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スターチス  作者: 温眉彩芭
ヤマネコピカリャ
4/6

4.

〈登場人物〉


李人

IT会社の社長であり天才エンジニア。


李人の会社の秘書兼副社長。


クマお兄さん(傑)

李人のボディーガード





長い廊下を歩く。

立襟が特徴的なジャケットスーツにタイトなスキニーパンツに光沢のある革靴。上から下まで黒で統一したシワやシミは一つもない。

色白の肌に肩まである艶やかな黒い髪

大きな瞳に整った顔立ち

ぱっと見男か女か判別できないほど中性的だ。



『社長、11時30分から桜木市議との会食がありますので車で港区まで向かいます』


『分かった』


一歩後ろを歩く女性は、細く切長な瞳の猫目が特徴的な美人で気が強そうな雰囲気を纏っていた。

タブレットを片手にインカムイヤホンを装着し、淡々と社長と呼ばれる青年に予定を伝えていた。


その女性の隣を歩くのは身長2mはあろうかという長身で黒いスーツの上からでもわかるほど広い肩幅と筋肉質な体つきをしている。屈強な肉体とは裏腹に顔には可愛らしいくまの着ぐるみを被っているため、素顔は分からない。


彼らはそのまま、真っ白なセダンタイプの車に乗り込んだ。

車内は白とグレーに統一されており、運転席に1人座れるためのシートがあり、後部座席はU字になっている。

運転席には、秘書の女性。

後部座席に、青年とクマ男が乗り込んだ。

車が出発する。電気自動車である為、走行中も振動や音は一切しない。自動運転機能を搭載しており、女性は進行方向の目視確認と簡易操作のみだ。

運転席に座った女性が淡々と青年に話しかけた。


『社長。新宿区に不審者情報が出ました。』

『ほう』

『怪しい身なりをした男女4人組。体内に身分証となるマイクロチップを埋め込んでいない為素性が分からないそうです。』

『へー不法出国して逃げて来たやつとかかな』

『いえ、日本語以外の言語は話せないと言っています。かろうじて英語を話せるものが2名いますが、日常会話ができる程度です。』

『珍しいな。ちゃんと教育を受けてこなかったのか?年齢は?』

『10代後半から30代前半です。関係性もよく分からず、意味不明な言動をしていると』

『どんなこと言ってるの?』

『ここは、東京のはずがない。新宿にモノレールはないはず。モノレールは羽田空港近辺にしかないはずだ!と言っているそうです。』

『羽田空港‥東京第一空港の古名だね』

『所持品の中にあった身分証らしきものも、かなり昔に使われていた自動車免許証みたいです。縦5.4cm横8.56cmのカードのようです。』

『この時代に自動車免許を持っているのも珍しいし、カードって‥何時代だよ。面白いな。』

『‥それが本人たちの所持品を見る限り西暦2020年代のものであると確認されています。その免許証にも免許取得日が2020年で更新日が2024年8月と記載されているみたいです。』

『過去から来た人間ということか?』

『ありえませんがね』

『理論上、過去から未来へのタイムスリップは可能なんだぞ。琴。』

『分かってます‥しかし、仮に2025年から来たのであればそれは不可能です。2025年ではタイムリープの技術が確立されていません。』

『そうだったな』

『それに、タイムリープは国際条約で禁じられています。』

『うーん。その過去から来た人間に会いたいな』

『は?』

『そいつは今どこにいるんだ?』

『‥』

『どこにいるのー?』

『‥はぁー、桜木議員の会食の後でも良いですか?』

『あんなおっさんとのむさ苦しい食事会なんていらないんよ。キャンセルしといて。』

『なんですって!?』

『さあ!目指せ!新宿警察署ー!』

『琴、こうなったら。李人は聞かん。新宿へ向かおう。』

『はぁ‥もう仕方ないわね。』


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