあなたと同じ<弓使い>の子です。」


 スミスにリュイと紹介された子はぺこりとお辞儀をした。

 彼は見た感じだとスミスと同じヒューマンだろう。

 特徴をなるべく目立たないようにキャラエディットの時に小さくしているだけかもしれないけど。


「彼の話を聞いてアドバイスをしてあげて欲しいんだ。」


 スミスがそんな事を言う。

 こいつがそんな事を言うのは珍しい気がする。

 でもな~メリットがないんだよな。


「俺にはなんのメリットが?」


 俺の言葉にリュイがなんだかしょぼんとした感じになる。

 少し良心が痛む気がするが仕方がない。


「利益ですか。そうですね私の店から好きなものをいくつかでどうですか?」


 商品をいくつかか。

 あそこは意外と品質のいいものがそろってるし、それで手を打つのもありかな?


「じゃあ10個で手を打とう。」


「それは多すぎでしょう4個が普通だと思いますが?」


「あいにくと俺は普通じゃないプレイスタイルだからな、9個だ」


「そういえばそうでしたね。なら6個でどうですか?」


「少ない、7個と半額5個」


「だったら、6個と半額3個」


「いや7個と半額2つ、それに無料修理5回」


「6個と半額5個、無料修理3回」


「6個と半額7個、無料修理4回」


「それでいいでしょう。商品6個と半額7個、無料修理4回でいいです。」


「ああ、今回の報酬は商品6個と半額7個、無料修理4回だな、忘れるなよ。」


 スミスの方は少し引きつったような顔をしている。

 ふふふ、残念だけどこれで終わりじゃないんだよな。

 さっきの情報の報酬もらってないし。

 それと、さっきの会話のせいかリュイが泣きそうになってるんだが。


「さて、話もまとまったし。さあ、リュイ話してくれ。」


 俺が促すとリュイは少しどもりながらも話し始めた。


「僕のことを話す前に、お礼を言わせてください。あなたは銀狐さんは覚えていないかもしれませんけど、4日前にここでご飯をもらったものです。あの時は空腹度が赤くなってたのに食べ物を持ってなかったんです。本当にありがとうございました。」


