死せるピンクブロンドの男爵令嬢、裏切り者を殺す話
え~、動機?いや、真剣でしたよ。
王太子殿下にして即位されたルードリッヒ陛下
宰相の子息オルグ、女神教会のエリート、エレファン、近衛騎士団長の息子、アロン、
公爵令息ビリーガン
皆真剣にお付き合いしましたよ。
ほら、女にとって男はアクセサリーみたいなものです。
ええ、いたって真剣にお付き合いしました。
「・・・淫売か!母親と同じだな」
「ええ、そうです。母は生きるために、私を育てるために娼館で働いていました。誇りです」
男爵家で働いていたお母様は男爵の手がつき妊娠、そして、屋敷を放逐されました。
この女神教の世界は私生児を産んだ女に厳しいです。
瞬く間に娼館に行き着きました。
「なら、何で訴訟を起さなかった!」
「おじさん馬鹿ですか・・・」
バシ!ピンクブロンドの少女は蹴られ後ろにのけぞった。
「・・兵団長、話を聞きましょう」
「・・・うむ」
「・・ハハ、そんなの貴族に良いようになるしかないじゃないですか?お母様は何回も貴族院に訴えましたが、後見人がいません。ずーと、ほっとかれたのですよ」
それから病気になって、コジキですよ。コジキ。
コジキの生活は悲惨ですよ。
「だから、それも救貧院があるだろが!」
「はあ、救いようのない馬鹿だ」
救貧院の寝床知っています?ロープですよ。ロープを張りよかかってたったまま寝るのですよ。男女混在。
食事は残飯、コジキと同じですよ。まだコジキだったらお恵みがあって良い生活が出来るのですよ。
孤児院も同じ・・・ムチを持った先生です。
お母様が亡くなった後。私は孤児院に引き取られ。そこで、父はフォーク男爵家って言ったら、すぐに引き取られました。女の子が必要だったのと。
ほら、私、可愛いから・・
「そのフォーク男爵家もお前のせいで断絶だな。恩知らずめ!」
「それの何がいけないのですか?」
だって、引き取った理由も私を高級娼婦か、政略の贈り物にしようとしたのですよ。
父が実の娘を伽に差し出す。
これが貴族社会の闇っていったら言い過ぎでかね。
私は15歳で処女を高齢の貴族に差し出せと言われたのですよ。
なら、せめて貴族学園で後ろ盾を得ようとして・・・
「それで殿下に近づいたのか?」
「ええ、きっかけはね」
殿下は、それはそれは純粋な馬鹿、側近達もそうでした。
私の話を聞いてくれて、父から守るために寵愛を授けるふりをして下さいました。
おかげで処女は守れました。
「マリシア公爵令嬢がそれで追放されたのだぞ!お可哀想だと思わないのか?」
「お気の毒だとは思いますけどね・・・」
改革の邪魔だったのです。
ええ、隣国に赴きカフェで賃仕事、隣国の殿下に見初められて・・・
「クククククッ!馬鹿?馬鹿、あ~お可哀想!お腹いたい・・ククク、まあ、お姫様には苦労したかもですね・・」
「殿下と側近候補は皆、戦死したぞ。貴様はそれすらも何も思わないのか?恩を感じないのか?」
「貴族ですもの。改革に命をかけて下さいました。
オルグが司法改革、エレファンが私生児に優しく教義解釈、ビリーガンが公爵を継ぎ貴族のけん制。
アロンが軍部を掌握、そして、ルードリッヒ陛下は統括・・と」
「フン、言い方しだいだな」
「私も行きますから・・それに兵団長殿は、陛下直轄の兵団では、恩は?お前が殺したのでは?」
「マリシア様も・・王族の血を引いておられるわ!」
「団長、抑えて、もう、良いでしょう。言いたいことはあるか?」
ピンクブロンドの少女は天を仰ぎ。
大声で言った。
【革命未だならず!努力せよ!同志達!我の乱は陳勝呉広にすぎない!】
バシュ!
団長は剣を取り。水平に剣を振りピンクブロンドの首を斬った。
「兵団長!正式な裁判を!」
「良い。今は戦時だ。抵抗したな」
兵団長はピンクブロンドの首を持ち。公爵令嬢に元へ赴いた。
「我、ロドリゲ兵団長!王を僭称するルードリッヒ元王太子殿下のご謀反、鎮圧いたしました。これが三月王妃の男爵令嬢の首にございます」
「・・・そう」
「マリシア、奥に下がったらどうだ」
「いえ、見るわ・・・ねえ。男爵令嬢は最期何て言ったの?」
「はい、とてもうろたえて、淫売らしくヤラせるから命だけは助けて、見逃してとほざいておりました。我、忠義の心で拒絶しました」
誇らしげに言う兵団長だが、公爵令嬢はあっさり否定した。
「嘘、じゃあ、何故、男爵令嬢の首は微笑んでいるの?」
「えっ!」
首は確かに微笑んでいた。
「私を追放した罪はこれで赦免だわ。しかし、嘘を言うのは・・・不敬罪よ」
「そ、そんな。私は乱の首謀者全員を誅殺しましたが・・」
「私には王族の血がありましてよ。不敬罪は適用されますわ。こいつを連れて行きなさい」
「お待ち下さい。男爵令嬢は・・・ちんしょうごこうの乱とか言っておりましたが・・・」
「連れて行きなさい」
『ちんしょうごこうの乱』?外の世界の言葉か?男爵令嬢・・・不思議な知識を持っていた。貴族の序列で男爵令嬢が王族高位貴族の心を捉えるのは至難の技・・・もしかして、外の世界の者・・・
年代記には、王太子、婚約破棄を行い。男爵令嬢を王妃に据えた。三ヶ月後に反乱が起き側近と共に誅殺された。
とだけ記載された。
その後、男爵令嬢、平民学生による改革運動が盛んになり国が混乱するのは別の話だ。
もし、『陳勝呉広の乱』の意味を公爵令嬢が知っていたら、どう行動し年代記に記したかは定かではない。
最後までお読み頂き有難うございました。




