読者への挑戦4
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……。
……。
……まず最初に、謝罪させていただきたい。
改めて、詳細な調査検討を徹底してみたところ……。なるほど、どうやら本当に、この小説には「本文がない」ようである。
そのため、さきほど私がそれを否定したことについては、誤認に基づいた、真実とは相違した表現だった、と言うことが出来るだろう。探偵小説の地の文……ひいては、「読者への挑戦」という文脈において、そういった曖昧さを排除できていないことについては、純然たる作者のミスである。その点については、非を認めようと思う。
だが。
正直なところをいえば、それは、さして大きな問題ではないはずだ。
なぜならば、本当に素晴らしい探偵小説というものは、「読者への挑戦」だけでも構成し得る。むしろ、そのような真の傑作にとっては本文など蛇足なのだ。
もちろん。これは開き直っているわけでも、負け惜しみを言っているわけでもない。
聡明なる探偵小説ファンの諸君ならば、当然知っているとは思うが……あの有名なエラなんちゃら・クイーンも、実は同じようなことを言っていたらしい。
「あー……本文作るの、だっるー。もういっそ、『読者への挑戦』だけで本出して、印税もらいてーわー」って、言ってたらしい。
は? いや、マジでマジで。
「そんなの知らない」って……それ、ただの勉強不足なんじゃないの? そんなん言われても、こっちのほうが知らんし。
ま、まあ、そういうわけなので。
ここまでの「読者への挑戦」の前に、改めて本文を付け足すという野暮なことは、しないでおこう。そんなものがなくても、鋭敏な頭脳を持ち合わせている読者諸君ならば、きっと真相に到達出来るはずである。
……と、到達、出来るよね?
だ、だめ?
やっぱ、ちょっと無茶なこと言っちゃってる……?
だってー……この探偵小説の本文データ、なくしちゃったんだもーん……。
今日、投稿サイトに新作あげるって、宣伝してたのに……。フォロワーさんたちに、「すっごい傑作できた!」って、言っちゃってたのに……。
どんだけ探しても、「読者への挑戦」以外残ってなくて……。いまさら、「やっぱナシで」なんて言えないし……。
もうこの際、こじつけでも何でもいいんでー。
ここまでの「読者への挑戦」だけで、「ちゃんと真相に到達出来る」、「ちゃんと探偵小説になってます」ってことに、してもらえませーん? ある意味、それこそが「読者さんへの挑戦」ということでー……。
うう……。やっぱ、だめ……?