 一瞬何のことだか良く分からなかったが、何時かここで俺のことをジッと見ていた奴だったのか。

 てか、俺のことじゃなくて焼いていた串肉を見ていたのか。


「気にするな。てか食べ物を持ってなかったってどういうことだ?敵を倒せば食べ物は手に入るはずだし、倒せなくても店で買えば何とかなるじゃないか。」


 俺がそういうと、リュイは少し目をそらした。


「そこら辺は、彼の話を聞けば分かりますよ。」


 スミスが珍しく真顔で話しかけてきた。

 こいつの表情は作り笑いと驚いた顔と呆れ顔ぐらいしか見たことないからな。

 正直真面目な顔が出来るとは知らなかった。


「それじゃあ早速始めてくれ」


 リュイは頷くとポツリポツリと語り出した。






 彼はこのFWFが始めてのVRゲームだったようだ。

 サービス開始の日には用事があってプレイできなかったようで、始めたのは次の日からだったようだ。

 そして彼のメインジョブは<弓使い>、旧世代機(TVゲーム等)では弓をよく使っていたリュイは迷うことなく弓が使えるジョブを選んだのだ。


 この時は誰かさんと同じで、攻略wiki等を見るのは無粋と考えていたそうだ。


 ある程度VRでの行動になれた後、プレイヤーが多く向かっていた南の森へ意気揚々と向かったそうだ。

 その結果は散々だったようで、ウサギを狙うとすべて外れ、鹿には接近されて死に掛けるといった事が何度もあって村に逃げ帰ってきたようだ。

 そして、これまた俺と同じようにパーティーを探したようだ。

 まぁ、案の定パーティーは見つからなかったようだ。

 ここまではどっかの誰かさんとまったく同じような境遇に陥ってるようだ。

 なんとなくだけど<弓使い>を選んだ奴はこういう道を歩むことになるようだ。

 それでその後なんだが、何度も何度も森に向かっては死に戻ってたらしい。

 獲物を歩いて探し、見つけたらすぐさま弓を撃つようにしているのだけど一向に当たらなかったようだ。

 その日は弓を使いこなせるようにはならず、泣く泣く村で落ちたようだ。

 矢を村の雑貨屋で遂次購入したり、死に戻りすぎたりでお金がなかったから野宿だったようだ。


 そして次の日、満腹メーター不足で死に掛けたということらしい。

 そのとき俺を偶然見つけて串肉をじっと見ていたということか。

 串肉をもらってからはまた同じように死に戻る生活を続けていたらしい。

 だが、徐々に矢が当たるようになったらしく、最近は何とかウサギぐらいなら狩れるようになったようだ。






「というのが今日までの僕の活動です」


 それなりに長い話だったので話を聞きながらも串焼きを作っていた。

 仕方ないよね空腹メーターが減っていたから。


「まぁ、これが普通の<弓使い>だよ。これで君がどれだけ逸脱してるか分かっただろ?」


 どうやら俺は通常からかなり逸脱した存在らしい。

 今のところ何とか死に戻っていないしね。


「それで、彼に何かアドバイスできそう?」


 スミスの言葉にリュイがこちらをちらちら見てくる。

 俺自体もそこまで<弓使い>を使いこなしたわけじゃないからしっかりとしたアドバイスは出来ないと思うけど。


「とりあえず気になったのは、正面から堂々と戦うのはそういうプレイスタイルなのか?」


 彼の戦い方は堂々と姿を見せながら戦ってたのが少し気になっていた。

<弓使い>はその武器の特性上接近されたら戦えないから不意打ちや闇討ちで近づかれる前に倒さないとキツイ。


「いえ、そんなプレイングスタイルをしているわけじゃないですよ。」


 手を振りながら否定してくる。

 どうも見た目通りの幼さを感じてしまう。

 狙っているならかなりあざとい感じだ。

 さすがにそれは無いと思いたい。


「それなら、敵に姿を見せないようにしてみたらどうだい?<弓使い>は接近戦に弱いし、気が付かれていなければそれだけ矢も当たりやすくなるだろう。どうだい?」


 俺の言葉にリュイは何かを考えているようだ。

 まぁ、俺はこれ以上良いプレイングスタイルを知らないし。


「そうですね、次の機会に試してみます。」


 どうやらお気に召したようだ。

 まぁ、正々堂々だけが戦いではないことを分かってるのかもな。


「あと、<簡易料理>のスキルを持ってるかい?あれがあればかなり遠征が楽になるぞ。食事代もかなり浮くし。」


 ぼそりと「そんな長期遠征をするのはあなただけですよ」とスミスの方から聞こえてきた気がした。

 とりあえずスミスを睨んでおくことにする。


「いえ、持って無いですね。食費が浮くのはうれしいので次にレベルアップしたら取ってみますね。」


 まぁ、これ以上俺から言うことも無いし、これで俺への依頼も終わりでいいだろう。

 とりあえず串焼きをリュイに進める。

 スミスも食べてるみたいだが、後で料金請求をしよう。

 こいつは露天で儲けてるしな。


「あの、少しお願いがあるんですけど。」


 リュイがおどおどしながら話しかけてきた。

 お願いね~。


「なんだい?」


「ぼ、僕とパーティーを組んでもらえませんか?」


 なんとなく予想が付いたんだけどどうするかね。

 この後は北の森で楽しい楽しい狩りの時間を楽しみたいんだが、彼がいると流石に向こうではキツすぎるだろう。

 それならば。


「悪いけどパーティーは組めない。」


 俺がそういうと、リュイは少しがっかりした顔をした。

 また罪悪感が募る。


「まぁ、パーティーは組めないけどフレンドにはなれるし、VCでいつでも相談に乗ってやる。代わりといってはなんだがどうだ?」


 そういうと彼はうれしそうな顔をした。

 どうも感情が顔に出るタイプみたいだ。


「それでも大丈夫です。これからよろしくお願いします。」


 二人でフレンド登録とVCIDを交換した。

 スミスとはフレンド登録をしないのかって?

 あいつはビジネスパートナーであってフレンドという感じでは無いからパスだ。


「それじゃあスミス、お前の店で色々と報酬をもらうぞ。」


 これ以外の報酬も一緒にな。


「良いですよ。面倒なのでここで露天を開かせてもらいますが良いですか?」


 別に露天を開いても困ることは無いのでOKを出しておいた。

 さて、搾り取れるだけ搾り取りますか。

ネーム〈銀狐〉Lv.6

 種族 〈エルフ〉

 ジョブ〈弓使い Lv.8〉〈労働者 Lv.1〉

 ステータス

 HP :68/72

 MP :69/74

 SP :39/44

 STR:13

 SIZ:9

 DEX:28

 VIT:7

 INT:13

 AGI:16

 MND:13

 LUK:8

 LP :0

 スキル

〈弓入門 Lv.10〉〈狩人の眼 Lv.14〉〈木工見習いLv.5〉〈簡易調理Lv.3〉〈水属性入門Lv.5〉〈風属性入門〉〈発見 Lv.11〉〈隠密行動見習い Lv.5〉〈暗殺見習い Lv.3〉

武器

 メイン:〈樫の弓〉〈石の矢×2〉〈鹿角の矢×5〉

 サブ :〈初心者のナイフ〉〈木の銛〉

 防具

 頭:〈無し〉

 体:〈初心者の革鎧〉

 腕:〈初心者のレザーアームガード〉

 手:〈鹿の騎射がけ〉

 足:〈初心者のレザーグリーブ〉

 靴:〈初心者の革靴〉

 装飾品

 無し

 その他

 〈初心者の鍋〉〈初心者の鑢〉〈初心者のグリーンポーション〉〈石のつるはし(簡易)〉〈石の斧〉

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― 新着の感想 ―
搾り取れるやつには容赦はなしこれ当然ですわな
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