冒険9km
執筆が間に合わなくて申し訳ありません。
「鑑定おわったよ~」
店主の間延びした声が聞こえた。
俺は今まで見ていたナイフを元の場所に戻すと、顔を上げる。
「いくらぐらいになりました?」
数千Gぐらいになればいいなとか思いつつ、鑑定結果を聞いてみる。
「そうだね、大体2万5千Gぐらいだね。」
ふ~ん2万5千Gか。
2万5千G!?
2千5百Gじゃなくて?桁を一つ間違えてないかな?多い的な意味で。
「あの、数え間違えたんじゃないですか?そんなにするようには見えませんが。」
「いやいや、妥当な値段だよ。例えばこの飾り羽は、レアに近い通常ドロップだから一番値段が高くて1万G、色をつけて1万2千ってとこ。他にも鹿の皮は防具での需要が多い割りに警戒心が強くて狩りにくいせいで皮が足りないからこれも高くて、全部合わせて9千G、色をつけて1万G。その他諸々で合計2万5千Gってわけさ」
それって向こうは儲けが出るのか?
聞く分だとこっちが有利過ぎないだろうか。
「なんで僕がこんなことをするのか気になってるね。簡単なことだよ。君にそれだけの価値を見出したのさ。ブルーショートホークをソロで狩れるプレイヤーなんて滅多にいない。特に弓使いならね。所謂、先行投資ってやつさ。どう?納得行った?」
俺は熱弁する彼に飲まれて頷いてしまう。
「君も納得してくれたし、これが買取の代金。弓はもう作っておくから頑張って稼いできてね。」
なんだが達の悪い押し付け商売に引っかかった気がするが、あまり気のせいではないだろう。
まぁ、悪い人ではなさそうだし良いか。
さて、やるべき事も予想外の事態で全部終わっちゃったわけだし、狩りに行こうかな。
あ、その前に矢を補充しないと。後4本しかないとか結構笑えない。
取り敢えず残ってる4本分を作ってしまおう。
そうしたら、気は進まないけど鷹狩りに行かないと。
前回の制作で結構コツを掴んでいたため前と比べて結構早く作れたと感じる。
実際に早くなったのかはよく分からないけど。品質は全く変わらなかった。
安定した品質に喜べばいいのか、いいものができないことに嘆けばいいのか良くわからない状態だ。
そして、石打羽を使った矢だけなぜか違うものになった。
<石の矢>
重量0、レア度3、品質C-
飛距離+15%、威力+10%、耐久性+20%
銀狐作の矢。石の鏃を利用しているため飛距離に優れる。石打を使用したことにより性能が上がっている。
どうやら石打羽は矢の性能を上げる効果があるみたいだ。
今は素材の数的に1本しか作れていないが、なるべく増やして生きたいね。
そのためには安定して鷹を狩れるようにならないと
矢が完成したので北の森に来ています。
鷹狩りの目途は立っていないのだが、とりあえず鷹を探している状態です。
ほんと、どうすれば簡単に狩れるかね?
参考は一番最初に狩ったときぐらいしかないけど、あれは偶然えさに夢中になってから。
そうか、餌か。
木の枝にでも肉を刺しておけばもしかしたらあの時の再現ができるかもしれない。
この際時間がかかってもいいから羽の材料がほしい。特に石打羽。
思い立ったら吉日とも言うし、さっそく木に登って狙いやすそうな枝に肉を刺そう。
とりあえず、近くの木に登って、枝にウサギの肉を刺す。
これが成功すれば、楽に羽が手に入って後の冒険が楽になりそうだ。
そう思いながら、近くの草むらで息を潜める。
願わくば、なるべく早く食いついてくれればいいが。
罠を仕掛けてから15分ぐらいが経過した。
残念なことにまだ罠にかかった鷹はいない。
警戒しているのか、数が少ないのかは分からないが、あの青い姿が一切見えない。
まぁ、罠なんだしそう簡単にかかるものでもないと自分自身を励ます。
もう少しがんばってみよう。
さらにあれから10分ほどが経過したとき、念願の青い鷹が枝に舞い降りた。
待ちに待ったときだが、あせってはいけない。
これで取り逃がしたときにはこれまでの25分間が水の泡になってしまう。
鷹のほうは、なぜここに肉があるのかとでも言うように周りをキョロキョロ見渡している。
矢を射る瞬間は、鷹が肉を食べるのに集中したとき。
肉は枝から抜けにくいように枝のほうに返しをつけておいたから時間稼ぎぐらいはできるだろう。
さあ、早く肉を食おうとするんだ!
俺の願いが天に通じたかは分からないが、鷹が警戒するのをやめて、肉を食べようとついばんだ。
今だ、なるべく静かにそして素早く矢を弓にかけると目一杯弓を引き絞る。
鷹は肉を枝からはずすのに夢中で気がついていない。
ペンッ!
狙いたがわず飛んでいった矢は鷹のど真ん中を射抜く。
上がったSTRと矢のおかげか、一撃で鷹は沈んだ。
視界の端に新規アナウンスのアイコンが表示された。
そんなことよりも今は念願の剥ぎ取りタイムだ。
ナイフを鷹に突き立てる。
成果は通常の羽だけだった。
まぁ、毎回毎回石打羽が出るわけがないか。
さて、さっきから控えめな自己主張をしているアイコンを開きますか。
ジョブ<弓使い>がレベルアップしました。
スキル<弓入門>がレベルアップしました。新しいアーツ<ダブルショット>を覚えました。
スキル<狩人の眼>がレベルアップしました。
スキル<発見>がレベルアップしました。
どうやら、新しいアーツを手に入れたようだ。
てか、今まで一度もアーツなんて使ったことないな。
いずれ使うかもしれないし後で使っておこう。
今は新しいアーツの確認だな。
<ダブルショット>:矢を2本同時に放つことができるが、命中率が下がる。待機時間5秒。
いわゆる曲芸撃ちをするアーツか。
今は一撃必中が心情だし、ボスとかが出るまで使いそうにないな。
それよりも今は狩りに集中しよう。
まだまだ羽は足りないのだから。
ネーム〈銀狐〉Lv.3
種族 〈エルフ〉
ジョブ〈弓使い Lv.4〉
ステータス
HP :60/66
MP :40/70
SP :34/38
STR:12
SIZ:7
DEX:20
VIT:7
INT:12
AGI:14
MND:12
LUK:6
LP :0
スキル
〈弓入門 Lv.5〉〈狩人の眼 Lv.7〉〈木工見習いLv.2〉〈簡易調理Lv.1〉〈水属性入門Lv.2〉〈発見 Lv.4〉
武器
メイン:<初心者の弓><石の矢×8>
サブ :<初心者のナイフ>
防具
頭:<無し>
体:<初心者の革鎧>
腕:<初心者のレザーアームガード>
手:<無し>
足:<初心者のレザーグリーブ>
靴:<初心者の革靴>
装飾品
無し
その他
〈初心者の鍋〉〈初心者の鑢〉〈初心者のグリーンポーション〉




